24.1.3 経路情報の広告
- 〈この項の構成〉
(1) 広告対象経路
(a) 学習プロトコル
RIPngでは,広告経路フィルタを設定していない場合,学習したRIPng経路およびRIPngが動作するインタフェースの直結経路を広告します。広告経路フィルタを設定した場合は,広告経路フィルタの動作に従って広告動作を行います。RIPngで広告対象の学習プロトコルを次の表に示します。
学習プロトコル |
広告経路フィルタの設定がない場合の広告動作 |
広告メトリックの適用順序※5 |
|
---|---|---|---|
直結経路※1 |
RIPngが動作するインタフェース |
広告します |
|
RIPngが動作するインタフェース以外 |
広告しません |
||
集約経路 |
広告しません |
||
スタティック経路 |
広告しません |
|
|
RIPng※2 |
広告します |
|
|
OSPFv3 |
広告しません |
|
|
BGP4+ |
広告しません |
- 注※1
-
セカンダリアドレスも広告対象となります。
- 注※2
-
スプリットホライズンが適用されます。
- 注※3
-
ルーティングテーブルのメトリック値が16以上の場合は,経路を広告しません。
- 注※4
-
広告経路フィルタ,inherit-metricまたはdefault-metricによるメトリックの指定がない場合は,経路を広告しません。
- 注※5
-
metric-offset outコマンドの設定がある場合は,選択したメトリック値に対してさらにmetric-offset outコマンドの指定値を加算します。加算した結果,メトリック値が16以上となった場合は,経路を広告しません。
(b) アドレス種別
次の表にRIPngで広告対象のアドレス種別を示します。
経路情報の種類 |
定義 |
例 |
広告可否 |
---|---|---|---|
デフォルト経路情報 |
すべてのネットワーク宛ての経路情報 |
::/0 |
○ |
ネットワーク経路情報 |
特定のネットワーク宛てのグローバル経路情報 |
2001:db8:1:1::/64 2001:db8:1::/56 |
○※ |
ホスト経路情報 |
特定のホスト宛てのグローバル経路情報 |
2001:db8:1:1::1/128 |
○※ |
(凡例) ○:広告できる
注※ グローバルアドレスおよびサイトローカルアドレスだけ広告できます。
(2) 経路情報の広告先
RIPngでは,コンフィグレーションコマンドipv6 rip enableを指定したインタフェースと接続する,すべての隣接ルータ(インタフェースのセカンダリアドレスが属するネットワーク上のルータも含む)に対して,経路情報の広告が行われます。
(3) 経路情報の広告タイミング
RIPngによる経路広告タイミングは,次の表に示す機能が関係します。
機能 |
内容 |
---|---|
周期的な経路情報広告 |
自装置が持つ経路情報を隣接ルータに周期的に通知します。 |
triggered update |
自装置の経路情報に変更があったときに定期的な広告を待たないで通知します。 |
隣接ルータからのリクエストに対する応答 |
リクエストパケットを送信した隣接ルータに対して通知します。 |
ルートポイズニング |
経路情報が削除されたことを隣接ルータに一定時間通知します。 |
(a) 周期的な経路情報広告
RIPngは自装置が持つすべての経路情報を周期的に隣接のルータに広告します。周期的な経路情報広告を次の図に示します。
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(b) triggered update
自装置の経路情報の変化を認識したときに定期的な配布周期を待たないで経路情報を配布します。triggered updateによる経路情報の広告を次の図に示します。
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(c) リクエストパケットに対する応答
本装置は,リクエストパケットを受信した際に,本パケットを送信した隣接ルータに対して経路情報を通知します。リクエストパケット受信による経路情報の広告を次の図に示します。
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(d) ルートポイズニング
到達できる状態から到達できない状態(メトリック16受信または,インタフェース障害によって該当するインタフェースから学習した経路を削除)となった経路に対して,一定時間(60秒:ガーベジコレクトタイマ)はメトリック16(到達できない)で隣接ルータに広告します。ルートポイズニングを次の図に示します。
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ルートポイズニング期間中に,該当する宛先への新しい経路を再学習した場合は,新しい経路を広告します。ルートポイズニング期間中の再学習を次の図に示します。
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