コンフィグレーションガイド Vol.3


18.3.1 インターネットプロトコル バージョン6 (IPv6)

〈この項の構成〉

(1) IPv6パケットフォーマット

本装置が送信するIPv6パケットのフォーマットおよび設定値はRFC2460に従います。IPv6パケットフォーマットを次の図に示します。

図18‒21 IPv6パケットフォーマット

[図データ]

(2) IPv6パケットヘッダ有効性チェック

IPv6では40オクテット長のヘッダに,8個のフィールドと2個のアドレスが含まれます。IPv6ヘッダ形式を次の図に示します。

図18‒22 IPv6ヘッダ形式

[図データ]

IPv6パケット受信時にIPv6パケットヘッダの有効性チェックを行います。IPv6パケットヘッダのチェック内容を次の表に示します。

表18‒4 IPv6パケットヘッダのチェック内容

IPv6パケット

ヘッダフィールド

チェック内容

チェック異常時

パケット処理

パケット廃棄時ICMPv6送信

バージョン

バージョン=6であること

廃棄する

送出しない

トラフィッククラス

チェックしない

フローラベル

チェックしない

ペイロード長

パケット長と比較する

パケット長<ペイロード長

廃棄する

送出しない

パケット長と比較する

パケット長≧ペイロード長

パケットの後部をペイロード長で削除する

送出しない

次ヘッダ

チェックしない

ホップリミット

自装置宛てアドレスの受信パケットのホップリミットチェックしない

フォワーディングするパケットのホップリミット

ホップリミット-1>0であること

廃棄する

送出する

送信元アドレス

次の条件を満たすこと

  1. リンクローカルアドレスでないこと

  2. マルチキャストアドレスでないこと

廃棄する

送出しない

宛先アドレス

次の条件を満たすこと

  1. ループバックアドレスでないこと

  2. インタフェースID部が0でないこと(ただし,未定義アドレスを除く)

廃棄する

送出しない

(凡例) −:該当しない

注※ ICMPv6 Time Exceededメッセージを送信します。

(3) IPv6拡張ヘッダサポート仕様

本装置がサポートするIPv6拡張ヘッダの項目を次の表に示します。

表18‒5 IPv6拡張ヘッダの項目

IPv6拡張ヘッダ

IPv6パケットの分類

本装置が発局と

なるパケット

本装置が着局と

なるパケット※1

本装置が中継する

パケット

Hop-by-Hop Options Header

※2

Routing Header

Fragment Header

Authentication Header

×

×

Encapsulating Security Payload Header

×

×

Destination Options Header

(凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:ヘッダ処理なし

注※1 

本装置が着信するパケットが次の条件に該当する場合,パケットは廃棄されます。

・拡張ヘッダが9個以上設定されたパケット

・一つの拡張ヘッダ内に9個以上のオプションが設定されたパケット

注※2 

本装置が中継するパケットが次の条件に該当する場合,パケットは廃棄されます。

・Hop-by-Hop Optionsヘッダ内に9個以上のオプションが設定されたパケット