構成定義コマンドレファレンス Vol.1
DLCIのオプション情報を設定するコマンドです。
[入力モード]
lineモード
timeslotモード
[入力形式]
- DLCI情報の設定
- dlci <DLCI Name> <DLCI>
- >>移行モード:dlci
- DLCI情報の削除
- delete [-r] dlci <DLCI Name>
- DLCI情報の表示
- show [-r] dlci <DLCI Name>
[サブコマンド入力形式]
- DLCI情報の設定
- { drop | forward }
- max_packet_size <Bytes>
- peak_rate { no | <kbit/s> }
- { congestion_management_off | congestion_management }
- cir <kbit/s>
- { ip_outgoing_off | ip_outgoing }
- { ipx_outgoing_off | ipx_outgoing }
- { inverse_arp_off | inverse_arp }
- { provide_arp_off | provide_arp }
- bc <kBytes>
- be <kBytes>
- min_access_rate <kbit/s>
- de_packet_class { no | <No.> }
- description <strings>
- DLCI情報の削除
- delete { drop | forward }
- delete max_packet_size
- delete peak_rate { no | <kbit/s> }
- delete { congestion_management_off | congestion_management }
- delete cir
- delete { ip_outgoing_off | ip_outgoing }
- delete { ipx_outgoing_off | ipx_outgoing }
- delete { inverse_arp_off | inverse_arp }
- delete { provide_arp_off | provide_arp }
- delete bc
- delete be
- delete min_access_rate
- delete de_packet_class { no | <No.> }
- delete description
[モード階層]
dlci
[パラメータ]
- <DLCI Name>
- DLCI情報を設定・変更・削除・表示する対象のDLCIの名称を指定します。最大14文字の文字列を入力可能です。
- <DLCI>
- DLCIの値を指定します
- 本パラメータ省略時の初期値
設定必須です。
- 値の設定範囲
<DLCI>に,16〜991を指定できます。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合,変更したDLCIが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- -r
- 指定されたdlciに関するすべての構成定義情報を表示または削除します。
[サブコマンド]
- { drop | forward }
- DLCI上のパケット廃棄を指定します。
- drop:DLCI上の送受信パケットをすべて廃棄します。
- forward:DLCI上のパケットを透過します。
- dropの指定はip_outgoingとipx_outgoingより優先します。forwardの指定時はip_outgoing_offとipx_outgoing_offを優先させます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
forwardに設定されます。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合,変更したDLCIが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- max_packet_size <Bytes>
- DLCI上で送受信するフレームの最大情報フィールド長を指定します。情報フィールドはQ922ヘッダを含まず,その直後からFCSの前までをさします。単位はバイトです。中継フレーム長が指定値を超える場合,IPパケットは指定値の長さに合わせてフラグメントし,IPXおよびブリッジパケットは廃棄します。IPフラグメントで使用するMTU長は本サブコマンド-2となります。IPフラグメントの方法については「解説書 Vol.1 9.3.3 MTUとフラグメント」を参照してください。受信フレーム長が指定値を超える場合,廃棄します。受信フレーム長の検出は4バイト単位で実行し,オプション指定値より1〜3バイトだけ長くなることがあります。送信フレームがブロードキャストの場合,当該ブロードキャストフレームを送出する複数のDLCIのうちで,最も小さいmax_packet_size指定値をフレーム長の検査に適用します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
1600に設定されます。
- 値の設定範囲
<Byte>に,262〜8016を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- peak_rate { no | <kbit/s> }
