16.3.1 インターネットプロトコル バージョン6 (IPv6)
- 〈この項の構成〉
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(1) IPv6パケットフォーマット
本装置が送信するIPv6パケットのフォーマットおよび設定値はRFC2460に従います。IPv6パケットフォーマットを次の図に示します。
(2) IPv6パケットヘッダ有効性チェック
IPv6では40オクテット長のヘッダに,8個のフィールドと2個のアドレスが含まれます。IPv6ヘッダ形式を次の図に示します。
IPv6パケット受信時にIPv6パケットヘッダの有効性チェックを行います。IPv6パケットヘッダのチェック内容を次の表に示します。
表16‒4 IPv6パケットヘッダのチェック内容
IPv6パケット
ヘッダフィールド
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チェック内容
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チェック異常時
パケット処理
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パケット廃棄時ICMPv6送信
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バージョン
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バージョン=6であること
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廃棄する
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送出しない
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トラフィッククラス
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チェックしない
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−
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−
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フローラベル
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チェックしない
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−
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−
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ペイロード長
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パケット長と比較する
パケット長<ペイロード長
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廃棄する
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送出しない
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パケット長と比較する
パケット長≧ペイロード長
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パケットの後部をペイロード長で削除する
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送出しない
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次ヘッダ
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チェックしない
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−
|
−
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ホップリミット
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自装置宛てアドレスの受信パケットのホップリミットチェックしない
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−
|
−
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フォワーディングするパケットのホップリミット
ホップリミット-1>0であること
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廃棄する
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送出する※
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送信元アドレス
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次の条件を満たすこと
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リンクローカルアドレスでないこと
-
マルチキャストアドレスでないこと
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廃棄する
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送出しない
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宛先アドレス
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次の条件を満たすこと
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ループバックアドレスでないこと
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インタフェースID部が0でないこと(ただし,未定義アドレスを除く)
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廃棄する
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送出しない
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(凡例) −:該当しない
注※ ICMPv6 Time Exceededメッセージを送信します。
(3) IPv6拡張ヘッダサポート仕様
本装置がサポートするIPv6拡張ヘッダの項目を次の表に示します。
表16‒5 IPv6拡張ヘッダの項目
IPv6拡張ヘッダ
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IPv6パケットの分類
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本装置が発局と
なるパケット
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本装置が着局と
なるパケット※1
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本装置が中継する
パケット
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Hop-by-Hop Options Header
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○
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○
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○※2
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Routing Header
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○
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○
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−
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Fragment Header
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○
|
○
|
−
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Authentication Header
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×
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×
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−
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Encapsulating Security Payload Header
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×
|
×
|
−
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Destination Options Header
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○
|
○
|
−
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(凡例) ○:サポートする ×:サポートしない −:ヘッダ処理なし
- 注※1
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本装置が着信するパケットが次の条件に該当する場合,パケットは廃棄されます。
・拡張ヘッダが9個以上設定されたパケット
・一つの拡張ヘッダ内に9個以上のオプションが設定されたパケット
- 注※2
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本装置が中継するパケットが次の条件に該当する場合,パケットは廃棄されます。
・Hop-by-Hop Optionsヘッダ内に9個以上のオプションが設定されたパケット