コンフィグレーションガイド Vol.1
スタックを構成すると,メンバスイッチの障害時や復旧時に短時間で通信を切り替えられます。短時間で通信を切り替える必要がある場合は,他装置との接続に複数のメンバスイッチにわたるリンクアグリゲーションの構成を組んだ上で,スタックでの短時間通信切り替えをサポートしている機能を使用してください。機能ごとのスタックでの短時間通信切り替えサポート状況を次の表に示します。
表7-5 スタックでの短時間通信切り替えサポート状況
分類 機能 サポート ネットワークインタフェース イーサネット ○ リンクアグリゲーション スタティック ○ LACP※1 ○ スタンバイリンク リンクダウンモード × スタンバイリンク 非リンクダウンモード ○ レイヤ2中継 MACアドレス学習 ○ ポートVLAN ○ プロトコルVLAN ○ Tag変換 ○ VLANトンネリング ○ スパニングツリー ×※2 Ring Protocol※3 ○ IGMP snooping ○ フィルタ・QoS フィルタ ○ QoS ○ 冗長化構成による高信頼化機能 アップリンク・リダンダント※3 ○ ネットワーク監視機能 L2ループ検知 ○ ネットワークの管理 IEEE802.3ah/UDLD ○ IPv4パケット中継※4 IPv4・ARP ○ ポリシーベースルーティング ○ DHCPリレー ○ IPv4ユニキャストルーティングプロトコル スタティックルーティング ○ RIP × OSPF ○※5 BGP4 ○※5 IPv4マルチキャストルーティングプロトコル PIM-SM ○※6 PIM-SSM ○※6 IPv6パケット中継※4 IPv6・NDP ○ IPv6ユニキャストルーティングプロトコル スタティックルーティング ○ RIPng × OSPFv3 ○※5 BGP4+ ○※5 (凡例)○:サポート ×:未サポート
- 注※1
- 次の表に示す条件を満たすと,マスタスイッチの切り替え時にLACPのチャネルグループをダウンしないで通信を継続できます。ただし,マスタスイッチが切り替わったときは,本装置のLACP開始方法がactiveでも,対向装置からLACPDUを受信するまでLACPDUを送信しません。そのため,対向装置もLACPの短時間通信切り替えをサポートしている場合は,本装置と対向装置で同時にマスタスイッチの切り替えが発生すると,両装置でLACPDU受信待ち状態となり,タイムアウトによってチャネルグループがダウンします。
- また,離脱ポート制限機能は,対向装置からLACPDUを受信するまで動作しません。
表7-6 通信を継続できる条件
項目 本装置 対向装置 複数のメンバスイッチにわたるリンクアグリゲーションの構成 必須 任意 LACPDU送信間隔 long long
- 注※2
- マスタスイッチの切り替え時にトポロジー計算を最初からやり直します。トポロジー計算が完了するまでの間,スパニングツリーが動作しているVLANの通信が停止します。
- 注※3
- 複数のメンバスイッチにわたるリンクアグリゲーションの構成を組まなくても,短時間通信切り替えができます。
- 注※4
- IPv4/IPv6パケットのソフトウェア中継および本装置へのIPv4/IPv6通信は,短時間通信切り替えをサポートしていません。
- 注※5
- グレースフル・リスタートを使用した場合です。
- 注※6
- コンフィグレーションコマンドip pim nonstop-forwardingを設定した場合です。
なお,通信の切り替え時間には,スタックに接続する回線のリンクダウン検出時間,およびリンクアップ検出時間が含まれます。
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