23.1.9 注意事項
- 〈この項の構成〉
(1) 他機能との共存
(a) レイヤ2スイッチ機能との共存
「22.3 レイヤ2スイッチ機能と他機能の共存について」を参照してください。
(b) レイヤ2認証との共存
「コンフィグレーションガイド Vol.2」 「5.2.1 レイヤ2認証と他機能との共存」を参照してください。
(2) MACアドレス学習とARP,NDPについて
本装置では,レイヤ3中継でARPやNDPによってアドレス解決したNextHopのMACアドレスはMACアドレステーブルに登録されている必要があります。そのため,次の点に注意してください。
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MACアドレス学習の情報をコマンドやエージングなどによってクリアすると,MACアドレスに対応するARPやNDPの情報がいったんクリアされます。クリアされたARPやNDPのエントリは,通信の必要に応じて再解決を行います。
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MACアドレス学習のエージングタイムがARPやNDPのエージングタイムより短い場合,MACアドレス学習のエージングによって対応するARPやNDPのエントリをクリアします。このクリアは,MACアドレス学習のエージングタイムをARPやNDPのエージングタイム以上の時間にすることで回避できます。
(3) MACアドレス学習の移動検出について
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IPアドレスが設定されたVLANで受信したフレームの送信元MACアドレスが自装置と同じMACアドレスだった場合,MACアドレスが移動したものと見なし,移動回数をカウントアップします。
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スタティックにMACアドレスを登録している場合,指定しているポート以外から指定しているMACアドレスを学習すると,MACアドレスが移動したものと見なし,移動回数をカウントアップします。
(4) MACアドレス学習の抑止について
MACアドレス学習抑止を設定したVLANは,レイヤ3のインタフェースとして使用できません。
(5) MACアドレス学習移動監視機能について
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CPUへのキューに多数の受信パケットが積まれている場合は,MACアドレス学習の移動を検知できないことがあります。
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3か所以上で同時にMACアドレス学習の移動が発生した場合は,MACアドレス学習の移動を検知できないことがあります。
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チャネルグループを構成するポートで自動復旧が指定されていると,本機能以外でinactive状態にしたポートも含めて,チャネルグループを構成するすべてのポートをactive状態にします。
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異なるメンバスイッチのポートでチャネルグループを構成し,MACアドレス学習の移動回数が閾値を超えたポートをinactive状態にする設定では,一方のメンバスイッチ側のチャネルグループを構成するポートをすべてinactive状態にします。自動復旧が指定されている場合も,同じメンバスイッチ側のチャネルグループを構成するポートをすべてactive状態にします。この構成でinactive状態にするポートを次の図に示します。
図23‒1 複数のメンバスイッチと接続するリンクアグリゲーション構成でのMACアドレス学習移動監視機能によるポート状態変更例 -
本装置のマスタスイッチ側のチャネルグループを構成するポートで,MACアドレス学習の移動回数の閾値超えが発生します。
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該当ポートを含むチャネルグループのマスタスイッチ側のポートを,すべてinactive状態にします。バックアップスイッチ側のポートは,inactive状態にしません。
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ポートをinactive状態にしてから自動復旧までの間にポートの状態が回線テスト状態に遷移し,回線テスト状態のときに自動復旧する時間になった場合,回線テスト状態が終了してもポートはinactive状態のままとなります。なお,自動復旧までの間に回線テスト状態が終了すると,自動復旧してポートはactive状態になります。