トラブルシューティングガイド
スパニングツリー機能を使用し,レイヤ2通信の障害,またはスパニングツリーの運用状態がネットワーク構成どおりでない場合,次の表に示す解析方法に従って原因の切り分けを行ってください。マルチプルスパニングツリーの場合は,CISTまたはMSTインスタンスごとに確認をしてください。例えば,ルートブリッジに関して確認するときは,CISTのルートブリッジまたはMSTインスタンスごとのルートブリッジと読み替えて確認してください。
表3-15 スパニングツリーの障害解析方法
項番 確認内容・コマンド 対応 1 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-treeコマンドを実行し,スパニングツリーのプロトコル動作状況を確認してください。 Enableの場合は項番2へ。 Ring ProtocolとPVST+を共存動作させているとき,対象VLANのツリー情報が表示されていない場合は項番7へ。 Disableの場合はスパニングツリーが停止状態になっているためコンフィグレーションを確認してください。 Ring Protocolとマルチプルスパニングツリーが共存動作している場合は項番8へ。 PVST+数が収容条件内に収まっているかを確認してください。 2 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-treeコマンドを実行し,スパニングツリーのルートブリッジのブリッジ識別子を確認してください。 ルートブリッジのブリッジ識別子がネットワーク構成どおりのルートブリッジになっている場合は項番3へ。 ルートブリッジのブリッジ識別子がネットワーク構成どおりのルートブリッジでない場合は,ネットワーク構成,コンフィグレーションを確認してください。 3 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-treeコマンドを実行し,スパニングツリーのポート状態,ポート役割を確認してください。 スパニングツリーのポート状態,ポート役割がネットワーク構成どおりになっている場合は項番4へ。 Ver.10.6より前の場合:
ループガード機能を適用しているポートのポート状態がBlockingまたはDiscardingの場合は,そのポートが指定ポートではないか確認してください。
指定ポートの場合は,ループガード機能の設定を削除してください。スパニングツリーのポート状態,ポート役割がネットワーク構成とは異なる場合は,隣接装置の状態とコンフィグレーションを確認してください。 4 障害となっているスパニングツリーに対してshow spanning-tree statisticsコマンドを実行し,障害となっているポートでBPDUの送受信を確認してください。 BPDUの送受信カウンタを確認してください。
- 【ルートポートの場合】
- BPDU受信カウンタがカウントアップされている場合は項番5へ。
- カウントアップされていない場合は,フィルタによってBPDUが廃棄されているか,またはQoS制御の帯域監視,廃棄制御もしくはシェーパによってBPDUが廃棄されている可能性があります。「3.25.1 フィルタ/QoS設定情報の確認」を参照し,確認してください。問題がない場合は,隣接装置を確認してください。
- 【指定ポートの場合】
- BPDU送信カウンタがカウントアップされている場合は項番5へ。
- カウントアップされていない場合は,「3.5 ネットワークインタフェースの通信障害」を参照してください。
5 障害となっているスパニングツリーに対して,show spanning-treeコマンドをdetailパラメータ指定で実行し受信BPDUのブリッジ識別子を確認してください。 受信BPDUのルートブリッジ識別子,送信ブリッジ識別子がネットワーク構成どおりになっていることを確認してください。ネットワーク構成と異なっていた場合は隣接装置の状態を確認してください。 6 障害となっているスパニングツリーの最大数が収容条件内か確認してください。 収容条件の範囲内で設定してください。
収容条件については,マニュアル「コンフィグレーションガイド」を参照してください。7 PVST+で動作させたいVLANが,Ring Protocolのvlan-mappingに単一で設定されていることを確認してください。 対象VLANをRing Protocolのvlan-mappingに設定していない場合は設定してください。また,vlan-mappingにVLANを複数設定している場合は,vlan-mappingの構成を見直して単一VLANだけを設定してください。 8 MSTインスタンスで動作させたいVLANが,Ring Protocolのvlan-mappingと一致していることを確認してください。 対象VLANをRing Protocolのvlan-mappingに設定していない場合は,マルチプルスパニングツリーで動作するVLANと一致するように設定してください。
All Rights Reserved, Copyright(C), 2005, 2012, ALAXALA Networks, Corp.