コンフィグレーションガイド Vol.1


24.6.2 プロトコルVLANの作成

プロトコルVLANを設定する手順を以下に示します。ここでは,次の図に示す本装置#1の設定例を示します。

ポート1/0/1,1/0/2はIPv4プロトコルVLAN 10を設定します。ポート1/0/3,1/0/4はIPv4プロトコルVLAN 20を設定します。ポート1/0/4はVLAN 20と同時にIPv6プロトコルVLAN 30にも所属します。ポート1/0/5はトランクポートであり,すべてのVLANを設定します。

図24‒7 プロトコルVLANの設定例

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) VLANを識別するプロトコルの作成

[設定のポイント]

プロトコルVLANは,VLANを作成する前に識別するプロトコルをvlan-protocolコマンドで設定します。プロトコルは,プロトコル名称とプロトコル値を設定します。一つの名称に複数のプロトコル値を関連づけることもできます。

IPv4プロトコルは,IPv4のEther-typeと同時にARPのEther-typeも指定する必要があるため,IPv4には二つのプロトコル値を関連づけます。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# vlan-protocol IPV4 ethertype 0800 ethertype 0806

    名称IPV4のプロトコルを作成します。プロトコル値として,IPv4のEther-type値0800とARPのEther-type値0806を関連づけます。

    なお,この設定でのプロトコル判定はEthernetV2形式のフレームだけとなります。

  2. (config)# vlan-protocol IPV6 ethertype 86dd

    名称IPV6のプロトコルを作成します。プロトコル値としてIPv6のEther-type値86DDを関連づけます。

(2) プロトコルVLANの作成

[設定のポイント]

プロトコルVLANを作成します。VLANを作成する際にVLAN IDとprotocol-basedパラメータを指定します。また,VLANを識別するプロトコルとして,作成したプロトコルを指定します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# vlan 10,20 protocol-based

    VLAN 10,20をプロトコルVLANとして作成します。VLAN 10,20は同じIPv4プロトコルVLANとするため一括して設定します。本コマンドでVLANコンフィグレーションモードに移行します。

  2. (config-vlan)# protocol IPV4

    (config-vlan)# exit

    VLAN 10,20を識別するプロトコルとして,作成したIPv4プロトコルを指定します。

  3. (config)# vlan 30 protocol-based

    (config-vlan)# protocol IPV6

    VLAN 30をプロトコルVLANとして作成します。また,VLAN 30を識別するプロトコルとして,作成したIPv6プロトコルを指定します。

(3) プロトコルポートの設定

[設定のポイント]

プロトコルVLANでプロトコルによってVLANを識別するポートは,プロトコルポートを設定します。このポートではUntaggedフレームを扱います。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface range gigabitethernet 1/0/1-2

    ポート1/0/1,1/0/2のイーサネットインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。ポート1/0/1,1/0/2は同じコンフィグレーションとなるため一括して指定します。

  2. (config-if-range)# switchport mode protocol-vlan

    (config-if-range)# switchport protocol vlan 10

    (config-if-range)# exit

    ポート1/0/1,1/0/2をプロトコルポートに設定します。また,VLAN 10を設定します。

  3. (config)# interface range gigabitethernet 1/0/3-4

    (config-if-range)# switchport mode protocol-vlan

    (config-if-range)# switchport protocol vlan 20

    (config-if-range)# exit

    ポート1/0/3,1/0/4をプロトコルポートに設定します。また,VLAN 20を設定します。

  4. (config)# interface gigabitethernet 1/0/4

    (config-if)# switchport protocol vlan add 30

    ポート1/0/4にVLAN 30を追加します。ポート1/0/4はIPv4,IPv6の2種類のプロトコルVLANを設定しています。

[注意事項]

switchport protocol vlanコマンドは,それ以前のコンフィグレーションに追加するコマンドではなく指定した<vlan id list>に設定を置き換えます。すでにプロトコルVLANを運用中のポートでVLANの追加や削除を行う場合は,switchport protocol vlan addコマンドおよびswitchport protocol vlan removeコマンドを使用してください。

(4) トランクポートの設定

[設定のポイント]

プロトコルVLANにおいても,Taggedフレームを扱うポートはトランクポートとして設定し,そのトランクポートにVLANを設定します。

[コマンドによる設定]

  1. (config)# interface gigabitethernet 1/0/5

    ポート1/0/5のイーサネットインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。

  2. (config-if)# switchport mode trunk

    (config-if)# switchport trunk allowed vlan 10,20,30

    ポート1/0/5をトランクポートに設定します。また,VLAN 10,20,30を設定します。