構成定義コマンドレファレンス Vol.1

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backup(BACK UP情報)

回線バックアップの情報を設定します。

[入力モード]

グローバルコンフィグモード

[入力形式]

情報の設定
backup <Interface Name> <Backup Interface Name> [{auto_return | auto_return_off}] [switch_back_timer<Seconds>]

情報の変更
backup <Interface Name> [<Backup Interface Name>] [{auto_return | auto_return_off}] [switch_back_timer<Seconds>]

情報の削除
delete backup <Interface Name>

情報の表示
show backup [<Interface Name>]

[サブコマンド入力形式]

なし

[モード階層]

なし

[パラメータ]

<Interface Name>
バックアップ元となるインタフェース名称(ip情報で設定したインタフェース情報)を指定します。

<Backup Interface Name>
バックアップ先となるインタフェース名称(ip情報で設定したインタフェース情報)を指定します。

{auto_return | auto_return_off}
バックアップ切戻し時の動作を指定します。

auto_return:自動的に切戻します。

auto_return_off:
自動的に切戻しません。切戻すにはmaintenance free <Interface Name>コマンドにより切戻します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    自動切戻しとなります。

switch_back_timer<Seconds>
手動切り戻しコマンド投入による切り戻しの際に,本パラメータで指定した時間をコマンド投入時から監視し,本パラメータで指定した時間内にバックアップ元回線がUPすれば切り戻し成功となります。

切り戻し成功時:
バックアップ先回線での通信を中止し,バックアップ元回線で通信を行います。

切り戻し失敗時:
バックアップ先回線での通信を継続し,バックアップ元回線のUPを抑止します。再度切り戻す際は,切り戻しコマンドを投入してください。
本パラメータはコマンドにより切り戻しを行う場合(auto_return_offが定義されている場合),かつバックアップ先回線がWAN専用線(PPP)の場合だけ有効です。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    80秒
  2. 値の設定範囲
    <Seconds>に40〜65535(10進数:秒)を指定します。

[サブコマンド]

なし

[入力例]

  1. 情報の設定
    インタフェース名:Tokyoをバックアップ元とし,バックアップ先としてインタフェース名:Osakaを自動切戻しで定義します。
     
    (config)# backup Tokyo Osaka auto_return
    (config)# 
     
  2. 情報の変更
    切戻し時の動作をコマンドによる切戻しに変更します。
     
    (config)# backup Tokyo Osaka auto_return_off
    (config)# 
     
  3. 情報の表示
    • インタフェース名を省略した場合
      定義されたすべての回線バックアップの情報を表示します。
     
    (config)# show backup
    backup Tokyo Osaka auto_return_off
    backup Yokohama Yokosuka
    (config)# 
     
    • インタフェース名を指定した場合
      インタフェース名:Tokyoの情報を表示します。
     
    (config)# show backup Tokyo
    backup Tokyo Osaka auto_return_off
    (config)# 
     
  4. パラメータの削除
    インタフェース名:Tokyoの情報を削除します。
     
    (config)# delete backup Tokyo
    backup Yokohama Yokosuka
    (config)# 
     

[関連コマンド]

ip(IP情報),ipx(IPX情報),bridge(ブリッジ情報)

[注意事項]

  1. バックアップ元として専用線,フレームリレーのDLCI,ATM-WANのPVC,BODを使用するインタフェースが指定可能です。(バックアップ元としてATMインタフェース,バックアップ先としてIPインタフェースタイプがポイント−ポイント型のISDNまたはBODを使用するインタフェースの場合の注意事項を「表11-1 バックアップ元がATMインタフェース,バックアップ先がISDNまたはBODを使用するインタフェースの場合における注意事項」に示します。)
  2. バックアップ先としてIPの型がポイント−ポイント型のISDN,専用線,BODを使用するインタフェースが指定可能です。ただし,バックアップ先が専用線(serial,BRI,PRI,J2)の場合,バックアップ元は専用線(serial,BRI,PRI,J2)だけ指定可能です。
  3. IPv6を使用した回線バックアップは未サポートです。
  4. IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
  5. バックアップ先がISDNでインタフェースバックアップの切り替え,切り戻しの際,ISDNの発呼・呼切断動作を指定する場合は,構成定義のユーザデフォルト情報でisdn_call_and_disconnectを設定してください。
    本オプションは装置内の全インタフェースバックアップISDN回線に適用されるので注意が必要です。
    なお,バックアップ先がISDN以外を使用する場合は,本オプションは無効となります。
    また,本装置での対向接続で両方にバックアップ設定を行う場合は,初期値のon-demandで使用してください。
     
