21.1.1 概要
イーサネットは企業内LANだけでなく広域網でも使われるようになってきました。これに伴い,イーサネットにSONETやATMと同等の保守管理機能が求められています。
CFMでは,次の三つの機能を使って,レイヤ2ネットワークの保守管理を行います。
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Continuity Check
管理ポイント間で,情報が正しく相手に届くか(到達性・接続性)を常時監視します。
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Loopback
障害を検出したあと,Loopbackでルート上のどこまで到達するのかを特定します(ループバック試験)。
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Linktrace
障害を検出したあと,Linktraceで管理ポイントまでのルートを確認します(レイヤ2ネットワーク内のルート探索)。
CFMの構成例を次の図に示します。
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- 〈この項の構成〉
(1) CFMの機能
CFMはIEEE802.1agで規定されていて,次の表に示す機能があります。本装置は,これらの機能をサポートしています。
名称 |
説明 |
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Continuity Check(CC) |
管理ポイント間の到達性の常時監視 |
Loopback |
ループバック試験 ping相当の機能をレイヤ2で実行します。 |
Linktrace |
ルート探索 traceroute相当の機能をレイヤ2で実行します。 |
(2) CFMの構成
CFMを構成する要素を次の表に示します。CFMはドメイン,MA,MEPおよびMIPから構成された保守管理範囲内で動作します。
名称 |
説明 |
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ドメイン (Maintenance Domain) |
CFMを適用するネットワーク上の管理用のグループのこと。 |
MA (Maintenance Association) |
ドメインを細分化して管理するVLANのグループのこと。 |
MEP (Maintenance association End Point) |
管理終端ポイントのこと。 ドメインの境界上のポートで,MA単位に設定します。また,CFMの各機能を実行するポートです。 |
MIP (Maintenance domain Intermediate Point) |
管理中間ポイントのこと。 ドメインの内部に位置する管理ポイントです。 |
MP (Maintenance Point) |
管理ポイントのことで,MEPとMIPの総称です。 |