- DLCI上でのデータ送信速度の最大値を制限します。noを指定すると送信速度を制限せず,物理インタフェース速度が最大のデータ送信速度になります。<kbit/s>を指定すると送信データ速度は指定値以下に制限されます。また,指定値が物理インタフェース速度を超えるときは,送信データ速度は物理インタフェース速度以下になります。指定単位はキロビット/秒です。
- 本サブコマンド省略時の初期値
noに設定されます。
- 値の設定範囲
<kbit/s>に,8〜6144を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- { congestion_management_off | congestion_management }
- フレームリレー網の輻輳検出時のスループット調整を指定します。
- congestion_management_off:スループット調整を行いません。
- congestion_management:網輻輳を検出したときにデータ送信速度を調整します。
- 速度制限値はcirサブコマンドで指定します。網輻輳の検出はBECNの設定されたフレームの受信,またはCLLMでの輻輳通知によります。CLLMによる輻輳検出については「frame-relay(フレームリレー情報)」のcllm_sustainオプションを参照ください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
congestion_management_offに設定されます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- cir <kbit/s>
- CIR(認定情報速度)を指定します。congestion_managementが指定されているとき,網輻輳の検出中は,データ送信速度を指定値以下に制限します。指定値が物理インタフェース速度より大きいときは,物理インタフェース速度以下に制限します。単位はキロビット/秒です。また,CIRの指定値および,QoSインタフェース情報で指定されたQoSキュー属性のキュー数に従い,DLCIの送信キュー長の最大値(送信データバッファサイズ)を以下のように調整します。
- DLCI内のキュー数が8以下の場合
<CIRの指定値> → <DLCIの送信キュー長の最大値>
384キロビット/秒 以下 → 100
512キロビット/秒 以下 → 133
768キロビット/秒 以下 → 200
1024キロビット/秒 以下 → 266
1536キロビット/秒 以下 → 400
2048キロビット/秒 以下 → 533
3072キロビット/秒 以下 → 800
4608キロビット/秒 以下 → 1200
4609キロビット/秒 以上 → 1600
- DLCI内のキュー数が9以上の場合
<CIRの指定値> → <DLCIの送信キュー長の最大値>
384キロビット/秒 以下 → 16
512キロビット/秒 以下 → 21
768キロビット/秒 以下 → 32
1024キロビット/秒 以下 → 42
1536キロビット/秒 以下 → 64
2048キロビット/秒 以下 → 85
3072キロビット/秒 以下 → 128
4608キロビット/秒 以下 → 192
4609キロビット/秒 以上 → 256
- CIRが指定されていないときは,サブコマンド省略時の初期値に従い調整されます。送信キュー長は1フレーム毎に1カウントとし,さらに1フレームのデータ長が960バイトを超える毎に1増加します。例えば,1500バイトのフレームを1個キューイングすると送信キュー長は2増加し,960バイトのフレームを1個キューイングすると送信キュー長は1増加します。送信キュー長が最大値に達しているとき,新たに発生した送信フレームはキューイングせずに廃棄します。送信キュー長の制限によるフレーム廃棄が起きる場合は,DLCIの送信スループットに比べて大きなバースト転送データの発生が考えられ,ネットワークの増強などによる対応が必要な場合があります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0に設定されます。
- 値の設定範囲
<kbit/s>に,0〜6144を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- { ip_outgoing_off | ip_outgoing }
- DLCI上でIPv4パケットを送出するかどうかを指定します。
- ip_outgoing_off:DLCI上でIPv4パケットを送出せずに廃棄します。
- ip_outgoing:DLCI上でIPv4パケットを送出します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ip_outgoingに設定されます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- { ipx_outgoing_off | ipx_outgoing }
- DLCI上でIPXパケットを送出するかどうかを指定します。
- ipx_outgoing_off:DLCI上でIPXパケットを送出せずに廃棄します。
- ipx_outgoing:DLCI上でIPXパケットを送出します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
ipx_outgoing_off に設定されます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- { inverse_arp_off | inverse_arp }
