コンフィグレーションガイド Vol.2
L2ループ検知機能では,コンフィグレーションで設定したポート(物理ポートまたはチャネルグループ)からL2ループ検知用のL2制御フレーム(L2ループ検知フレーム)を定期的に送信します。L2ループ検知機能が有効なポートでそのL2ループ検知フレームを受信した場合,ループ障害と判断し,受信したポートまたは送信元ポートをinactive状態にします。
inactive状態のポートは,ループ障害の原因を解決後に運用コマンドでactive状態にします。また,自動復旧機能を設定しておけば,自動的にactive状態にできます。
- <この項の構成>
- (1) L2ループ検知機能のポート種別
- (2) L2ループ検知フレームの送信ポートについて
- (3) ループ障害の検知方法とポートをinactive状態にする条件
- (4) スタック構成でのL2ループ検知動作
- (5) 運用メッセージの表示について
(1) L2ループ検知機能のポート種別
L2ループ検知機能で使用するポートの種別を次の表に示します。
表17-1 ポート種別
種別 機能 検知送信閉塞ポート
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信します。
- ループ障害検知時は,運用ログを表示し,当該ポートをinactive状態にします。
検知送信ポート
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームを送信します。
- ループ障害検知時は,運用ログを表示します。inactive状態にはしません。
検知ポート
(コンフィグレーション省略時)
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームは送信しません。
- ループ障害検知時は,運用ログを表示します。inactive状態にはしません。
検知対象外ポート
- 本機能の対象外ポートです。ループを検知するためのL2ループ検知フレームの送信やループ障害検知をしません。
アップリンクポート
- ループを検知するためのL2ループ検知フレームは送信しません。
- ループ障害検知時は,送信元ポートで,送信元のポート種別に従った動作をします。例えば,送信元が検知送信閉塞ポートであれば,運用ログを表示し,送信元ポートをinactive状態にします。
(2) L2ループ検知フレームの送信ポートについて
L2ループ検知フレームは,検知送信閉塞ポートと検知送信ポートに所属しているすべてのVLANから,設定した送信間隔で送信します。本機能で送信できる最大フレーム数は決まっていて,それを超えるフレームは送信しません。フレームを送信できなかったポートやVLANでは,ループ障害を検知できなくなります。そのため,送信できる最大フレーム数は,収容条件に従って設定してください。詳細は,「コンフィグレーションガイド Vol.1 3.9.1 L2ループ検知」を参照してください。
(3) ループ障害の検知方法とポートをinactive状態にする条件
L2ループ検知フレームを受信した場合,自装置から送信したL2ループ検知フレームで,かつ受信ポートに設定されているVLANであれば,異なるVLAN間でもループ障害と見なします。L2ループ検知フレームの受信によってループ障害と判定すると,ポートごとにフレームの受信数をカウントします。この値がコンフィグレーションで設定したL2ループ検知フレーム受信数(初期値は1)に達すると,該当ポートをinactive状態にします。
(4) スタック構成でのL2ループ検知動作
同一スタック内のメンバスイッチ間で送信されたL2ループ検知フレームを受信した場合でも,L2ループ検知が動作します。スタック構成時のL2ループ検知フレームの受信によるループ検知について次の図に示します。
図17-2 スタック構成時のL2ループ検知フレームの受信によるループ検知
(5) 運用メッセージの表示について
ループ障害検知の運用メッセージをどこかのポートで表示し,その直後に同じポートでL2ループ検知フレームを受信しても,前回の表示から1分間は運用メッセージを表示しません。前回の表示から1分間経過し,その後L2ループ検知フレームを受信したとき,ループ障害検知の運用メッセージを表示します。
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