コンフィグレーションガイド Vol.2

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14.3.3 リンク障害時の動作

<この項の構成>
(1) リンク障害時の動作例
(2) リンク不安定時の連続切り替え防止機能

(1) リンク障害時の動作例

リンク障害時の動作例を次の図に示します。

図14-7 リンク障害時の動作例

[図データ]

この図では,本装置Aがマスタ状態,本装置Bがバックアップ状態として稼働している状況で,本装置Aと本装置C,および本装置Dの間のリンクと,本装置Bと本装置Eの間のリンクで障害が発生した場合を示しています。本装置A,および本装置Bで,マスタ,バックアップの選択優先順としてアクティブポート数を最優先とした設定をしている場合,本装置Bは,アクティブポート数が本装置Aよりも多くなるため,マスタになることを選択します。本装置Bは,マスタ状態へ遷移する前に,いったんバックアップ(マスタ待ち)状態へ遷移します。バックアップ(マスタ待ち)状態に遷移した本装置Bは,本装置AからのGSRP Advertiseフレームを待ちます。GSRP Advertiseフレームを受信したら,本装置Aがバックアップ状態であることを確認したうえで,マスタ状態へ遷移します。なお,この図に示す例では,本装置Eはマスタ状態である本装置Bとの間のリンクが障害となっているため,通信ができなくなります。

(2) リンク不安定時の連続切り替え防止機能

GSRPでは,マスタ状態とバックアップ状態の選択基準としてアクティブポート数を用います。そのため,リンクのアップ,ダウンが頻発するなどリンクが不安定な状態となった場合にアクティブポート数の増減が多発し,その結果,マスタ状態とバックアップ状態の切り替えが連続して発生するおそれがあります。

そのため,GSRPではリンクが安定化したことを運用者が確認できるまでの間,アップしたリンクのポートをアクティブポート数としてカウントしないようにするための遅延時間をコンフィグレーションコマンドport-up-delayで設定できます。これによって,リンク不安定時の不用意な切り替えを抑止できます。

port-up-delayコマンドでは1から43200秒(12時間)内で1秒単位に指定できます。また,infinityと設定することで,遅延時間を無限とすることもできます。リンクが安定したことを確認できた場合,port-up-delayコマンドで指定した遅延時間を待たないですぐにアクティブポート数としてカウントするための運用コマンドclear gsrp port-up-delayもサポートしています。

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