コンフィグレーションガイド Vol.3


10.1.4 経路情報の学習

〈この項の構成〉

(1) 経路情報の学習元

RIPでは,コンフィグレーションコマンドのnetworkによって指定したネットワーク上のすべての隣接ルータ(インタフェースのセカンダリアドレスが属するネットワーク上のルータも含む)から,経路情報を学習できます。

(2) 経路情報学習・切り替えのタイミング

RIPで学習した経路情報の切り替えは,次の表に示す機能が関係します。

表10‒8 経路情報の学習・切り替えのタイミング

機能

内容

隣接ルータからのレスポンスパケット受信

隣接ルータから通知に従い,経路情報を追加,変更または削除を行います。

エージングタイムアウト

隣接ルータから通知された経路情報の周期的な通知が一定時間ない場合に,経路情報を削除します。

インタフェース障害の認識

RIPが動作しているインタフェースの障害を認識した際に,当インタフェースから学習した経路情報を削除します。

(a) レスポンスパケットの受信

RIPは隣接から受信したレスポンスパケットの経路情報を,自装置のルーティングテーブルに取り込みます。レスポンスパケット受信による経路情報の生成を次の図に示します。

図10‒8 レスポンスパケット受信による経路情報の生成

[図データ]

(b) エージングタイムアウト

レスポンスパケット受信により生成された経路情報はエージングタイマによって監視されます。エージングタイマは隣接からの周期的な広告によってリセット(クリア)します。隣接ルータの障害や自装置と隣接ルータ間の回線障害などによって,隣接から該当する経路情報の広告が180秒(エージングタイムアウト値)間発生しない場合,該当する経路情報を自装置のルーティングテーブルから削除します。エージングタイムアウトによる経路情報の削除を次の図に示します。

図10‒9 エージングタイムアウトによる経路情報の削除

[図データ]

(c) インタフェース障害の認識

隣接ルータと接続する自装置のインタフェース障害を認識した際に,当該インタフェースから学習したすべての経路情報を削除します。インタフェース障害による経路情報の削除を次の図に示します。

図10‒10 インタフェース障害による経路情報の削除

[図データ]