運用コマンドレファレンス Vol.1

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show tech-support

[機能]

テクニカルサポートが必要とするハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す情報を採取します。

[入力形式]

show tech-support [page][<password>][no-config][detail][ftp]

[パラメータ]

page
採取した情報をコンソール端末画面1ページ分だけコンソール端末画面に表示します。またスペースキーを押下すると次の1ページ分の情報を表示し,[Enter]キーを押下すると次の1行分の情報を表示します。なお,ftpパラメータの指定時にはこのパラメータの機能は無効になります。

<password>
ルータ管理者モードのパスワードが設定されている場合にそのパスワードを入力します。
ルータ管理者モードのパスワードが設定されていない場合には省略可能です。なお,ルータ管理者モードのパスワードが設定され,パスワードの誤入力または省略した場合はshow running-configコマンドなどルータ管理者モード専用のコマンドの実行結果は採取しません。

no-config
構成定義情報を採取しません。また本パラメータの省略時には構成定義情報が採取されます。

detail
詳細なハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す情報を採取します。

ftp
採取した情報のテキストファイルとMC内に存在するダンプファイルおよびコアファイルをリモートのFTPサーバに保存します。ダンプファイルおよびコアファイルは一つのバイナリファイルに結合されます。また,このパラメータを指定した場合は採取した情報は画面出力しません。なお,このパラメータを指定した場合は応答メッセージに従ってFTPサーバとの接続設定情報を入力してください。

省略
ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す基本情報を採取し,コンソール端末画面に表示します。

[使用者レベル]

一般ユーザ

[実行例]

  1. show tech-support の実行例
    ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す基本情報を採取し,コンソール端末画面に表示します。

    図10-3 採取した情報の画面表示例

    > show tech-support
     
    ########## Tech-Support Log ##########
    Wed May 25 12:33:57  2005
    S/W: AX-P6531-8B Ver. 8.3.S [ROUTE-OS8B, Routing software]
     
    ########## version -a ##########
    Model: AX2002RX  Serial No.: 0L HBY41C00026E801
     
    S/W: AX-P6531-8B Ver. 8.3.S [ROUTE-OS8B, Routing software]
    H/W: RM0  INTERNAL [Basic Control module, 0000]
         RP0  INTERNAL [Routing processor, 0000]
         NIF00 AX-F6531-311 [NWBMX2-4, 2-port serial 1-port PRI 1-port BRI, 0002]
               Serial No.: 0C HBY42A000235103
         NIF01 AX-F6531-361 [NEB100-4TB, 4-port 10BASE-T/100BASE-TX, 0000]
               Serial No.: 0C HBY42A000235104
         NIF02 INTERNAL [4-port 10BASE-T/100BASE-TX, 0000]
    RM0/MC0: AX-F6531-MC64 [BMC64, 64MB compact flash memory card] 001c0001
             AX-P6531-8B Ver. 8.3.S [ROUTE-OS8B, Routing software]
    RM0/MC1: ----------
             ----------
    ########## End of version -a ##########
     
     
    ########## information router ##########
    2005/05/25 12:33:57
    router: AX2002RX, AX-P6531-8B Ver. 8.3.S [ROUTE-OS8B]
    node  : name=
            contact=
            locate=
         node info: simplex mode
         tunnel optimize: off
         ipv4 routing entry: current number=6 , max number=250000
         ipv6 routing entry: current number=7 , max number=25000
         main fan : active no=MFAN0, MFAN1, MFAN2
         power fan : active no=PFAN0
         power0 : active
         STATUS(RMP) LED : green
       rm0 : active
         rm   : INTERNAL 0000
         boot : 05/25 11:39:44 , command reboot , 0 times restart
         lamp : READY LED=green ,
                ALARM LED=light off , ERROR LED=light off , STATUS CODE=light off
         board: CPU=Intel Celeron 566MHz , memory=524,288kB(512MB)
         temperature : RM-CPU board=normal(34degree)
         MC0  : primary slot , mc-enabled
                AX-F6531-MC64 [BMC64] , AX2000R format , 001c0001 
                27,731kB used (user Area: 23,413kB , dump Area: 4,318kB)
                29,229kB free (user Area: 27,445kB , dump Area: 1,784kB)
                56,960kB total(user Area: 50,858kB , dump Area: 6,102kB)
         MC1  : secondary slot , mc-disconnect
       rp0   :active INTERNAL
         memory : size = 131,072kB(128MB),18,944KB(18.5MB) used
                  Fixed area used = 14,848KB(14.5MB)
                  WAN used = 0KB(0.0MB)
                  Ether used = 1,024KB(1.0MB)
                  ATM used = 0KB(0.0MB)
                  IP(unicast) used = 1,024KB(1.0MB)
                  IP(multicast) used = 1,024KB(1.0MB)
                  IPv6(unicast) used = 512KB(0.5MB)
                  IPv6(multicast) used = 512KB(0.5MB)
    ########## End of information router ##########
     
