15.5.2 冗長経路(障害などによる経路切り替え)
本装置でマルチキャスト経路が冗長経路になっている場合の注意点について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) PIM-SMの使用
PIM-SMの場合,次に示す経路切り替えでマルチキャスト通信が再開するまで時間が掛かるので注意してください。なお,時間の表示では送信元のネットワーク情報(ユニキャストルーティング情報)切り替え時間をUと表します。
ここに記述する時間は,本装置が切り替えに掛かる時間です。そのため,実際にマルチキャスト中継が再開するには,本装置が上流ルータに対して接続要求を送信してから上流からマルチキャストデータが到着するまでの「加入通知時間」が掛かります。
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優先経路が切り替わった場合,通信再開までに掛かる時間はU秒です。
ただし,以降に示す例外があるため,注意してください。括弧内はデフォルト値を示します。
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回線障害によって優先経路から冗長経路への切り替えに5秒以上掛かる場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
U+0〜Join/Pruneの送信周期(60秒)
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回線復旧によって冗長経路から優先経路へ切り替わった場合,優先経路への切り替えには次に示す時間が掛かります。
U+0〜送信者方向のPIM-Helloメッセージの送信周期(30秒)
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ランデブーポイントおよびBSRが本装置に切り替わった(障害やコンフィグレーションなどでランデブーポイントおよびBSRを本装置にする)場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
通信再開までの時間は,ランデブーポイントまたはBSRで異なります。括弧内はデフォルト値を示します。
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ランデブーポイント切り替え時:285秒
RP-Holdtime(150秒)+Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
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BSR切り替え時:最大で348秒
Bootstrap-Timeout(130秒)+BS_Rand_Override(5〜23秒)+Bootstrap-Period(60秒) +Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
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DRが本装置に切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。括弧内はデフォルト値を示します。
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DR切り替え時:240秒
Hello-Holdtime(105秒)+Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
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障害による冗長経路切り替えだけでなく,構成変更によって意識的に経路切り替えを行った場合も,マルチキャスト通信がこれらの時間停止することがあります。システムの構成変更は計画的に実施してください。
(2) PIM-SSMの使用
PIM-SSMの場合,次に示す経路切り替えでマルチキャスト通信が再開するまで時間が掛かるので注意してください。なお,時間の表示では送信元のネットワーク情報(ユニキャストルーティング情報)切り替え時間をUと表します。
ここに記述する時間は,本装置が切り替えに掛かる時間です。そのため,実際にマルチキャスト中継が再開するには,本装置が上流ルータに対して接続要求を送信してから上流からマルチキャストデータが到着するまでの「加入通知時間」が掛かります。
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優先経路が切り替わった場合,通信再開までに掛かる時間はU秒です。
ただし,以降に示す例外があるため,注意してください。括弧内はデフォルト値を示します。
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回線障害によって優先経路から冗長経路への切り替えに5秒以上掛かる場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。
U+0〜Query Interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
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回線復旧によって冗長経路から優先経路へ切り替わった場合,優先経路への切り替えには次に示す時間が掛かります。
U+0〜送信者方向のPIM-Helloメッセージの送信周期(30秒)
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DRが本装置に切り替わった場合,通信再開までには次に示す時間が掛かることがあります。括弧内はデフォルト値を示します。
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DR切り替え時:240秒
Hello-Holdtime(105秒)+Query-interval(125秒)+Query Response Interval(10秒)
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