22.5.5 多重障害復旧時の動作
共有リンク監視リングでの多重障害が復旧した場合の動作について説明します。
(1) 多重障害からの一部復旧時の動作
共有リンク監視リングで多重障害からの一部復旧時の動作について,次の図に示します。
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(a) 共有リンク監視リングの各ノードの動作
- 1. 多重障害の復旧を検出
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共有ノードは対向の共有ノードが送信した多重障害監視フレームを受信して,多重障害の復旧を検出します。
(b) バックアップリングの各ノードの動作
- 2. HC(S)の送信を再開
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多重障害の復旧を検出した共有ノードは,バックアップリングのHC(S)の送信を再開します。
(2) バックアップリングからの切り戻し動作
バックアップリングからの切り戻し動作について,次の図に示します。
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(a) バックアップリングの各ノードの動作
- 1. HC(S)受信によってリング復旧を検出
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マスタノードは共有ノードが送信したHC(S)を両方向から受信すると,リング障害が復旧したと判断して復旧動作を行います。復旧検出時のマスタノードおよびトランジットノードの動作は,マルチリング時の動作と同様ですので,「22.4.3 共有リンク非監視リングでの共有リンク以外の障害・復旧時の動作 (2) 復旧検出時の動作」を参照してください。
(b) 共有リンク監視リングの各ノードの動作
- 2. 共有ノードからフラッシュ制御フレームを送信
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バックアップリングのマスタノードから送信されたフラッシュ制御フレームを受信すると,共有ノードは共有リンク監視リングに向けて,MACアドレステーブルのクリアだけをするフラッシュ制御フレームを送信します。
- 3. MACアドレステーブルのクリア
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トランジットノードは共有ノードから送信されたフラッシュ制御フレームを受信して,MACアドレステーブルをクリアします。
- 4. ブロッキングを保持
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リンク障害から復旧したリングポートのリングVLAN状態は,マスタノードがリング復旧を検出していないため,ブロッキングを保持します。
なお,ブロッキングの解除については「22.7 Ring Protocol使用時の注意事項 (18) 多重障害の一部復旧時の通信について」を参照してください。
(3) 共有リンク障害復旧時の動作
共有リンク障害復旧時の動作について,次の図に示します。
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(a) 共有リンク監視リングの各ノードの動作
- 1. HC(M)受信によってリング復旧を検出
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マスタノードは自身が送信したHC(M)を受信すると,リング障害が復旧したと判断して復旧動作を行います。復旧検出時のマスタノードおよびトランジットノードの動作は,マルチリング時の動作と同様ですので,「22.4.2 共有リンク障害・復旧時の動作 (2) 復旧検出時の動作」を参照してください。
- 2. MACアドレステーブルのクリア
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トランジットノードはマスタノードから送信されたフラッシュ制御フレームを受信して,MACアドレステーブルをクリアします。
- 3. フォワーディングに変更
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トランジットノードはマスタノードが送信したフラッシュ制御フレームの受信によって,リンク障害から復旧したリングポートのリングVLAN状態をフォワーディングに変更します。