    default-backup_isdn_call_and_disconnect { quick | on-demand }
     

    quick:
    ・切り替え動作
    バックアップ元回線からバックアップ先回線に切り替えを行った後,トラフィックの発生有無にかかわらず直ちに発呼接続を行います。
    ・切り戻し動作
    バックアップ先回線からバックアップ元回線に切り戻しを行った後,トラフィックの発生有無にかかわらず直ちに呼切断を行います。

    on-demand:
    ・切り替え動作
    バックアップ元回線からバックアップ先回線に切り替えを行った後,トラフィックの発生契機に発呼接続を行います。
    ・切り戻し動作
    バックアップ先回線からバックアップ元回線に切り戻しを行った後,トラフィック監視で無通信状態を検出した契機に呼切断を行います。

    表11-1 バックアップ元がATMインタフェース,バックアップ先がISDNまたはBODを使用するインタフェースの場合における注意事項

    No 項目 注意事項
    1 網/接続装置の仕様
    • 本装置はF4-AIS/RDI受信契機にインタフェース切替えいたします。ATM網が,網内の回線障害等の際に該当VPへF4-AIS/RDIを送信する仕様であることをご確認ください。
    2 構成定義情報
    • 構成定義情報(VP情報)でVPの警報送受信用VC(制御用VC: VCI=4)を”有効”指定してください。デフォルトは”有効”指定です。
    • VPの警報受信用VCでF4-AIS/RDIを受信します。
    3 パラレルPVC関連
    • バックアップ元にパラレルPVCを指定することも可能です。ただし, パラレルPVC内のVCは同一VPIで構成するようお勧めいたします。
    • パラレルPVCを複数VPIで構成する場合,一つのVPでVP障害を検出してもバックアップ切替えしません。
    • パラレルPVCは,「解説書 Vol.1 6.3.1 接続制御」を参照ください。
    4 切替え/切戻し条件
    • VP障害検出によるバックアップ切替え契機は, インタフェース内の全VPでVP障害を検出した時です。
    • VP障害回復によるバックアップ切戻し契機は, インタフェース内のVP一つ以上でVP障害が回復した時です。
    • 例えばVPI/VCIが0/32と1/32のパラレルPVCの場合, 切替え契機はVPI=0とVPI=1の両方でVP障害を検出した時です。切戻し契機はVPどちらか一方でも回復した時です。

    表11-2 バックアップ先/元共にATMインタフェースの場合における注意事項

    No 項目 注意事項
    1 網接続装置の仕様
    • 本装置は,F5-Loopback要求セルを送信しその応答受信を監視することでVC状態確認致します。ATM網と相手ルータが,F5-Loopbackセルを送受信する仕様であることをご確認ください。
    2 構成定義情報
    • 構成定義情報(VC情報)でバックアップ元インタフェース内VCすべてについてVC状態確認機能を”有効”指定してください。デフォルトは”無効”指定です。
    • インタフェース内のVCで,VC状態監視機能の有効/無効指定が混在している場合, 回線バックアップ機能は有効に動作しません。
    3 パラレルPVC関連
    • バックアップ元にパラレルPVCを指定することも可能です。この場合,一つのVCでVC障害を検出してもバックアップ切替えしません。
    • パラレルPVCは,「解説書 Vol.1 6.3.1 接続制御」を参照ください。
    4 切替え/切戻し条件
    • VC障害検出によるバックアップ切替え契機は,インタフェース内の全VCでVC障害を検出した時です。
    • VC障害回復によるバックアップ切戻し契機は,インタフェース内のVC一つ以上でVC障害が回復した時です。
    • 例えばVPI/VCIが0/32と0/33のパラレルPVCの場合, 切替え契機は0/32と1/32の両方でVC障害を検出した時です。切戻し契機はVCどちらか一方でも回復した時です。
    • VC障害検出については, 「解説書 Vol.1 6.3.3 OAM制御」を参照ください。

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