トラブルシューティングガイド

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3.24 CPUで処理するパケットの輻輳が回復しない

CPUで処理するパケットの輻輳が回復しない場合の対処方法について説明します。

CPUで処理するパケットの輻輳は,ソフトウェア処理が必要なパケットを多数受信した場合に,CPU宛ての受信キューが溢れることで発生します。

CPU宛てのキューでパケットの輻輳を検出すると,次のメッセージが出力されます。

”E3 SOFTWARE 00003301 1000:000000000000 CPU congestion detected.”

パケットの輻輳が回復すると,次のメッセージが出力されます。

”E3 SOFTWARE 00003302 1000:000000000000 CPU has recovered from congestion.”

CPUで処理するパケットの輻輳は,経路情報のエージングによって一時的に宛先不明のパケットを大量に受信した場合など,正常に動作していても発生することがあります。パケットの輻輳が回復しない,またはパケットの輻輳の発生と回復を頻繁に繰り返す場合は,本装置の設定またはネットワーク構成に問題がある可能性があります。本事象発生中に,次の表に従って対応してください。

表3-82 CPUで処理するパケットの輻輳が回復しない場合の対処方法

項番 確認内容・コマンド 対応
1 パケット種別の特定
  • show netstat statisticsコマンドを20秒間隔で続けて実行して,結果を比較してください。
比較した結果,パケット種別がipまたはip6の統計項目にあるtotal packets receivedで大幅にカウントが増加している場合は項番2へ。
比較した結果,パケット種別がarpの統計項目にあるpackets receivedで大幅にカウントが増加している場合は項番2へ。
上記以外の場合は項番4へ。
2 受信VLANインタフェースの特定
  • show netstat interfaceコマンドを20秒間隔で続けて実行して,結果を比較してください。
比較した結果,特定のVLANインタフェースの統計項目にあるIpktsで大幅にカウントが増加している場合は項番3へ。
上記以外の場合は項番4へ。
3 パケットの送信元/宛先アドレスの特定
  • 項番2で特定したVLANインタフェースに対してshow tcpdump interfaceコマンドを実行して,項番1で特定したパケット種別の送信元アドレスと宛先アドレスを確認してください。
パケット種別がipまたはip6で該当パケットの宛先アドレスが本装置の場合は,不正に送信されている可能性があります。送信元アドレスを持つ端末の設定を見直すか,ネットワーク構成を見直して,本装置宛てに該当パケットが送信されないようにしてください。
パケット種別がipまたはip6で該当パケットの宛先アドレスが他装置の場合は,ARP情報のアドレスが解決していない,または宛先不明のパケットを大量に受信していることが考えられます。
パケット種別がarpの場合は,ARPパケットを大量に受信しています。この場合,L2ループ構成となっている可能性があります。ネットワーク構成を見直してください。ネットワーク構成に問題がなければ,送信元アドレスを持つ端末の設定を見直してください。
4 解析情報の採取
  • AX6700Sの場合
    show tech-supportコマンド,dump bsuコマンドを順に2回実行してください。
  • AX6600SまたはAX6300Sの場合
    show tech-supportコマンド,dump pspコマンドを順に2回実行してください。
  • AX3800S,AX3600SまたはAX2400Sの場合
    show tech-supportコマンドを2回実行してください。


  • dump bsuコマンドまたはdump pspコマンドを実行するときは,メモリダンプファイルの収集完了のログが出力されるまで次のコマンドは実行しないでください。
  • 2回目のdump bsuコマンドまたはdump pspコマンドを実行するときは,1回目に収集したメモリダンプファイルが削除されるので,1回目に収集したメモリダンプファイルを退避してから実行してください。
収集した情報を支援部署に送付してください。

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