- DLCI上でInverse ARP要求を送信するかどうかを指定します。
- inverse_arp_off:
- Inverse ARP要求を送信しません。また,Inverse ARP受信時にARPキャッシュに登録しません。
- inverse_arp:
- DLCIの状態が通信可能になったときにInverse ARP要求を送信します(IPネットワークがポイント−ポイントの場合は送信しません)。また,Inverse ARP受信時にARPキャッシュに登録します。
- 対象となるネットワークプロトコルはIPv4です。送信は3秒間隔で10回実行します。Inverse ARPの応答送信は,このオプションの指定にかかわりなく実行します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
inverse_arpに設定されます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- { provide_arp_off | provide_arp }
- DLCI上でARP要求を送信するかどうかを指定します。
- provide_arp_off:ARP要求を送信しません。
- provide_arp:
- このDLCIを収容するIPネットワークで,パケット送信先のネクストホップアドレスに該当するARPキャッシュが登録されていないときにARP要求を送信します。(IPネットワークがポイント−ポイントの場合は送信しません。)
- 対象となるネットワークプロトコルはIPv4です。ARPの応答送信およびARP受信時のARPキャッシュ登録は,このオプションの指定にかかわりなく実行します。接続相手装置が,本装置と接続したネットワーク上で複数のIPv4アドレスを持っている場合に,このオプションを使用します。通常はprovide_arp_offに設定してお使いください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
provide_arp_offに設定されます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- bc <kBytes>
- Bc(認定バーストサイズ)を指定します。単位はキロバイトです。網輻輳の検出中は,Bc×8÷CIR(kbit/s)の時間間隔(この時間間隔はTcと呼ばれます)で送信データ量を監視します。Bcが0のときは,0.5秒間隔で監視します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0に設定されます。
- 値の設定範囲
<kBytes>に,CIR(kbit/s)÷8×40以下の値を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- be <kBytes>
- Be(超過バーストサイズ)を指定します。単位はキロバイトです。Beを指定した場合,網輻輳の検出時にデータ送信速度を規制する場合のスループットは,cirサブコマンドの指定値×(Bc+Be)/Bcになります。本サブコマンドは,bcサブコマンドの値(Bc)が0以外のとき有効です。Bcが「網が転送を保証するバーストデータサイズ」であるのに対してBeは「Bcを超えてルータから網へ送出するバーストデータサイズ」を示し,網内で廃棄される可能性のあるデータサイズです。送信トラフィックがバースト性で,かつ平均スループットが小さく,フレームリレー網の受信バッファ容量が大きいとき,網へ転送するバーストデータサイズをBeの指定により増加できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0に設定されます。
- 値の設定範囲
<kBytes>に,0〜30720の値を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- min_access_rate <kbit/s>
- DLCI上の送信データ速度の保証値を指定します。単位はキロビット/秒です。物理インタフェースの送信利用率が高いときに,指定速度での送信を行えるよう,DLCIに優先権を与えます。このDLCIの送信データが少ないときは,他のDLCIに送信帯域の利用権を与えます。物理インタフェース内でのすべてのDLCIのmin_access_rateサブコマンド指定値の合計は,物理インタフェース速度以下になっている必要があります。合計値が物理インタフェース速度を超えているときは,指定値を自動的に調整しますので,指定値と異なる動作になります。
- なお,送信パケット長により,数kbit/s〜数10kbit/sの誤差が生じることがあります。送信パケット長が大きい程,誤差は大きくなります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
0に設定されます。
- 値の設定範囲
<kbit/s>に0〜6144を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- de_packet_class { no | <Number> }
- DLCI上の送信フレームにDEビットを設定するかどうかを指定します。DEビットはフレームのQ922ヘッダ内にある制御ビットで,フレームリレー網内で優先的に廃棄するフレームであることを示します。noを指定すると送信フレームのDEビットを常に0にします。数値を指定すると廃棄クラスが指定値以下の送信フレームに対してDEビットを1に設定します。
- 本サブコマンド省略時の初期値
noに設定されます。
- 値の設定範囲
