コンフィグレーションガイド Vol.2


16.1.7 フラッシュ制御フレーム送受信機能

〈この項の構成〉

(1) 送信動作

通信を行っているリンクの障害や運用コマンドによって,アクティブポートを変更した場合,通信を速やかに復旧させるために,上位スイッチのMACアドレステーブルをクリアするフラッシュ制御フレームを送信できます。フラッシュ制御フレームの送信は,アップリンクポートごとに設定でき,送信先のVLANを指定できます。

MACアドレステーブルをクリアしたくない装置がネットワーク上にある場合には,フラッシュ制御フレームを送受信する専用のVLANを作成し,そのVLANにフラッシュ制御フレームを送信するように設定することで,MACアドレステーブルをクリアする装置の範囲を制限できます。

本装置はフラッシュ制御フレームを,アクティブポートの変更直後に,新しくアクティブポートになったポートから送信します。

トランクポートでフラッシュ制御フレームを送信する場合には,送信先のVLANを指定する必要があります。アクセスポート,MACポートまたはプロトコルポートの場合には,送信先VLANの指定の有無に関係なく,Untaggedフレームのフラッシュ制御フレームを送信します。

(2) 受信動作

本装置は,フラッシュ制御フレームを受信するとMACアドレステーブルをクリアします。

フラッシュ制御フレームを受信するためのコンフィグレーションは必要ありません。ただし,特定のVLANにフラッシュ制御フレームを送信する設定となっている場合には,そのVLANでフラッシュ制御フレームが通信できる状態となっている必要があります。

フラッシュ制御フレームの使用による切り替え動作の違いを次の図に示します。

図16‒4 フラッシュ制御フレームの使用による切り替え動作の違い

[図データ]

通常時

本装置のプライマリポートで通信を行っている状態では,上位スイッチはユーザ端末のMACアドレスを,現在の通信経路で学習しています。

障害時(フラッシュ制御フレームの送信なし)

フラッシュ制御フレームを送信する設定がない場合,アクティブポートをセカンダリポートに切り替えても,上位スイッチBがユーザ端末のMACアドレスを以前のポートで学習しているため,上位スイッチBが学習したMACアドレスが消えるか,ユーザ端末からの通信がなければ,通信は復旧しません。

障害時(フラッシュ制御フレームの送信あり)

フラッシュ制御フレームを送信する設定の場合は,アクティブポートをセカンダリポートに切り替えると同時に,フラッシュ制御フレームによって上位スイッチBが学習したMACアドレスを削除するため,通信を速やかに復旧できます。