コンフィグレーションガイド Vol.1


26.1.13 VXLAN使用時の注意事項

〈この項の構成〉

(1) 他機能との共存

22.3 レイヤ2スイッチ機能と他機能の共存について」を参照してください。

(2) VXLANフレームの送信

VXLAN NetworkポートでVXLANフレームを送信するためには,ネクストホップのアドレス解決が完了している必要があります。VXLANフレーム送信時にネクストホップのアドレス解決が完了していない場合,該当VXLANフレームは廃棄されます。また,ネクストホップアドレスは動的に解決しません。

そのため,スタティックARPを設定したり,スタティック経路の動的監視機能を使用したりして,ネクストホップアドレスが動的に解決されるように設定してください。

(3) リモートVTEPのIPアドレス

リモート側のVTEPのIPアドレス(本装置で設定する宛先アドレス)は,ホストアドレスである必要があります。

(4) サブインタフェースのVLAN指定時のフィルタ

サブインタフェースに対するコンフィグレーションコマンドencapsulation dot1qで指定したVLAN IDと同じVLANインタフェースに対してフィルタを設定している場合,該当するVLANインタフェースのフィルタで,サブインタフェースで受信したフレームを検出します。

(5) スタック構成について

スタック構成で,VNIマッピングが数百以上設定されている状態でマスタスイッチが再起動または停止した場合,マスタスイッチの変更直後に新しいマスタスイッチで運用コマンドを実行すると,結果を表示するまでに数分掛かることがあります。

(6) TPIDの設定について

VXLAN Accessポートおよび装置に対して,コンフィグレーションでTPID値を設定した場合,対象VXLAN Accessポートでの通信ができなくなります。

(7) VLANマッピング時のVXLAN Accessポートについて

コンフィグレーションコマンドvxlan vlan-mapping modeでextendedパラメータを設定し,VNIマッピング方式にVLANマッピングを使用する場合は,コンフィグレーションコマンドvxlan-vniを設定したVLANを,VXLAN AccessポートのネイティブVLAN(switchport trunkコマンドのnative vlanパラメータ)に指定しないでください。

(8) IEEE802.1Q VLAN Tagがスタックされたフレームについて

VXLANトンネル機能は未サポートとなります。

(9) VXLAN PMTU機能の無効時について

VXLAN PMTU機能を無効にする場合,数分掛かることがあります。コンフィグレーションコマンドvxlan pmtuまたはvxlan enableを削除してVXLAN PMTU機能を無効にする場合,同時にフィルタ・QoS・ポリシーベースミラーリング機能を設定しないでください。VXLAN PMTU機能を無効にした場合,数分経過してからフィルタ・QoS・ポリシーベースミラーリング機能を設定してください。

(10) IPv6を扱うネットワークでのVXLAN PMTU機能について

IPv6パケットをカプセル化するネットワークでVXLAN PMTU機能を使用する場合,コンフィグレーションコマンドvxlan pmtuには1280オクテット以上の値を設定してください。

(11) VNIマッピング対象外のVLANでのVXLAN PMTU機能について

VNIマッピングをしていないVLANを設定したポートでVXLAN PMTU機能を有効にした場合,VNIマッピングをしていないVLANに対してもVXLAN PMTU機能が動作します。ただし,受信側フロー検出モードがIP未設定VLAN抑止モードの場合,VNIマッピングをしていないVLANでは次のように動作します。

コンフィグレーションコマンドip addressが未設定のとき

PMTUを超えるIPv4パケットは廃棄されますが,ICMPパケットによる通知をしません。

コンフィグレーションコマンドipv6 enableが未設定のとき

PMTUを超えるIPv6パケットは廃棄されますが,ICMPv6パケットによる通知をしません。