コンフィグレーションガイド Vol.1
複数のメンバスイッチと接続するリンクアグリゲーションが転送先となる場合,受信したメンバスイッチのポートへ優先して転送します。フレームを受信したメンバスイッチのポートに優先して振り分けることで,スタックリンクの帯域を有効に利用できます。また,スタックを構成するほかのメンバスイッチに障害が発生しても,通信に影響を受けなくなります。優先振り分けを有効に利用するために,スタックでリンクアグリゲーションを使用する場合は,複数のメンバスイッチにわたって設定することをお勧めします。
一方で,受信したメンバスイッチのポートを優先して転送すると,特定のメンバスイッチのポートにトラフィックが集中する場合があります。この場合は,コンフィグレーションコマンドsystem port-channel load-balance-all-portを設定することで,リンクアグリゲーションに属するすべてのメンバスイッチのポートを振り分け対象にできます。
それぞれの転送動作で振り分け対象となるポートが複数存在する場合の転送ポートの選択については,「21.1.5 フレーム送信時のポート振り分け」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 正常時の転送動作
- (2) 転送元のポート障害時の転送動作
- (3) 転送先のポート障害時の転送動作
(1) 正常時の転送動作
(a) 受信したメンバスイッチのポートを優先する場合
複数のメンバスイッチと接続するリンクアグリゲーションが転送先となる場合,受信したメンバスイッチのポートへ優先して転送します。リンクアグリゲーションで受信したメンバスイッチのポートを優先する場合の正常時の転送動作を次の図に示します。
図7-12 受信したメンバスイッチのポートを優先する場合の正常時の転送動作(リンクアグリゲーション)
(b) すべてのメンバスイッチのポートを振り分け対象とする場合
複数のメンバスイッチと接続するリンクアグリゲーションが転送先となる場合,リンクアグリゲーションに属するすべてのメンバスイッチのポートから選択して転送します。リンクアグリゲーションですべてのメンバスイッチのポートを振り分け対象とする場合の正常時の転送動作を次の図に示します。
図7-13 すべてのメンバスイッチのポートを振り分け対象とする場合の正常時の転送動作(リンクアグリゲーション)
バックアップスイッチのポートから直接転送する経路と,スタックリンクを経由してマスタスイッチのポートから転送する経路のうち,どちらかを選択して転送します。
(2) 転送元のポート障害時の転送動作
リンクアグリゲーションで転送元のポートが障害になって受信するメンバスイッチが変更された場合,受信したメンバスイッチのポートへ優先して転送します。リンクアグリゲーションで転送元のポート障害時の転送動作を次の図に示します。
図7-14 転送元のポート障害時の転送動作(リンクアグリゲーション)
すべてのメンバスイッチのポートを振り分け対象とする場合は,受信するメンバスイッチが変更されても正常時と同じ方法でポートを選択して転送します。
(3) 転送先のポート障害時の転送動作
リンクアグリゲーションで転送先のポートが障害になって受信したメンバスイッチに転送するポートがない場合,スタックリンクを経由してほかのメンバスイッチのポートへ転送します。リンクアグリゲーションで転送先のポート障害時の転送動作を次の図に示します。
図7-15 転送先のポート障害時の転送動作(リンクアグリゲーション)
すべてのメンバスイッチのポートを振り分け対象とする場合は,リンクアグリゲーションに属するすべてのメンバスイッチのポートから障害の発生していないポートを選択して転送します。
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