構成定義コマンドレファレンス Vol.1

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atm(ATM情報)

ATMプロトコルに関する情報を定義します。

[入力モード]

lineモード

[入力形式]

情報の設定
atm vpi_vci_range <Range> vp_shaping_number {no | <Number>}
atm service_category_pattern <Pattern>

情報の削除
delete [-r] atm

情報の表示
show [-r] atm [<Line Name>]

[サブコマンド入力形式]

なし

[モード階層]

なし

[パラメータ]

<Line Name>
ATM情報を設定するLineを指定します。Line名を入力してください。

-r
指定されたLineに関するすべての構成定義情報を表示または削除します。

vpi_vci_range <Range>
VPI,VCIの範囲を設定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    3:VPI=0〜63,VCI=32〜511
  2. 値の設定範囲
    1〜4。
    1:VPI=0〜15,VCI=32〜2047
    vp_shaping_numberはno,1,2,4,8,16のいずれかを指定してください。
    2:VPI=0〜31,VCI=32〜1023
    vp_shaping_numberはno,1,2,4,8,16,32のいずれかを指定してください。
    3:VPI=0〜63,VCI=32〜511
    vp_shaping_numberはno,1,2,4,8,16,32,64のいずれかを指定してください。
    4:VPI=0〜127,VCI=32〜255

vp_shaping_number {no | <Number>}
最大VP数を設定します。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    64
  2. 値の設定範囲
    no,1,2,4,8,16,32,64,128。
vp_shaping_numberの値によって,設定できるVP数およびVC数の上限の本数が変わります。vp_shaping_numberには使用するVP数以上で,最も小さい値を設定することをお勧めします。例えば使用するVP数が50の場合,vp_shaping_numberは64または128を設定できますが,64を設定することをお勧めします。vp_shaping_numberの値と設定できるVPおよびVCの本数については「解説書 Vol.1 6. ATM」を参照してください。

service_category_pattern <Pattern>
サービスカテゴリのパターンを設定します。vp_shaping_number=noを設定した場合は,入力の必要が無く,また設定されても入力値は無効です。Lineのタイプによりサポートしていないパターンを指定した場合,該当lineはclose状態となります。
  1. 本パラメータ省略時の初期値
    cbr_cbr_ubr_ubr
  2. 値の設定範囲
    cbr_cbr_abr_ubr, cbr_cbr_ubr_ubr, cbr_abr_ubr_ubr, abr_abr_ubr_ubr, ubr_ubr_ubr_ubr,cbr_cbr_ubr_vbr_exclusive, cbr_abr_ubr_vbr_exclusive, cbr_ubr_ubr_vbr_exclusive, abr_ubr_ubr_vbr_exclusive,cbr_cbr_ubr_vbr,cbr_abr_ubr_vbr,cbr_ubr_ubr_vbr,abr_ubr_ubr_vbr,gfr_clp_priority,gfr2s,gfr2m
    cbr_cbr_ubr_vbr,cbr_abr_ubr_vbr,cbr_ubr_ubr_vbr,abr_ubr_ubr_vbr,gfr_clp_priority,gfr2s,gfr2mを指定する場合,vp_shaping_numberは32以下を指定してください。

[サブコマンド]

なし

[入力例]

  1. 情報の設定
    Line情報を設定後,Line名:Tokyo,Line名:OsakaのLineに,ATM情報を定義します。
     
    (config)# line Tokyo oc3atm 0/0
    [line Tokyo]
    (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 16
    [line Tokyo]
    (config)# exit
    (config)# line Osaka 25atm 1/0
    [line Osaka]
    (config)# atm
    [line Osaka]
    (config)# exit
    (config)# 
     
  2. 情報の変更
    Line名:TokyoのATM情報について,service_category_patternをcbr_cbr_abr_ubrに変更します。また,Line名:OsakaのATM情報について,vp_shaping_numberをnoに変更します。
     
    (config)# line Tokyo oc3atm 0/0
    [line Tokyo]
    (config)# atm service_category_pattern cbr_cbr_abr_ubr
    [line Tokyo]
    (config)# exit
    (config)# line Osaka 25atm 1/0
    [line Osaka]
    (config)# atm vp_shaping_number no
    [line Osaka]
    (config)# exit
    (config)# 
     
  3. 設定情報の表示
    • Line名を指定しない場合
      定義されたすべてのATM情報を表示します。
     
     
    (config)# show atm
    line Tokyo oc3atm 0/0
      atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 16
      atm service_category_pattern cbr_cbr_abr_ubr
    !
    line Osaka 25atm 1/0
      atm vp_shaping_number no
    (config)# 
     
    • Line名を指定した場合
      Line名:TokyoのLineに対するATM情報を表示します。
     
    (config)# show atm Tokyo
    atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 16
    atm service_category_pattern cbr_cbr_abr_ubr
    (config)# 
     
