3.1.4 フロー検出使用時の注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) VLAN Tag付きフレームに対するQoSフロー検出
3段以上のVLAN Tagがあるフレームに対して,MAC条件のイーサネットタイプ,IPv4条件,またはIPv6条件をフロー検出条件としたQoSフロー検出を実施できません。
2段のVLAN Tagがあるフレームに対して,MAC条件のイーサネットタイプ,IPv4条件,またはIPv6条件をフロー検出条件としたQoSフロー検出を受信側で実施するためには,次の条件のどちらかを満たす必要があります。
-
本装置でVLANトンネリング機能が動作していない
-
本装置でVLANトンネリング機能が動作していて,フレームを受信したポートがトランクポートである
(2) IPv4フラグメントパケットに対するQoSフロー検出
IPv4フラグメントパケットに対してTCP/UDPヘッダ・ICMPヘッダをフロー検出条件としたQoSフロー検出を行った場合,2番目以降のフラグメントパケットはTCP/UDPヘッダ・ICMPヘッダがフレーム内にないため検出できません。フラグメントパケットを含めたQoSフロー検出を実施する場合は,フロー検出条件にMACヘッダ,IPヘッダを指定してください。
(3) 拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対するQoSフロー検出
IPv6拡張ヘッダのあるIPv6パケットに対してTCP/UDPヘッダ・ICMPヘッダをフロー検出条件としたQoSフロー検出はできません。拡張ヘッダのあるパケットに対してQoSフロー検出を実施する場合は,フロー検出条件にMACヘッダ,IPv6ヘッダを指定してください。
(4) IPv4プロトコル検出について
プロトコル名称ahまたはプロトコル番号51は,フロー検出条件として指定しても検出できません。
(5) QoSエントリ適用時の動作
本装置では,インタフェースに対してQoSエントリを適用する※と,設定したQoSエントリが適用されるまでの間,ほかのQoSエントリで検出される場合があります。その場合,検出したQoSエントリの統計情報が採られます。
- 注※
-
-
1エントリ以上を設定したQoSフローリストをQoSフローグループコマンドでインタフェースに適用する場合
-
QoSフローリストをQoSフローグループコマンドで適用し,エントリを追加する場合
-
装置起動時,運用コマンドcopy実行時,または運用コマンドrestart vlan実行時に,QoSエントリを適用する場合
-
(6) QoSエントリ変更時の動作
本装置では,インタフェースに適用済みのQoSエントリを変更すると,変更が反映されるまでの間,検出の対象となるフレームが検出されなくなります。そのため,一時的にほかのQoSエントリで検出される場合があります。
(7) ほかの機能との同時動作
以下の場合フレームは廃棄しますが,受信側のインタフェースに対してQoSエントリを設定し一致した場合,一致したQoSエントリの統計情報が採られます。
-
VLANのポートのデータ転送状態がBlocking(データ転送停止中)の状態で,該当ポートからフレームを受信した場合
-
ポート間中継遮断機能で指定したポートからフレームを受信した場合
-
ネイティブVLANをトランクポートで送受信するVLANに設定しないで,VLAN Tagなしフレームを受信した場合
-
トランクポートで送受信するVLANに設定していないVLAN Tag付きフレームを受信した場合
-
アクセスポート,プロトコルポートおよびMACポートでVLAN Tag付きフレームを受信した場合
-
廃棄動作を指定したフィルタエントリ(暗黙の廃棄のエントリを含む)に一致するフレームを受信した場合
-
MACアドレス学習機能によってフレームが廃棄された場合
-
レイヤ2中継遮断機能によってフレームが廃棄された場合
-
レイヤ2認証によってフレームが廃棄された場合
-
レイヤ2プロトコルが無効なためフレームが廃棄された場合
-
IGMP snoopingおよびMLD snoopingによってフレームが廃棄された場合
-
DHCP snoopingによってフレームが廃棄された場合
-
ストームコントロールによってフレームが廃棄された場合
-
IPレイヤおよびIPv6レイヤの中継処理によってパケットが廃棄された場合