コンフィグレーションガイド Vol.2


23.1.1 概要

イーサネットは企業内LANだけでなく広域網でも使われるようになってきました。これに伴い,イーサネットにSONETやATMと同等の保守管理機能が求められています。

CFMでは,次の三つの機能を使って,レイヤ2ネットワークの保守管理を行います。

  1. Continuity Check

    管理ポイント間で,情報が正しく相手に届くか(到達性・接続性)を常時監視します。

  2. Loopback

    障害を検出したあと,Loopbackでルート上のどこまで到達するのかを特定します(ループバック試験)。

  3. Linktrace

    障害を検出したあと,Linktraceで管理ポイントまでのルートを確認します(レイヤ2ネットワーク内のルート探索)。

CFMの構成例を次の図に示します。

図23‒1 CFMの構成例

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) CFMの機能

CFMはIEEE802.1agで規定されていて,次の表に示す機能があります。本装置は,これらの機能をサポートしています。

表23‒1 CFMの機能

名称

説明

Continuity Check(CC)

管理ポイント間の到達性の常時監視

Loopback

ループバック試験

ping相当の機能をレイヤ2で実行します。

Linktrace

ルート探索

traceroute相当の機能をレイヤ2で実行します。

(2) CFMの構成

CFMを構成する要素を次の表に示します。CFMはドメイン,MA,MEPおよびMIPから構成された保守管理範囲内で動作します。

表23‒2 CFMを構成する要素

名称

説明

ドメイン

(Maintenance Domain)

CFMを適用するネットワーク上の管理用のグループのこと。

MA

Maintenance Association)

ドメインを細分化して管理するVLANのグループのこと。

MEP

Maintenance association End Point)

管理終端ポイントのこと。

ドメインの境界上のポートで,MA単位に設定します。また,CFMの各機能を実行するポートです。

MIP

Maintenance domain Intermediate Point)

管理中間ポイントのこと。

ドメインの内部に位置する管理ポイントです。

MP

Maintenance Point)

管理ポイントのことで,MEPとMIPの総称です。