構成定義コマンドレファレンス Vol.2
MACヘッダまたはデータリンクヘッダに含まれる特定フィールドのビットパタンに基づいてフレームの廃棄・中継を拡張フィルタリング情報として設定できます。また,フレームの任意のフィールドのビットパタンに基づいてもフレーム廃棄・中継が設定可能です。
フィルタリングの項目は三つまで設定可能です。パラメータ欄は1〜3の項目とも同様のため総括して説明しています。
[入力モード]
グローバルコンフィグモード
[入力形式]
- 情報の設定
- extended-filtering [{ yes | no }] <No.> { <Line Name> | <DLCI Name> | <VC Name> | <Peer Name> | <Group Name> | <Timeslot Name> | all }
- >>移行モード:extended-filtering
- 情報の変更
- extended-filtering <No.>
- >>移行モード:extended-filtering
- 情報の挿入
- insert extended-filtering <No.> { <Line Name> | <DLCI Name> | <VC Name> | <Peer Name> | <Group Name> | <Timeslot Name> | all }
- 情報の削除
- delete extended-filtering <No.>
- 情報の表示
- show extended-filtering [<No.>]
[サブコマンド入力形式]
- 情報の設定
- { drop | forward }
- filter1 { off | da | sa | dsap | ssap | ctl | oui | pid | type | user } [value <Value>] [mask <Mask>] [length <Length>] [offset <Offset>]
- filter2 { off | da | sa | dsap | ssap | ctl | oui | pid | type | user } [value <Value>] [mask <Mask>] [length <Length>] [offset <Offset>]
- filter3 { off | da | sa | dsap | ssap | ctl | oui | pid | type | user } [value <Value>] [mask <Mask>] [length <Length>] [offset <Offset>]
- 情報の削除
- delete { drop | forward }
- delete {filter1 | filter2 | filter3 } [value <Value>] [mask <Mask>] [length <Length>] [offset <Offset>]
[モード階層]
extended-filtering
[パラメータ]
- {yes | no }
- 拡張フィルタリングを実行するかしないかを選択します。
- yes(実行する)またはno(実行しない)です。
- 本パラメータ省略時の初期値
初期値はno(実行しない)です。
- <No.>
- 情報の編集を行う際に,編集対象となるエントリ番号を指定します。
- 本パラメータ省略時の初期値
省略できません。
- 値の設定範囲
情報の設定の場合,定義済みのエントリ数+1を指定してください。
情報の変更の場合,変更したいエントリ番号(1〜定義済みのエントリ数)を指定してください。
情報の挿入の場合,挿入したいエントリ番号(1〜定義済みのエントリ数)を指定してください(指定したエントリ番号の上に挿入されます)。
情報の削除の場合,削除したいエントリ番号(1〜定義済みのエントリ数)を指定してください。
- {<Line Name> | <DLCI Name> | <VC Name> | <Peer Name> | <Group Name> | <Timeslot Name> | all }
- 拡張フィルタリング動作を行うインタフェース名を指定してください。allを指定した場合は全インタフェースとなります。
- フレームリレーの場合は,指定できるのは〈DLCI Name〉だけです。<Line Name>,<Timeslot Name>,<Group Name>は指定できません。またISDNの場合は,指定できるのは <Peer Name>だけです。<Group Name>は指定できません。
- ATMの場合は,IPインタフェースに指定された<VC Name>および<Group Name>が指定できます。
- 本パラメータ省略時の初期値
省略できません。
[サブコマンド]
- { drop | forward }
- フィルタリング動作を設定します。dropと設定するとフィルタリング項目に一致したフレームを廃棄します。forwardと設定するとフィルタリング項目に一致したフレームをインタフェース名で指定された先にだけ中継します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
drop
- filter1〜3 { off | da | sa | dsap | ssap | ctl | oui | pid | type | user }
- フィルタリング項目を指定します。以下から選択してください。なお,項目は1から3まで指定可能ですが,1度の設定では1項目のフィルタリングが設定可能です。三つ項目を設定したい場合は,例えばfilter1で設定し,filter2とfilter3を追加で設定してください。
- off:情報なし
- da:宛先MACアドレス(6オクテット)
- sa:送信元MACアドレス(6オクテット)
- dsap:宛先SAP(1オクテット)
- ssap:送信元SAP(1オクテット)
- ctl:コントロールフィールド(1オクテット)
- oui:組織コード(3オクテット)