<Number>に1〜4を指定できます。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したDLCIは再起動しません。変更時点から変更後の設定値で動作します。
- description <strings>
- 該当DLCIの補足説明を設定します。DLCIに関するメモとしてご使用いただけます。なお,本設定を行うとshow interfaceコマンドやifDescr(SNMP MIB)で確認できます。
- 本サブコマンド省略時の初期値
初期値はNULLです。
- 値の設定範囲
64字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字は,英数字と 特殊文字が使用可能です。ただし,入力文字列に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても入力可能です。なお,descriptionの定義は装置当り,最大1000エントリ定義可能です。
[入力例]
- 情報の設定
DLCI=16に最大情報フィールド長=4096,ピークレート制限=192kbit/s,送信データ速度保証=64kbit/s,輻輳制御あり,CIR=16kbit/s,認定バーストサイズ=2kByte,IPXパケット廃棄を設定します。
(config)# line Tokyo1 serial 3/1 [line Tokyo1] (config)# frame-relay Tokyo1 [line Tokyo1] (config)# dlci TokyoOsakaD 16 [dlci TokyoOsakaD] (config)# max_packet_size 4096 [dlci TokyoOsakaD] (config)# peak_rate 192 [dlci TokyoOsakaD] (config)# min_access_rate 64 [dlci TokyoOsakaD] (config)# congestion_management [dlci TokyoOsakaD] (config)# cir 16 [dlci TokyoOsakaD] (config)# be 2 [dlci TokyoOsakaD] (config)# ipx_outgoing_off [dlci TokyoOsakaD] (config)#- 情報の変更
ピークレート制限を1000kbit/sに設定します。
[line Tokyo1] (config)# dlci TokyoOsakaD 16 [dlci TokyoOsakaD] (config)# peak_rate 1000 [dlci TokyoOsakaD] (config)#- 設定情報の表示
- LINE情報単位の表示
名称“Tokyo1”を付与したLineまたはタイムスロットのフレームリレー情報に関連するDLCIの情報を表示します。
[line Tokyo1] (config)# show dlci dlci TokyoOsakaD 16 max_packet_size 4096 peak_rate 1000 congestion_management cir 16 ipx_outgoing_off be 2 min_access_rate 64 ! dlci TokyoSendaiD 17 [line Tokyo1] (config)#
- 任意の表示
名称“ TokyoOsakaD ”を付与したDLCIの情報を表示します。
(config)# show dlci TokyoOsakaD dlci TokyoOsakaD 16 max_packet_size 4096 peak_rate 1000 congestion_management cir 16 ipx_outgoing_off be 2 min_access_rate 64 (config)#- 設定情報の削除
- 指定DLCI名称の削除
名称“ TokyoOsakaD ”を付与したDLCIの情報を削除します。
(config)# delete dlci TokyoOsakaD (config)#
- 指定DLCI名称に関連する情報の削除
名称“ TokyoOsakaD ”を付与したDLCIに関連するすべての情報を削除します。
(config)# delete -r dlci TokyoOsakaD (config)#- 設定情報パラメータの削除
名称“ TokyoOsakaD ”を付与したDLCIからpeak_rateパラメータを削除します。
[dlci TokyoOsakaD] (config)# delete peak_rate [dlci TokyoOsakaD] (config)#
[関連コマンド]
line(Line情報)
frame-relay(フレームリレー情報)
dlci-group(DLCIグループ情報)
group(グループ情報)
ip(IP情報)
[注意事項]
- IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
- 当該DLCIに対してIPルーティングプロトコル情報を定義した後に,当該DLCIのDLCIの値を変更した場合,MIB情報で表示されるインタフェースに関する情報のDLCI番号に反映されません。DLCIの値を変更する場合は,当該DLCIに対して定義したIPルーティングプロトコル情報を削除した後で実行してください。詳細は「MIBレファレンス 2.2 interfacesグループ(MIB-II)」のifDescrの値の注意事項を参照してください。
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