27.13.2 PortFastの設定
- 〈この項の構成〉
(1) PortFastの設定
PortFastは,端末を接続するポートなど,ループが発生しないことがあらかじめわかっているポートを直ちに通信できる状態にしたい場合に適用します。
- [設定のポイント]
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spanning-tree portfast defaultコマンドを設定すると,アクセスポート,プロトコルポート,MACポートにデフォルトでPortFast機能を適用します。デフォルトで適用してポートごとに無効にしたい場合は,spanning-tree portfast disableコマンドを設定します。
トランクポートでは,ポートごとの指定で適用できます。
[コマンドによる設定]
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(config)# spanning-tree portfast default
すべてのアクセスポート,プロトコルポート,MACポートに対してPortFast機能を適用するように設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/0/1
(config-if)# switchport mode access
(config-if)# spanning-tree portfast disable
(config-if)# exit
ポート1/0/1(アクセスポート)でPortFast機能を使用しないように設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/0/3
(config-if)# switchport mode trunk
(config-if)# spanning-tree portfast trunk
ポート1/0/3をトランクポートに指定し,PortFast機能を適用します。トランクポートはデフォルトでは適用されません。ポートごとに指定するためにはtrunkパラメータを指定する必要があります。
(2) BPDUガードの設定
BPDUガード機能は,PortFastを適用したポートでBPDUを受信した場合にそのポートをinactive状態にします。通常,PortFast機能は冗長経路ではないポートを指定し,ポートの先にはスパニングツリー装置がないことを前提とします。BPDUを受信したことによる意図しないトポロジー変更を回避したい場合に設定します。
- [設定のポイント]
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BPDUガード機能を設定するためには,PortFast機能を同時に設定する必要があります。spanning-tree portfast bpduguard defaultコマンドはPortFast機能を適用しているすべてのポートにデフォルトでBPDUガードを適用します。デフォルトで適用するときにBPDUガード機能を無効にしたい場合は,spanning-tree bpduguard disableコマンドを設定します。
[コマンドによる設定]
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(config)# spanning-tree portfast default
(config)# spanning-tree portfast bpduguard default
すべてのアクセスポート,プロトコルポート,MACポートに対してPortFast機能を設定します。また,PortFast機能を適用したすべてのポートに対しBPDUガード機能を設定します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/0/1
(config-if)# spanning-tree bpduguard disable
(config-if)# exit
ポート1/0/1(アクセスポート)でBPDUガード機能を使用しないように設定します。ポート1/0/1は通常のPortFast機能を適用します。
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(config)# interface gigabitethernet 1/0/2
(config-if)# switchport mode trunk
(config-if)# spanning-tree portfast trunk
ポート1/0/2(トランクポート)にPortFast機能を設定します。また,BPDUガード機能を設定します。トランクポートはデフォルトではPortFast機能を適用しないためポートごとに設定します。デフォルトでBPDUガード機能を設定している場合は,PortFast機能を設定すると自動的にBPDUガードも適用します。デフォルトで設定していない場合は,spanning-tree bpduguard enableコマンドで設定します。