コンフィグレーションガイド Vol.2

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15.1.6 GSRPのパラメータの設定

<この項の構成>
(1) リンク不安定時の連続切り替え防止機能の設定
(2) GSRP Advertiseフレームの送信間隔,保持時間の設定
(3) GSRP Flush requestフレームを送信しないポートの設定
(4) GSRP Flush requestフレームの送信回数の設定

(1) リンク不安定時の連続切り替え防止機能の設定

GSRPではマスタ,バックアップの選択要因として,アクティブポート数を使用します。そのため,ポートのアップ,ダウンが頻発するなどのポートが不安定な状態となった場合にアクティブポート数の増減が多発し,その結果,マスタ状態とバックアップ状態の切り替えが連続して発生するおそれがあります。ポートが不安定な状態の際,本コマンドで遅延時間を指定することで,不要な切り替えを抑止できます。

[設定のポイント]
ポートがアップした場合にアクティブポート数のカウント対象に反映するまでの遅延時間を設定します。
パラメータにinfinityを指定した場合は,遅延時間を無限とし,自動ではアクティブポートにカウントしません。設定しない場合,ポートがアップするとアクティブポート数のカウント対象に即時反映(0秒)します。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# gsrp 1
    GSRPコンフィグレーションモードに移行します。
     
  2. (config-gsrp)# port-up-delay 10
    アクティブポート数へのカウント対象に反映する遅延時間を10秒に設定します。
     
  3. (config-gsrp)# port-up-delay infinity
    アクティブポート数へのカウント対象に反映する遅延時間を無限に変更します。この設定の場合,ポートのアップ後にカウント対象に反映するためにはclear gsrp port-up-delayコマンドを使用してください。
     

(2) GSRP Advertiseフレームの送信間隔,保持時間の設定

[設定のポイント]
GSRP Advertiseフレームの送信間隔および保持時間を設定します。advertise-holdtimeはadvertise-intervalより大きな値を設定してください。advertise-interval以下の値を設定した場合,GSRP Advertiseフレームの受信タイムアウトを検出します。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# gsrp 1
    GSRPコンフィグレーションモードに移行します。
     
  2. (config-gsrp)# advertise-interval 5
    GSRP Advertiseフレームの送信間隔を5秒に設定します。
     
  3. (config-gsrp)# advertise-holdtime 20
    GSRP Advertiseフレームの保持時間を20秒に設定します。この場合,GSRP Advertiseフレームの未到達を3回まで許容します。
     

[注意事項]
CPUが過負荷状態となった場合,本装置が送受信するGSRP advertiseフレームの廃棄または処理遅延が発生して,タイムアウトのメッセージ出力や,状態遷移が発生するおそれがあります。過負荷状態が頻発する場合は,GSRP advertiseフレームの送信間隔,保持時間を大きい値に設定して運用してください。

(3) GSRP Flush requestフレームを送信しないポートの設定

[設定のポイント]
ポートまたはリンクアグリゲーションに対してGSRP Flush requestフレームを送信しないポートを設定します。イーサネットインタフェースまたはポートチャネルインタフェースに対して設定します。
GSRP Flush requestはGSRP管理VLANのうちダイレクトリンクおよびポートリセット機能を設定しているポート以外の全ポートに送信します。本機能はGSRP unawareとの接続でポートリセット機能を使用したくない場合に設定します。ただし,このような構成ではマスタ,バックアップの切り替え時にGSRP unawareのMACアドレステーブルがエージングによってクリアされるまで通信が復旧しないことに注意してください。通常は,GSRP unawareとの接続にはポートリセット機能を使用することをお勧めします。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# interface gigabitethernet 0/1
    ポート0/1のイーサネットインタフェースコンフィグレーションモードに移行します。
     
  2. (config-if)# gsrp 1 no-flush-port
    ポート0/1からGSRP Flush requestフレームを送信しないように設定します。
     

(4) GSRP Flush requestフレームの送信回数の設定

[設定のポイント]
周囲のスイッチに対してMACアドレステーブルのクリアを行うGSRP Flush requestフレームの送信回数を指定します。
デフォルトは3回GSRP Flush requestを送信します。回数を増やすと,フレームのロスに対して耐性を高めることができます。

[コマンドによる設定]
  1. (config)# gsrp 1
    GSRPコンフィグレーションモードに移行します。
     
  2. (config-gsrp)# flush-request-count 5
    GSRP Flush requestフレームの送信回数を5回に設定します。
     

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