27.3.2 アクセスポートのPVST+
(1) 解説
シングルスパニングツリーを使用している装置,または装置で一つのツリーを持つシングルスパニングツリーに相当する機能をサポートしている装置(以降,単にシングルスパニングツリーと表記します)とPVST+を用いてネットワークを構築できます。シングルスパニングツリーで運用している装置をエッジスイッチ,本装置をコアスイッチに配置して使います。このようなネットワークを構築することで,次のメリットがあります。
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エッジスイッチに障害が発生しても,ほかのエッジスイッチにトポロジー変更の影響が及ばない。
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コアスイッチ間でロードバランスができる。
シングルスパニングツリーとは,アクセスポートで接続できます。構成例を次の図に示します。この例では,エッジスイッチでシングルスパニングツリーを動作させ,コアスイッチでPVST+を動作させています。コアスイッチではエッジスイッチと接続するポートをアクセスポートとしています。各エッジスイッチはそれぞれ単一のVLANを設定しています。
(2) アクセスポートでシングルスパニングツリーを混在させた場合
PVST+とシングルスパニングツリーを混在して設定している場合,アクセスポートでは,シングルスパニングツリーは停止状態(Disable)になります。
(3) 構成不一致検出機能
同一VLANで接続しているポートについて,本装置でアクセスポート,プロトコルポート,MACポートのどれかを設定(Untaggedフレームを使用)し,対向装置ではトランクポートを設定(Taggedフレームを使用)した場合,該当VLANでは通信できないポートとなります。このようなポートを構成不一致として検出します。検出する条件は,本装置がアクセスポートで,対向装置でトランクポートを設定(Taggedフレームを使用)した場合です。この場合,該当するポートを停止状態(Disable)にします。対向装置でトランクポートの設定(Taggedフレームを使用)を削除すれば,hello-time値×3秒(デフォルトは6秒)後に,自動的に停止状態を解除します。