19.1.5 VLAN Tag
- 〈この項の構成〉
(1) 概要
IEEE 802.1Q規定によるVLAN Tag(イーサネットフレーム中にTagと呼ばれる識別子を挿入する方法)を使用して,一つのポートに複数のVLANを構築できます。
VLAN Tagはトランクポートで使用します。トランクポートはその対向装置もVLAN Tagを認識できなければなりません。
(2) プロトコル仕様
VLAN TagはイーサネットフレームにTagと呼ばれる識別子を埋め込むことで,VLAN情報(=VLAN ID)を離れたセグメントへと伝えることができます。
Taggedフレームのフォーマットを次の図に示します。VLAN Tagを挿入するイーサネットフレームのフォーマットは,Ethernet V2フォーマットと802.3フォーマットの2種類があります。
|
VLAN Tagのフィールドの説明を次の表に示します。
フィールド |
説明 |
本装置の条件 |
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TPID (Tag Protocol ID) |
IEEE802.1Q VLAN Tagが続くことを示すEther Type値を示します。 |
ポートごとに任意の値を設定できます。 |
User Priority |
IEEE802.1Dのプライオリティを示します。 |
コンフィグレーションで8段階のプライオリティレベルを選択できます。 |
CF (Canonical Format) |
MACヘッダ内のMACアドレスが標準フォーマットに従っているかどうかを示します。 |
本装置では標準(0)だけをサポートします。 |
VLAN ID |
VLAN IDを示します。※ |
ユーザが使用できるVLAN IDは1〜4094です。 |
注※ Tag変換を使用している場合,Tag変換で設定したVLAN IDを使用します。詳細は「20.3 Tag変換の解説」を参照してください。VLAN ID=0を受信した場合は,Untaggedフレームと同様の扱いになります。VLAN ID=0を送信することはありません。
本装置がレイヤ2で中継するフレームのUser Priorityは,受信したフレームのUser Priorityと同じです。受信したフレームがUntaggedフレームの場合は,User Priorityがデフォルト値の3になります。なお,送信するフレームのUser Priorityはコンフィグレーションで変更することができます。User Priorityの変更および本装置がレイヤ3で中継するフレームのUser Priorityについては,「コンフィグレーションガイド Vol.2」 「3.7 マーカー解説」を参照してください。