コンフィグレーションガイド Vol.3


14.1.1 経路フィルタリング概要

経路フィルタリングは,経路をフィルタに通すことで経路を制御する機能です。

学習経路フィルタリング,広告経路フィルタリング,およびエクストラネットの経路フィルタリングの3種類があります。

〈この項の構成〉

(1) 学習経路と広告経路フィルタリング

学習経路と広告経路の経路フィルタリングの概念を次の図に示します。

図14‒1 経路フィルタリングの概念図

[図データ]

(a) 学習経路フィルタリング

学習経路フィルタリングでは,プロトコルが学習した経路を,プロトコルとルーティングテーブルの間でフィルタします。この機能によって,学習した経路を有効にするかどうかを制御したり,経路の属性値を変更したりできます。

学習経路フィルタリングを設定していない場合,学習した経路はすべて有効経路になります。

(b) 広告経路フィルタリング

広告経路フィルタリングでは,ルーティングテーブルにある経路を,ルーティングテーブルとプロトコルの間でフィルタします。この機能によって,経路を広告するかどうかを制御したり,広告経路の情報を変更したりできます。

広告経路フィルタリングを設定していない場合,プロトコルごとに決まった条件の経路だけを広告します。

(2) エクストラネットの経路フィルタリング【SL-L3A】

エクストラネットを実現するには,異なるVRF間でアクセスできるような技術が必要です。本装置では,実現の一つの方法として,VRFのルーティングテーブル間で経路情報を交換する方法があります。同時に,エクストラネットの経路フィルタリングを行い,交換する経路をVRFのルーティングテーブル間でフィルタします。このフィルタによって,VRF間で経路を交換するかどうかを制御したり,交換する経路の属性値を変更したりできます。

エクストラネットの経路フィルタリングを設定していない場合,VRF間で経路を交換しません。

エクストラネットの経路フィルタリングの概念を次の図に示します。

図14‒2 エクストラネットの経路フィルタリングの概念図

[図データ]

なお,エクストラネットのVRF間で行う経路フィルタリングのことを,VRF間経路フィルタリングと呼びます。