     
    ########## process memory ##########
      PID  From             Text Static Alloc Stack  Real  Process
     
     :
     :
    中略
     :
     :
     
    Huntfree-buffer   :       25564          25600           58            0
    Header-buffer     :        6023           6023            0            0
    Common-buffer     :        3011           3011            1            0
    Huntfree-memory   :         219            227            8            0
    ########## End of buffer rp all show ##########
     
    Wed May 25 12:35:04  2005
    ########## End of Tech-Support Log ##########
     
  2. show tech-support ftp の実行例
    ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す基本情報を採取し,MC内のダンプファイル,コアファイルとともにFTPサーバに保存します。なお,ファイル名を“support”に指定します。

    図10-4 採取した情報をFTPサーバに保存する場合の実行例

    > show tech-support ftp
    Specify Host Name of FTP Server.       : ftpserver
    Specify User ID for FTP connections.   : user1
    Specify Password for FTP connections.  :
    Specify Path Name on FTP Server.       : /usr/home/user1
    Specify File Name of log and Dump files: support
    Wed May 25 12:33:54  2005
    Transferred support.txt .
    Executing.......................................................................
    ................................................................................
    .........................
    Operation normal end.
    ########## Dump files' Information ##########
    ***** ls -l /dump0 *****
    total 4318
    -rwxrwxrwx  1 root  wheel  4420106 May 25 11:37 rmdump
    ########## End of Dump files' Information ##########
    ########## Core files' Information ##########
    ***** ls -l /primaryMC/usr/var/core *****
    No Core files
    ########## End of Core files' Information ##########
    Transferred support.tgz .
    Executing.......................................................................
    ................................................................................
    ...........................................
    Operation normal end.
    > 
     

[表示説明]

表10-8 show tech-supportコマンドの表示内容

表示項目 表示内容
########## <Information Type> ########## 採取した情報の種別ごとの先頭部分を示すメッセージで<Information Type>の部分に情報の種別が表示されます。<Information Type>の内容は以下のとおり
Dump files’ Information:存在するダンプファイルの一覧
Core files’ Information:存在するコアファイルの一覧
Tech-Support Log:ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す基本情報。
Tech-Support Detail Log:ハードウェアおよびソフトウェアの状態を示す詳細情報。
########## End of <Information Type> ########## 採取した情報の種別ごとの終了部分を示すメッセージで<Information Type>の部分に情報の種別が表示されます。
########## <Command Name> ########## 情報採取のために実行したコマンドの名称を<Command Name>に表示します。またこの表示のあとに<Command Name>に表示されるコマンドの実行結果が表示されますが,その表示内容の詳細は<Command Name>に表示される各コマンドの[表示説明]を参照してください。
########## End of<Command Name> ########## <Command Name>に表示されるコマンドの実行結果の終了部分を示すメッセージで<Command Name>の部分に情報採取のために実行したコマンドの名称が表示されます。

