構成定義コマンドレファレンス Vol.1

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natpt(NAT-PT情報)

NAT-PT機能の全般に関する設定をします。装置内で一つ設定可能です。

[入力モード]

グローバルコンフィグモード

[入力形式]

情報の設定
natpt {no | yes}
natpt natptprefix <IPv6 Prefix>
natpt timeout_tcp <Second>
natpt timeout_udp <Second>
natpt timeout_icmp <Second>
natpt timeout_other <Second>
natpt mtu <MTU>

情報の変更
natpt {no | yes}
natpt natptprefix <IPv6 Prefix>
natpt timeout_tcp <Second>
natpt timeout_udp <Second>
natpt timeout_icmp <Second>
natpt timeout_other <Second>
natpt mtu <MTU>

情報の削除
  • エージング設定削除
    delete natpt timeout_tcp
    delete natpt timeout_udp
    delete natpt timeout_icmp
    delete natpt timeout_other
  • MTU情報削除
    delete natpt mtu
  • NAT-PT設定全削除
    delete natpt

情報の表示
show natpt

[サブコマンド入力形式]

なし

[モード階層]

なし

[パラメータ]

{no | yes}
NAT-PT機能の使用/未使用を指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    yes
  2. 値の設定範囲
    no:未使用
    yes:使用

natptprefix <IPv6 Prefix>
NAT-PTプレフィックスを設定します。このプレフィックスを持つパケットが変換の対象となります。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    <IPv6 Prefix>:省略できません。
  2. 値の設定範囲
    <IPv6 Prefix>: ネットワークプレフィックス長が96ビットのIPv6ネットワークプレフィックス形式で指定します。ただし,リンクローカルプレフィックス(fe80::)は指定できません。
  3. 注意事項
    ・ NAT-PTプレフィックスは,装置に一つだけ設定します。
    ・ NAT-PTプレフィックスには,IPv6ネットワーク全体でユニークなネットワークプレフィックスを設定してください。
    ・ delete natptで全体を削除すると,バインディングエントリをすべて削除しますのでご注意ください。

timeout_tcp <Second>

timeout_udp <Second>

timeout_icmp <Second>

timeout_other <Second>
TCP/UDP/ICMP/その他の各プロトコル通信時で,通信が止まった,または通信が終了してから,バインディングエントリが削除されるまでの時間(エージングタイムアウト値)を設定します。ここで設定した時間の間,通信が行われないと,バインディングテーブル内の該当する動的エントリを削除します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    timeout_tcp:1800(秒)
    timeout_udp:10(秒)
    timeout_icmp:10(秒)
    timeout_other:1800(秒)
  2. 値の設定範囲
    0〜86400(秒)
  3. 注意事項
    ・ 次回パケット受信時に更新されます。
    ・ 0を指定すると,エージングによるエントリ削除を行いません。
    ・ 変換対象パケットのプロトコルがICMPでEcho Reply(Type=0,Code=0),またはICMPv6でEcho Replys(Type=129,Code=0)の場合,本設定にかかわらず,該当するバインディングエントリを削除します。
    ・ 変換対象パケットのプロトコルがTCPの場合,本設定にかかわらず,それぞれの状態に応じたエージングタイムアウト値を使用します。詳しくは「表23-1 エージングタイムアウト値一覧」を参照してください。

