コンフィグレーションガイド Vol.3


1.4.1 IPパケットの中継方法

中継機能は受信したパケットをルーティングテーブルに従って次のルータまたはホストに転送する処理です。

〈この項の構成〉

(1) ルーティングテーブルの内容

ルーティングテーブルは複数個のエントリから構成されており,各エントリは次の内容を含んでいます。本装置のルーティングテーブルの内容はshow ip routeコマンドで表示できます。

Destination

宛先ネットワークアドレスと宛先ネットワークアドレスに対するサブネットマスクのビット長です。サブネットマスクは,ルーティングテーブル検索時,受信IPパケットの宛先IPアドレスに対するマスクになります。サブネットワークに分割されていない宛先ネットワークアドレスについては,そのネットワークアドレスのネットワーククラスに対応したマスクビット長(例えば,classAなら8)を表示します。なお,ホストアドレスによる中継を行う場合には32を表示します。

Next Hop

次に中継する必要のあるルータのIPアドレスです。マルチパス機能を使用すると,複数個のNext Hopが存在します。

Interface:Next Hopのあるインタフェース名称です。

Metric:ルートのメトリックです。

Protocol:学習元プロトコルです。

Age:ルートが確認,または変更されてからの時間(秒)です。

(2) ルーティングテーブルの検索

受信したIPパケットの宛先IPアドレスに該当するエントリをルーティングテーブルから検索します。該当するエントリとは,受信したIPパケットの宛先IPアドレスをルーティングテーブルのサブネットマスクでマスク(AND)を取った結果が宛先ネットワークアドレスと同じ値になるものです。ルーティングテーブルの検索を次の図に示します。

図1‒4 ルーティングテーブルの検索

[図データ]