コンフィグレーションガイド Vol.2


13.3.2 装置障害時の動作

装置障害時の動作例を次の図に示します。

図13‒5 装置障害時の動作

[図データ]

装置障害などが発生したことによって,マスタ状態の本装置AがGSRP Advertiseフレームを正常に送信できなくなった場合,本装置Bは本装置AからのGSRP Advertiseフレームの受信タイムアウトを検出します。このとき,本装置Bはバックアップ(隣接不明)状態に遷移します。バックアップ(隣接不明)状態では,バックアップ状態と同様,フレームの中継は行いません。バックアップ(隣接不明)状態になった場合,メッセージを出力し,運用者に対して装置の状態の確認を促します。

GSRPでは,バックアップ(隣接不明)状態となった本装置Bをマスタ状態へ切り替える手段として,手動で切り替える方法と自動的に切り替える方法の二つをサポートしています。

〈この項の構成〉

(1) 手動による切り替え(運用コマンドによる切り替え)

GSRPでは手動でマスタ状態へ切り替えるための運用コマンドset gsrp masterをサポートしています。運用者は本装置Aのポートがブロッキングされていること,または装置が起動していないことを確認したうえで,本コマンドを使用することによって本装置Bをマスタ状態に遷移させることができます。運用コマンドset gsrp master入力後の動作を次の図に示します。

図13‒6 運用コマンドset gsrp master入力後の動作

[図データ]

(2) 自動での切り替え(ダイレクトリンク障害検出による切り替え)

自動での切り替えを行う機能として,ダイレクトリンク障害検出機能をサポートしています。また,ダイレクトリンク障害検出機能では対象外となる,装置起動時も自動で切り替えを行うGSRPスイッチ単独起動時のマスタ遷移機能もサポートしています。

注※1

次の動作が行われたときも,装置起動時と同じ動作になります。

  • 運用コマンドrestart vlanの実行

  • 運用コマンドrestart gsrpの実行

  • コンフィグレーションコマンドgsrpのno-neighbor-to-masterでdirect-downを指定

  • コンフィグレーションコマンドgsrpのdirect-linkによるダイレクトリンクポートの設定

  • 運用コマンドcopyによるランニングコンフィグレーションへの反映

注※2

次の動作が行われたときも,装置起動時と同様にGSRPスイッチ単独起動時のマスタ遷移機能が動作します。

  • 運用コマンドrestart vlanの実行

  • 運用コマンドrestart gsrpの実行

  • 運用コマンドcopyによるランニングコンフィグレーションへの反映

注※3

GSRPスイッチ単独起動時のマスタ遷移機能を開始する条件を次に示します。

  • GSRP Advertiseフレームの受信タイムアウトが発生

  • 本装置に設定されているVLANグループのどれかのメンバポートがアップ