コンフィグレーションガイド Vol.1


21.9.2 マルチプルスパニングツリーのネットワーク設計

〈この項の構成〉

(1) MSTインスタンス単位のロードバランシング構成

マルチプルスパニングツリーでは,MSTインスタンス単位にロードバランシングができます。ロードバランシング構成の例を次の図に示します。この例では,VLAN 10,20をMSTインスタンス1に,VLAN 30,40をMSTインスタンス2に設定して,二つのロードバランシングを行っています。マルチプルスパニングツリーでは,この例のように四つのVLANであっても二つのツリーだけを管理することでロードバランシングができます。

図21‒13 マルチプルスパニングツリーのロードバランシング構成

[図データ]

(2) MSTリージョンによるネットワーク設計

ネットワーク構成が大規模になるに従ってネットワーク設計は複雑になりますが,MSTリージョンによって中小規模構成に分割することで,例えば,ロードバランシングをMSTリージョン単位に実施できるため,ネットワーク設計が容易になります。

MSTリージョンによるネットワーク設計例を次の図に示します。この例では,装置A,B,CをMSTリージョン#1,装置D,E,FをMSTリージョン#2,本装置G,H,IをMSTリージョン#3に設定して,ネットワークを三つのMSTリージョンに分割しています。

図21‒14 MSTリージョンによるネットワーク構成

[図データ]