コンフィグレーションガイド Vol.2

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20.1.3 ドメインの設計

CFMを使用する際には,まずドメインを設計します。ドメインの構成と階層構造を設計し,次に個々のドメインの詳細設計をします。

ドメインの設計には,ドメインレベル,MA,MEPおよびMIPの設定が必要です。

<この項の構成>
(1) ドメインの構成と階層構造の設計
(2) 個々のドメインの詳細設計
(3) ドメインの構成例

(1) ドメインの構成と階層構造の設計

ドメインの境界となるMAのポートをMEPに設定し,低いドメインと重なるポートをMIPに設定します。次に示す図の構成例を基に,ドメインの構成および階層構造の設計手順を示します。

図20-12 構成例

[図データ]

事業者A,事業者B,事業者全体,ユーザという単位でドメインを設計し,区分に応じたドメインレベルを設定します。また,次の項目を想定しています。

ドメインの設計は,次に示すように低いレベルから順に設定します。

・ドメインレベル1,2の設定

  1. ドメインレベル1でMA“Group_A”を設定します。
    この例では,一つのドメインを一つのMAで管理していますが,ドメイン内をVLANグループ単位に分けて詳細に管理したい場合は,管理する単位でMAを設定します。
  2. ドメインの境界に当たる装置B,Dで,MAのポートにMEPを設定します。
    事業者はユーザに提供するポートを含めた接続性を管理するため,Up MEPを設定します。
  3. ドメインレベル2も同様に,MAを設定し,装置E,GにUp MEPを設定します。

    図20-13 ドメインレベル1,2の設定

    [図データ]

・ドメインレベル4の設定

  1. ドメインレベル4でMA“Group_C”を設定します。
  2. ドメインレベル4の境界に当たる装置B,Gで,MAのポートにMEPを設定します。
    事業者はユーザに提供するポートを含めた接続性を管理するため,Up MEPを設定します。
  3. ドメインレベル4はドメインレベル1と2を包含しているため,それぞれの中継点である装置D,EにMIPを設定します。
    低いドメインのMEPを高いドメインでMIPに設定すると,LoopbackやLinktraceを使って自分で管理するドメインでの問題か,低いレベルで管理するドメインでの問題かを切り分けられるため,調査範囲を特定しやすくなります。

    図20-14 ドメインレベル4の設定

    [図データ]

・ドメインレベル7の設定

  1. ドメインレベル7でMA“Group_D”を設定します。
  2. ドメインレベル7の境界に当たるA,Hで,MAのポートにMEPを設定します。
    ユーザは事業者から提供される回線の接続性を管理するため,Down MEPを設定します。
  3. ドメインレベル7はドメインレベル4を包含しているため,中継点である装置B,GにMIPを設定します。
    ドメインレベル1と2は,ドメインレベル4の中継点として設定しているため,ドメインレベル7では設定する必要はありません。

    図20-15 ドメインレベル7の設定

    [図データ]

(2) 個々のドメインの詳細設計

個々の詳細設計では,Loopback,Linktraceを適用したい個所にMIPを設定します。

MIP設定前の構成およびMIP設定後の構成の例を次の図に示します。

図20-16 MIP設定前の構成例

[図データ]

図20-17 MIP設定後の構成例

[図データ]

ドメインの内側でLoopback,Linktraceの宛先にしたいポートをMIPに設定します。この例では,装置B,DにMIPを設定しています。この設定によって装置B,DのMIPに対し,Loopback,Linktraceを実行できます。また,Linktraceのルート情報として応答を返すようになります。

MIPを設定していない装置CはLoopback,Linktraceの宛先として指定できません。また,Linktraceに応答しないためルート情報に装置Cの情報は含まれません。

(3) ドメインの構成例

ドメインは階層的に設定できますが,階層構造の内側が低いレベル,外側が高いレベルとなるように設定する必要があります。

ドメインの構成例と構成の可否を次の表に示します。

表20-4 ドメインの構成例と構成の可否

構成状態 構成例 構成の可否
ドメインの隣接 [図データ] 
ドメインの接触 [図データ] 
ドメインのネスト [図データ] 
ドメインの隣接とネストの組み合わせ [図データ] 
ドメインの交差 [図データ]  不可

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