    表23-1 エージングタイムアウト値一覧

    No. レイヤ4プロトコル(*1) TCPステータス(*1) 意味 エージングタイムアウト値
    1 下記以外 ICMP/ ICMPv6/UDP/TCP以外のパケットで作成したバインディングエントリのエージング時間 timeout_otherで指定した値
    2 ICMP
    ICMPv6
    ICMP/ ICMPv6のパケットで作成したバインディングエントリのエージング時間 timeout_icmpで指定した値
    3 UDP UDPのパケットで作成したバインディングエントリのエージング時間 timeout_udpで指定した値
    4 TCP 下記以外 TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがCLOSED/SYN_SENT/SYN_RCVD/ ESTABLISHED/ FIN_WAIT/ TIME_WAIT以外のときのエージング時間 timeout_tcpで指定した値
    5 CLOSED
    (コネクション未確立)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがCLOSEDのときのエージング時間 120秒
    6 SYN_SENT
    (SYN送信)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがSYN_SENTのときのエージング時間 600秒
    7 SYN_RCVD
    (SYN受信)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがSYN_RCVDのときのエージング時間 600秒
    8 ESTABLISHED
    (コネクション確立)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがESTABLISHEDのときのエージング時間 timeout_tcpで指定した値
    9 FIN_WAIT
    (コネクション終了後FIN待ち)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがFIN_WAITのときのエージング時間 600秒
    10 FIN_WAIT_2
    (コネクション終了後FIN待ち2)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがFIN_WAIT_2のときのエージング時間 600秒
    11 CLOSING
    (コネクション終了後クローズ中)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがCLOSINGのときのエージング時間 600秒
    12 TIME_WAIT
    (コネクション終了後タイムアウト待ち)
    TCPのパケットで作成したバインディングエントリのTCPステータスがTIME_WAITのときのエージング時間 120秒

    (*1)
    各バインディングエントリのレイヤ4プロトコル/TCPステータスは運用コマンドで確認できます。「運用コマンドレファレンス Vol.2 show ipv6 natpt translation」を参照してください。

mtu <MTU>
IPv4→IPv6変換でIPv6パケット送信時のMTUサイズをオクテット単位で指定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    1280
  2. 値の設定範囲
    1280〜65515

[サブコマンド]

なし

[入力例]

  1. 設定情報の設定
    NAT-PT機能を有効にし,NAT-PTプレフィックスを3ffe::/96, TCPのエージングタイムアウトを300秒に設定します。
     
    (config)# natpt yes
    (config)# natpt natptprefix 3ffe::
    (config)# natpt timeout_tcp 300
    (config)# show natpt
    natpt yes
    natpt natptprefix 3ffe::
    natpt timeout_tcp 300
    (config)#
     
  2. 設定情報の変更
    • NAT-PT機能の使用/未使用の変更
      NAT-PT機能を使用/未使用に変更します。
     
    (config)# natpt no
    (config)# show natpt
    natpt no
    natpt natptprefix 3ffe::
    natpt timeout_tcp 300
    (config)# natpt yes
    (config)# show natpt
    natpt yes
    natpt natptprefix 3ffe::
    natpt timeout_tcp 300
    (config)#
     
    • NAT-PTプレフィックスの変更
      NAT-PTプレフィックスを4ffe::/96に変更します。
     
    (config)# natpt natptprefix 4ffe::
    (config)# show natpt
    natpt yes
    natpt natptprefix 4ffe::
    natpt timeout_tcp 300
    (config)#
     
    • NAT-PTエージングタイムアウト値の変更
      TCPのエージングタイムアウト値を1200秒に変更します。
     
    (config)# natpt timeout_tcp 1200
    (config)# show natpt
    natpt yes
    natpt natptprefix 4ffe::
    natpt timeout_tcp 1200
    (config)#
     
  3. 設定情報の表示
    NAT-PT機能に関するすべての設定内容を表示します。
     
    (config)# show natpt
    natpt yes
    natpt natptprefix 4ffe::
    natpt timeout_tcp 1200
    natpt rule static_nat 2000::1 10.20.30.40 protocol tcp
    natpt rule napt any 10.20.30.50 port_range 60001 61000
    natpt rule static_napt 2000::2 10.20.30.60 port 70 80
    natpt interface Depertment1
    natpt interface Depertment2
    (config)#
     
  4. 設定情報の削除
    • NAT-PTエージングタイムアウト値の削除
      TCPのエージングタイマ設定を削除し,初期値に戻します。
     
    (config)# delete natpt timeout_tcp
    (config)# show natpt
    natpt yes
    natpt natptprefix 4ffe::
    (config)#
     
    • NAT-PT全体の削除
      NAT-PT機能の設定内容をすべて削除します。
     
    (config)# delete natpt
    Are you sure? (y/n): y
    (config)# show natpt
    (config)#
     

[関連コマンド]

natpt rule,natpt interface

[注意事項]

  1. delete natptでnatpt構成定義をすべて削除すると,動的に作成したバインディングエントリをすべて削除しますのでご注意ください。

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