[ユーザ通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表10-9 show tech-supportコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ 内容
Sorry, already execute show tech-support 他のユーザがshow tech-supportを実行中です。
Password for Administrator Mode Invalid. <password>パラメータで入力したルータ管理者モードのパスワードが間違えています。
Is the Password retyped?(y/n) ルータ管理者モードのパスワードを再入力しますか?。yを選択すると再入力できます。nを選択するとパスワード誤入力の状態でコマンドを続行します。
Specify Password for Administrator Mode.: ルータ管理者モードのパスワードを入力してください。
Specify Host Name of FTP Server. : ホスト名を指定してください。なお,このメッセージに対して入力したホスト名は以後の応答メッセージの<Host Name>に反映されます。
Specify User ID for FTP connections. : ログインユーザ名を指定してください。なお,このメッセージに対して入力したログインユーザ名は以後の応答メッセージの<User ID>に反映されます。
Specify Password for FTP connections. : 応答メッセージ“Specify User ID for FTP connections. :”で入力したUser IDのパスワードを入力してください。
Specify Path Name on FTP Server. : 転送先ディレクトリ名を指定してください。なお,このメッセージに対して入力した転送先ディレクトリ名は以後の応答メッセージの<Path>に反映されます。
Specify File Name of log and Dump files: ログファイルおよびダンプファイルのファイル名を指定してください。入力しない場合はファイル名としてコマンド実行日時を用いた14桁の数字が指定されます。なお,このメッセージに対して入力したファイル名は以後の応答メッセージの<File Name>に反映されます。
Check and Extract Dump Files in a Standby RM?(y/n) 待機系のMC内のダンプファイルの確認と採取をしますか?。yを選択すると待機系のMC内のダンプファイル,コアファイルの存在を確認しFTPサーバに保存します。nを選択すると運用系のダンプファイル,コアファイルだけをFTPサーバに保存します。
Exec failed. コマンドの実行に失敗しました。
Write failed. ファイルの転送に失敗しました。転送先の空き容量および通信回線の状態を確認してください。
Operation normal end. ファイルの転送が正常に終了しました。
<Host Name>: Unknown host ホスト名(<Host-name>)は無効です。
Login incorrect.Login failed. 指定したホストへのログインが認められません。ログインは失敗しました。
<Path>: No such file or directory. <Path>のディレクトリは存在しません。
<Path>: Permission denied. <Path>のディレクトリへのアクセス許可がありません。
<File Name>:Permission denied. 転送先ディレクトリにはすでに応答メッセージ<File Name>のファイルが存在し,更新権限がありません。転送先ディレクトリ内のファイルの権限を変更するか入力するファイル名を変更してください
<Path>: Not a directory. <Path>はディレクトリではありません。
connection Time out. ftpサーバとの通信に失敗しました。
ftpサーバとの通信を確認してください。

[注意事項]

  1. 採取した情報を画面に表示する場合(ftpパラメータ無しの場合),画面への表示時間は以下のようになります。
    • RS232Cに接続されたコンソール端末の画面へ表示する場合,画面表示時間はパラメータ指定無しで5分,detailパラメータ指定時で15分程度。
    • リモート運用端末の画面へ表示する場合,画面表示時間はパラメータ指定無しで30秒,detailパラメータ指定時で2分程度。
  2. ダンプファイル,コアファイルおよび採取した情報をFTPサーバに保存する場合(ftpオプション指定時),FTPサーバへのファイルの転送時間は以下のようになります。
    • 運用系のダンプファイル,コアファイルだけを転送する場合,転送時間は1〜3分。
    • 運用系および待機系のダンプファイル,コアファイルを転送する場合,転送時間は20〜45分。
  3. config router local-addressで装置自体にIPアドレスが設定されている場合,FTPサーバとの通信時の送信元IPアドレスとしてそのIPアドレスを使用します。
  4. ftpパラメータ指定時にFTPサーバに保存されるダンプファイル,コアファイルは以下のディレクトリに存在するものに限られます。
    • ダンプファイル格納ディレクトリ
      /dump0,/standby/dump0
    • コアファイル格納ディレクトリ
      /primaryMC/var/core,/standby/primaryMC/var/core

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