    • 一括表示
      Line名:TokyoのLineに対するATM情報およびそれ以下の階層の,すべての情報を表示します。
     
    (config)# show -r atm Tokyo
    atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 16
    atm service_category_pattern cbr_cbr_abr_ubr
    vp 0 pcr 5000
      vc TokyoOsaka1 32 traffic CBR3M
      vc TokyoOsaka2 33 traffic ABR2M
    vp 2 pcr 3000
      vc TokyoNagoyaV 32 traffic CBR3M
        ip destination_ip_address 170.10.20.10
        ip 170.10.20.1/24
        ip connect_type point
    !
    group WestCoastNet TokyoOsaka1 TokyoOsaka2
      ip 170.10.10.1/24
    (config)# 
     
  4. 設定情報の削除
    • Line名を指定した場合
      Line名:OsakaのLineに対するATM情報を削除します。
     
    (config)# delete atm Osaka
    (config)# show atm
    line Tokyo oc3atm 0/0
      atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 16
      atm service_category_pattern cbr_cbr_abr_ubr
    (config)# 
     
    • パラメータの削除
      Line名:TokyoのLineに対するATM情報のパラメータvpi_vci_rangeを削除します。
     
    [line Tokyo]
    (config)# delete atm vpi_vci_range
    [line Tokyo]
    (config)# show atm Tokyo
    atm vp_shaping_number 16
    atm service_category_pattern cbr_cbr_abr_ubr
    (config)# 
     
    • 一括削除
      Line名:TokyoのLineに対するATM情報およびそれ以下の階層のすべての情報を削除します。
     
    [line Tokyo]
    (config)# delete -r atm
    [line Tokyo]
    (config)# 
     

[関連コマンド]

line(Line情報),vp(VP情報),vc(VC情報),traffic(トラフィック情報)

[注意事項]

  1. VPI値は,vpi_vci_rangeで定義するVPI値を超えないように設定してください。
    メモリ上に記憶している構成定義のATM情報を変更した場合,変更したLineが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
  2. 本装置は優先度キューのトラフィックを完全優先制御するため,service_category_patternの設定をabr_abr_ubr_ubrにした場合,最高位優先度キュー(trafficコマンド,priority=2指定)のABRのピークセルレートが保証されます。したがって,第2位優先度キュー(trafficコマンド,priority=1指定)のABRは,必ずしもミニマムセルレートが保証されませんのでご注意ください。
  3. OC-3c/STM-1 ATM1ポート版のATM情報を追加/変更/削除すると,定義したNIFのT/R LEDがいったん点灯し消灯します。コマンドの機能は正常に終了します。
  4. service_category_patternの設定値がcbr_cbr_ubr_vbr,cbr_abr_ubr_vbr,cbr_ubr_ubr_vbr,abr_ubr_ubr_vbrの場合,各VCについて,サービスカテゴリがCBRならばピークセルレート,VBRならばサステーナブルセルレート,ABRならばミニマムセルレートを250kbps以上でご使用ください。このとき,VPのピークセルレートについても250kbps以上でご使用ください。
    また,以下の動作となりますのでご注意ください。
    • VCを運用状態にすると,該当するLineの送受信ランプが点灯したままとなります。
    • 送信データがなくても,さらにLine状態がactive downでも,Line単位統計情報 <AAL Layer> Out pkts,Out octets,<ATM Layer> Out cellsをカウントアップします。これら統計情報は参照せず,VC単位統計情報<AAL Layer> Out unicast pkts,<ATM Layer> Out cellsをご参照ください。
    • 同様にATM関連MIB interfaceグループのifOutOctets(ATMレイヤまたはAAL5レイヤifIndexの場合)をカウントアップします。これらMIBは参照せず,ifOutOctets(インタフェースまたはグルーピングしたインタフェースのifIndexの場合)をご参照ください。
  5. IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
  6. 日本電信電話株式会社(NTT)のATMデータ通信網サービスであるメガデータネッツと接続する際の設定については,「解説書 Vol.2 10.3.3 メガデータネッツ」を参照ください。
  7. OC-3c/STM-1 ATM1ポート版,または25M ATMのLineに対し,atmコマンドで指定するサービスカテゴリパターンでcbr_ubr_vpshaping_noまたはubrを設定しないでください。設定した場合,該当Lineで通信できなくなるか,該当Line内に設定した値(例えばVPのピークセルレートなど)通りに動作しません。誤って設定した場合,cbr_ubr_vpshaping_noまたはubr以外のパターンを設定し「運用コマンドレファレンス Vol.1 close nif」で該当NIFをいったん閉塞状態にし,「運用コマンドレファレンス Vol.1 free nif」で運用状態に戻してください。

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