コンフィグレーションガイド Vol.2


4.1.3 スケジューリング

スケジューリングは,各キューに積まれたフレームをどのような順序で送信するかを制御する機能です。

本装置では,次に示す五つのスケジューリング種別があります。スケジューリングの動作説明を次の表に示します。

表4‒2 スケジューリングの動作説明

スケジューリング種別

概念図

動作説明

適用例

PQ

[図データ]

完全優先制御。ポート当たり12キュー。

複数のキューにフレームが存在する場合,優先度の高いキューから常にフレームを送信します。ただし,キュー12(Q#12)とキュー11(Q#11),キュー10(Q#10)とキュー9(Q#9)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。

トラフィック優先順を完全に遵守する場合

[図データ]

完全優先制御。ポート当たり4キュー。

キュー4(Q#4)とキュー3(Q#3)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。キュー4またはキュー3にフレームが存在する場合,該当フレームを最優先で送信します。キュー4およびキュー3にフレームが存在しない場合,キュー2(Q#2)とキュー1(Q#1)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。

4PQ+8RR

[図データ]

最優先キュー付きラウンドロビン。ポート当たり12キュー。

複数のキューにフレームが存在する場合,優先度の高いキューから常にフレームを送信します。ただし,キュー12(Q#12)とキュー11(Q#11),キュー10(Q#10)とキュー9(Q#9)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。キュー12〜9にフレームが存在しない場合,キュー8〜1(Q#8〜Q#1)はフレーム長に関係なく,それぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。

データ系トラフィックだけの場合

4PQ+8ERR

[図データ]

最優先キューと重み(バイト数を基にした比率)付きラウンドロビン。ポート当たり12キュー。

複数のキューにフレームが存在する場合,優先度の高いキューから常にフレームを送信します。ただし,キュー12(Q#12)とキュー11(Q#11),キュー10(Q#10)とキュー9(Q#9)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。キュー12〜9にフレームが存在しない場合,キュー8〜1(Q#8〜Q#1)は各キューに設定したバイト数を基にした比率(z:y:x:w:v:u:t:s)に応じてフレームを送信します。

最優先キューに映像,音声,ERRキューにデータ系トラフィック

4PQ+8WRR

[図データ]

最優先キューと重み(フレーム数)付きラウンドロビン。ポート当たり12キュー。

複数のキューにフレームが存在する場合,優先度の高いキューから常にフレームを送信します。ただし,キュー12(Q#12)とキュー11(Q#11),キュー10(Q#10)とキュー9(Q#9)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。キュー12〜9にフレームが存在しない場合,キュー8〜1(Q#8〜Q#1)は各キューに設定したフレーム数(z:y:x:w:v:u:t:s)に応じてフレームを送信します。

なお,キュー8〜1の重みを均等に設定した場合はラウンドロビンで動作します。

最優先キューに映像,音声,WRRキューにデータ系トラフィック

4PQ+8WFQ

[図データ]

最優先キューと重み付き均等保証。ポート当たり12キュー。

複数のキューにフレームが存在する場合,優先度の高いキューから常にフレームを送信します。キュー12(Q#12)とキュー11(Q#11),キュー10(Q#10)とキュー9(Q#9)はそれぞれ送信するフレーム数が均等になるように制御します。キュー12〜9にフレームが存在しない場合,キュー8〜1(Q#8〜Q#1)は設定した重み(最低保証帯域)に従って,はじめにキューごとの最低保証帯域分を送信します。

すべてのキューを送信したあとは,ラウンドロビンで動作します。

最優先キューに映像,音声,WFQキューにデータ系トラフィック

スケジューリングの仕様について次の表に示します。

表4‒3 スケジューリング仕様

項目

仕様

キュー数

12キュー

4PQ+8ERR

キュー1〜8の重みの設定範囲

1〜127

4PQ+8WRR

キュー1〜8の重みの設定範囲

1〜15

4PQ+8WFQ

キュー1〜8の重みの設定範囲

(1) WFQの設定範囲」を参照してください。最低保証帯域の合計が回線帯域以下になるように設定してください。

最低保証帯域の対象となるフレームの範囲

MACヘッダからFCSまで

〈この項の構成〉

(1) WFQの設定範囲

WFQの設定範囲を次に示します。

表4‒4 WFQの設定範囲(10BASE-T,100BASE-TX,1000BASE-T,1000BASE-X)

設定単位※1

設定範囲

刻み値

Gbit/s

1G

1Gbit/s

Mbit/s

1M〜1000M

1Mbit/s

kbit/s

1000〜1000000

100kbit/s※2

64〜960

64kbit/s※3

注※1 1G,1M,1kはそれぞれ1000000000,1000000,1000として扱います。

注※2 設定値が1000k以上の場合100k刻みで指定します(1000,1100,1200,…,1000000)。

注※3 設定値が1000k未満の場合64k刻みで指定します(64,128,192,…,960)。

表4‒5 WFQの設定範囲(10GBASE-R,10GBASE-T)

設定単位※1

設定範囲

刻み値

Gbit/s

1G〜10G

1Gbit/s

Mbit/s

1M〜10000M

1Mbit/s

kbit/s

1000〜10000000

100kbit/s※2

64〜960

64kbit/s※3

注※1 1G,1M,1kはそれぞれ1000000000,1000000,1000として扱います。

注※2 設定値が1000k以上の場合100k刻みで指定します(1000,1100,1200,…,10000000)。

注※3 設定値が1000k未満の場合64k刻みで指定します(64,128,192,…,960)。

表4‒6 WFQの設定範囲(40GBASE-R)

設定単位※1

設定範囲

刻み値

Gbit/s

1G〜40G

1Gbit/s

Mbit/s

1M〜40000M

1Mbit/s

kbit/s

1000〜40000000

500kbit/s※2

256〜768

256kbit/s※3

注※1 1G,1M,1kはそれぞれ1000000000,1000000,1000として扱います。

注※2 設定値が1000k以上の場合500k刻みで指定します(1000,1500,2000,…,40000000)。

注※3 設定値が1000k未満の場合256k刻みで指定します(256,512,768)。

表4‒7 WFQの設定範囲(100GBASE-R)

設定単位※1

設定範囲

刻み値

Gbit/s

1G〜100G

1Gbit/s

Mbit/s

1M〜100000M

1Mbit/s

kbit/s

1000〜100000000

500kbit/s※2

512

512kbit/s※3

注※1 1G,1M,1kはそれぞれ1000000000,1000000,1000として扱います。

注※2 設定値が1000k以上の場合500k刻みで指定します(1000,1500,2000,…,100000000)。

注※3 設定値が1000k未満の場合512だけを指定します。