- pid:プロトコルID(2オクテット)
- type:イーサネット型フォーマットの場合のタイプフィールド
- user:ユーザ定義の任意フィールドの指定
- 本サブコマンド省略時の初期値
off
- value <Value>
- フィルタリングのチェックを行うフィールドのビットパタン(16進数)を設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0x000000000000
- 値の設定範囲
0x000000000000〜0xffffffffffff
- mask <Mask>
- フィルタリングのチェックを行うフィールドのマスクパタンを設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0x000000000000
- 値の設定範囲
0x000000000000〜0xffffffffffff
- length <Length>
- フィルタリングのチェックを行うフィールドのデータ長(オクテット数)を設定します。なおタイプでuserを指定した場合だけ有効となります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
filter1〜3でuserを指定した場合は省略できません
- 値の設定範囲
1〜6
- offset <Offset>
- フィルタリングのチェックを行うフィールドのオフセット値を設定します。オフセット値は宛先MACアドレスの先頭を0にしたオフセット数で示します。イーサネットまたはIEEE802.3のフレームの場合,宛先MACアドレスの先頭はMACヘッダの先頭に一致します。FDDIフレームの場合,MACヘッダの先頭はFCフィールドですので,ここで設定するオフセット値はFCフィールドに続く宛先MACアドレスの先頭を0とすることに注意してください。なおタイプで userを指定した場合だけ有効となります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0
- 値の設定範囲
0〜56
[入力例]
- 情報の設定
拡張フィルタリングを可能に設定し,インタフェース名:Department2のインタフェースに対しフィルタ1(filter1)のフィルタリングとしてユーザ定義の任意フィールドの指定(user)を設定します。
(config)# extended-filtering yes 2 Department2 [extended-filtering 2] (config)# drop [extended-filtering 2] (config)# filter1 user value 000000000030 mask ffffffffffff length 1 offset 0 [extended-filtering 2] (config)# exit (config)#- 情報の変更
拡張フィルタリングNo.2エントリ情報をforwardに,かつvalueを10に変更します。
(config)# extended-filtering 2 [extended-filtering 2] (config)# forward [extended-filtering 2] (config)# filter1 user value 000000000010 length 2 [extended-filtering 2] (config)# exit (config)#- 設定情報の表示
- すべて表示
(config)# show extended-filtering extended-filtering yes 1 Department1 drop filter1 ctl value 000000000001 length 1 offset 0 extended-filtering yes 2 Department2 forward filter1 user value 000000000010 mask ffffff000000 length 1 (config)#
- 任意の表示
(config)# show extended-filtering 1 extended-filtering yes 1 Department1 drop filter1 ctl value 100000000000 mask ffffff000000 length 1 offset 0 (config)#- 設定情報の削除
No.1のエントリ情報を削除します。
(config)# delete extended-filtering 1 (config)#- パラメータの削除
No.1のエントリ情報のoffsetを削除します。
(config)# show extended-filtering 1 extended-filtering yes 1 Department1 drop filter1 user value 000000000001 mask ffffffffffff length 1 offset 0 (config)# extended-filtering 1 [extended-filtering 1] (config)# delete filter1 user offset [extended-filtering 1] (config)# exit (config)# show extended-filtering 1 extended-filtering yes 1 Department1 drop filter1 user value 000000000001 mask ffffffffffff length 1 (config)#
[関連コマンド]
bridge,bridge-interface,line
[注意事項]
IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
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