コンフィグレーションガイド Vol.2
レイヤ3冗長切替機能は,2台のスイッチが同一のIPアドレスとMACアドレスを引き継いで切り替えることで,PCなどからのデフォルトゲートウェイを経由した通信を継続できるようにします。
GSRPレイヤ3冗長切替機能の概要を次の図に示します。なお,ここではPCなどを接続するネットワークを下流ネットワークと呼び,そこからIP中継する先のネットワークを上流ネットワークと呼びます。GSRPのマスタ/バックアップ切り替えは下流ネットワーク側に反映します。
図14-8 GSRPレイヤ3冗長切替機能の概要
- <この項の構成>
- (1) デフォルトゲートウェイのIPアドレス
- (2) デフォルトゲートウェイのMACアドレス
(1) デフォルトゲートウェイのIPアドレス
GSRPで冗長化するデフォルトゲートウェイのIPアドレスは,2台のGSRPスイッチで同じVLANに同じアドレスを設定します。マスタ状態のGSRPスイッチはVLANがアップ状態となり,デフォルトゲートウェイとしてIP中継を行います。バックアップ状態のGSRPスイッチのVLANはダウン状態となりIP中継を行いません。
(2) デフォルトゲートウェイのMACアドレス
GSRPで冗長化するデフォルトゲートウェイのMACアドレスはGSRPのプロトコル専用の仮想MACアドレスを使用します。仮想MACアドレスは,VLANグループIDごとに異なるアドレスを使用します。
マスタ状態の装置は,下流のLANスイッチに仮想MACアドレスを学習させるために,仮想MACアドレスを送信元MACアドレスとしたGSRP制御フレームを定期的に送信します。
GSRPで使用する仮想MACアドレスを次の図と表に示します。
VLANグループIDが8以下の場合は,次に示す方法で仮想MACアドレスを生成します。
図14-9 GSRPレイヤ3冗長切替機能の仮想MACアドレスの生成方法(VLANグループIDが8以下)
表14-5 GSRPレイヤ3冗長切替機能の仮想MACアドレスの生成方法(VLANグループIDが8以下)
項目 値 GSRPグループID GSRPグループID1〜4に対して,0〜3の値を設定します。レイヤ3冗長切替機能では,GSRPグループIDは1〜4の値である必要があります。 VLANグループID VLANグループID1〜8に対して,0〜7の値を設定します。 固定(3ビット) 最下位3ビットは7固定とします。 VLANグループIDが9以上の場合は,0000.8758.1311〜0000.8758.1350の範囲の仮想MACアドレスをVLANグループID 9〜64に順番に割り当てます。
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