コンフィグレーションガイド Vol.2


3.10.2 CoS値・キューイング優先度

CoS値は,フレームの装置内における優先度を表すインデックスを示します。キューイング優先度は,キューイングする各キューに対して廃棄されやすさの度合いを示します。

CoS値とキューイング優先度の指定範囲を次の表に示します。

表3‒13 CoS値とキューイング優先度の指定範囲

項目

指定範囲

CoS値

0〜7

キューイング優先度

1〜3

CoS値の指定は,ユーザ優先度引き継ぎと同時に設定できません。

また,フロー制御の優先度決定およびユーザ優先度引き継ぎが行われていないフレームは,デフォルトのCoS値とキューイング優先度を使用します。フレーム種別ごとのデフォルトのCoS値とキューイング優先度を次の表に示します。

表3‒14 フレーム種別ごとのデフォルトのCoS値とキューイング優先度

フレーム種別

デフォルト値

CoS値

キューイング優先度

ユニキャストフレーム

ユーザ優先度マッピングに従います

3

ブロードキャストフレーム

0

マルチキャストフレーム

また,ミラーリングしたフレームは,コピー元のフレームのCoS値およびキューイング優先度に準じます。

なお,次に示すフレームは,フロー制御の優先度決定およびユーザ優先度引き継ぎの有無にかかわらず,固定的にCoS値とキューイング優先度を決定します。

優先度決定およびユーザ優先度引き継ぎで変更できないフレームを次の表に示します。

表3‒15 優先度決定で変更できないフレーム一覧

フレーム種別

CoS値

キューイング優先度

本装置が自発的に送信するフレーム

7

3

本装置が受信するフレームのうち次のフレーム

  • ARPフレーム

  • 回線テストに使用するフレーム

5

本装置が受信するフレームのうち次のフレーム

  • 自装置宛てのMACアドレス学習の移動検出と見なしたフレーム

2

本装置がレイヤ3中継し,本装置が受信するフレームのうち次のパケット/フレーム

  • MTUを超えるIPv4,IPv6パケット

  • TTLが1のフレーム

  • ホップリミットが1のフレーム

  • IPオプション付きのフレーム

  • IPv6拡張ヘッダ付きのフレーム

2

本装置がレイヤ3中継し,本装置が受信するフレームのうち次のパケット

  • 宛先不明のIPv4,IPv6パケット

2

本装置でレイヤ3中継するフレームのうち次のフレーム

  • 本装置でフラグメントしたフレーム

  • IPオプション付きのフレーム

  • IPv6拡張ヘッダ付きのフレーム

  • ARP/NDPの未解決により本装置に一時的に滞留する中継フレーム

3

(凡例) −:フロー制御の優先度決定で変更できる

また,コンフィグレーションコマンドsflow sampling-limit-modeを設定しているときに本装置が受信する次のフレーム/パケットは,優先度決定によるCoS値の変更はできません。