コンフィグレーションガイド Vol.1

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20.12.3 ループガード

<この項の構成>
(1) 概要
(2) ループガードに関する注意事項

(1) 概要

片線切れなどの単一方向のリンク障害が発生し,BPDUの受信が途絶えた場合,ループが発生することがあります。ループガード機能は,このような場合にループの発生を防止する機能です。

次の図に単一方向のリンク障害時の問題点を示します。

図20-16 単一方向のリンク障害時の問題点

[図データ]

ループガード機能とはBPDUの受信が途絶えたポートの状態を,再度BPDUを受信するまで転送不可状態に遷移させる機能です。BPDU受信を開始した場合は通常のスパニングツリー対象のポートとしての動作を開始します。

ループガード機能は,端末を接続するポートを指定する機能であるPortFastを設定したポート,またはルートガード機能を設定したポートには設定できません。

(2) ループガードに関する注意事項

ループガードはマルチプルスパニングツリーでは使用できません。

ループガード機能を設定したあと,次に示すイベントが発生すると,ループガードが動作してポートをブロックします。その後,BPDUを受信するまで,ループガードは解除されません。

なお,ループガード機能は,指定ポートだけでなく対向装置にも設定してください。指定ポートだけに設定すると,上記のイベントが発生しても,指定ポートはBPDUを受信しないことがあります。このような場合,ループガードの解除に時間が掛かります。ループガードを解除するには,対向装置のポートでBPDU受信タイムアウトを検出したあとのBPDUの送信を待つ必要があるためです。

また,両ポートにループガードを設定した場合でも,指定ポートでBPDUを一度も受信せずに,ループガードの解除に時間が掛かることがあります。具体的には,対向ポートが指定ポートとなるようにブリッジやポートの優先度,パスコストを変更した場合です。対向ポートでBPDUタイムアウトを検出し,ループガードが動作します。このポートが指定ポートになった場合,BPDUを受信しないことがあり,ループガードの解除に時間が掛かることがあります。

運用中にループガード機能を設定した場合,その時点では,ループガードは動作しません。運用中に設定したループガードは,BPDUの受信タイムアウトが発生した時に動作します。

本装置と対向装置のポート間にBPDUを中継しない装置が存在し,かつポートの両端にループガード機能を設定した状態でポートがリンクアップした場合,両端のポートはループガードが動作したままになります。復旧するには,ポート間に存在する装置のBPDU中継機能を有効にし,再度ポートをリンクアップさせる必要があります。

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