コンフィグレーションガイド Vol.2


3.4.2 帯域違反通知

帯域違反通知は,帯域監視をしているQoSエントリの帯域違反フレーム数(最大帯域違反または最低帯域違反)の増加を周期的に監視し,運用メッセージの出力やSNMP通知を送信する機能です。対象QoSエントリの帯域状態および監視周期について説明します。

〈この項の構成〉

(1) 帯域状態

帯域違反通知では,帯域違反通知の対象としたQoSエントリごとに帯域違反フレーム数を周期的に監視し,帯域状態を決定します。帯域状態には帯域遵守状態と帯域違反状態があり,初期状態は帯域遵守状態となります。

また,帯域状態が遷移したQoSエントリは,帯域状態の変更を通知します。

(a) 帯域遵守状態から帯域違反状態への遷移

帯域遵守状態から帯域違反状態への遷移は,コンフィグレーションコマンドで設定した帯域違反回数と監視回数に基づいて実施します。

対象のQoSエントリを周期的に監視し,帯域違反フレーム数が前回の監視時より増加した回数(帯域違反回数)が設定した帯域違反回数に達した場合,帯域違反状態へ遷移します。設定した監視回数までに帯域違反状態へ遷移しなかった場合,帯域遵守状態を継続し,帯域違反回数および監視回数を初期値に戻してやり直します。

(b) 帯域違反状態から帯域遵守状態への遷移

帯域違反状態から帯域遵守状態への遷移は,コンフィグレーションコマンドで設定した帯域遵守回数と監視回数に基づいて実施します。

対象のQoSエントリを周期的に監視し,帯域違反フレーム数が前回の監視時から変化しなかった回数(帯域遵守回数)が設定した帯域遵守回数に達した場合,帯域遵守状態へ遷移します。設定した監視回数までに帯域遵守状態へ遷移しなかった場合,帯域違反状態を継続し,帯域遵守回数および監視回数を初期値に戻してやり直します。

(2) 帯域違反通知の監視周期

帯域違反通知の監視周期は,コンフィグレーションコマンドで設定します。1秒間にコンフィグレーションコマンドで設定したエントリ数だけ,帯域違反通知の対象QoSエントリを監視します。

例えば,コンフィグレーションコマンドでエントリ数を100に設定し,帯域違反通知の対象QoSエントリ数が110エントリである場合,1秒目に100エントリを監視し,2秒目で残りの10エントリを監視します。

また,スタック構成時は,メンバスイッチごとの帯域違反通知の対象QoSエントリを,それぞれのメンバスイッチで監視します。

(3) 帯域状態の遷移例

帯域状態が遷移する場合のシーケンスを次の図に示します。この例では,帯域状態が帯域遵守状態から帯域違反状態に遷移し,その後,帯域違反状態から帯域遵守状態に遷移します。なお,帯域遵守状態での帯域違反回数を2回,監視回数を3回,帯域違反状態での帯域遵守回数を4回,監視回数を5回としています。

図3‒4 帯域状態の遷移シーケンス

[図データ]