構成定義コマンドレファレンス Vol.1
PPPoEのオプション情報を設定するコマンドです。
[入力モード]
lineモード
[入力形式]
- PPPoE情報の設定
- pppoe <Session Name>
- >>移行モード:pppoe
- PPPoE情報の削除
- delete [-r] pppoe <Session Name>
- PPPoE情報の表示
- show [-r] pppoe [<Session Name>]
[サブコマンド入力形式]
- PPPoE情報の設定
- user_name <User-Name>
- password <Password>
- service_name <Service_Name>
- ac_name <AC_Name>
- authentication_protocol { pap | chap | auto }
- echo_trial_times <Count>
- echo_interval <Second>
- auto_connection <Second>
- dns { yes | no }
- mru <Bytes>
- mss { off | auto | <Bytes> }
- description <strings>
- PPPoE情報の削除
- delete user_name
- delete password
- delete service_name
- delete ac_name
- delete authentication_protocol
- delete echo_trial_times
- delete echo_interval
- delete auto_connection
- delete dns
- delete mru
- delete mss
- delete description
[モード階層]
pppoe
[パラメータ]
- <Session Name>
- PPPoEのセッション名称を指定します。PPPoEのセッション名称は最大14文字です。
- -r
- 指定されたPPPoEに関するすべての構成定義情報に適用されます。
[サブコマンド]
- user_name <User-Name>
- PPP認証プロトコルで使用する本装置の自ユーザIDを設定します。接続プロバイダより指定されたユーザID(ユーザID@ドメイン形式)を必ず設定してください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
<User-Name>に,最大64文字の英数字,特殊文字が設定できます。設定時には,“User-Name”という形式に倣って”で囲んでください(”は文字数に含みません)。
詳細は,「表1-9 文字コード一覧」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- password <Password>
- PPP認証プロトコルで使用する本装置のパスワードを設定します。接続プロバイダより指定されたパスワードを必ず設定してください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
<Password>に,最大64文字の英数字,特殊文字が設定できます。設定時には,”Password”という形式に倣ってダブルクォート(”)で囲んでください。
詳細は,「表1-9 文字コード一覧」を参照願います。
ただし,ダブルクォート(”)および円記号(\)を文字として入力する場合は,その文字の前にエスケープコード(\)を入力してください。また,疑問符(?)を入力する場合は,[Ctrl]+[V]を押下後に疑問符(?)を入力してください。なお,両端のダブルクォート(”)およびエスケープコードとしての円記号(\)は文字数に含みません。
[入力例]
“"pass"word”を設定する場合
(config)# password "\"pass\"word"
“pass\word”を設定する場合
(config)# password "pass\\word"
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- service_name <Service_Name>
- PPPoEセッション接続時に検索するサービス名称を設定します。
- 接続プロバイダから指定された場合は,サービス名を設定してください。
- 特に指定されない場合は,未入力としてください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
<Service_Name>に,最大32文字の英数字,特殊文字が設定できます。設定時には,“Service_Name”という形式に倣って”で囲んでください。(”は文字数に含みません)
詳細は,「表1-9 文字コード一覧」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- ac_name <AC_Name>
- PPPoEセッション接続時に接続するAC(Access Concentrator)名称を設定します。接続プロバイダから指定された場合は,AC名を設定してください。
- 特に指定されない場合は,未入力としてください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
なし
- 値の設定範囲
<AC_Name>に,最大32文字の英数字,特殊文字が設定できます。設定時には,“AC_Name”という形式に倣って”で囲んでください。(”は文字数に含みません)
詳細は,「表1-9 文字コード一覧」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんのでご注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- authentication_protocol { pap | chap | auto }
- プロバイダとの接続時に使用する認証プロトコル種別を指定します。chapを指定した場合,接続プロバイダによっては接続できなくなる場合があります。その場合は,papまたはautoを指定するようにしてください。
- pap:PAP認証プロトコルを使用します。
- chap:CHAP認証プロトコルを使用します。
- auto:
- プロバイダ接続時にサーバとのネゴシエーションにより,PAPを使用するかCHAPを使用するかが決まります。
- 本サブコマンド省略時の初期値
autoになります。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- echo_trial_times <Count>
- 本装置では,PPPoEセッション上で以下の手順に従ってPPP Echoフレームの送達確認によるPPPoEセッションの接続監視を行うことができます。以下の手順のうち,Echo-RQフレームの試行回数を設定します。
- PPPoEセッション接続監視手順
- 構成オプション“echo_interval”で指定した間隔でEcho-RQフレームを送信し,Echo-Replyフレームの応答を監視します。Echo-Replyフレームの応答がない場合,構成オプション“echo_trial_times”で設定した回数分,3秒間隔でEcho-RQフレームを送信し,Echo-Replyフレームの応答がなければ,回線断と判断しPPPoEセッションを切断します。
- また,この後,PPPoEセッションの自動再接続を行います。自動再接続につきましては,“auto_connection”の説明を参照願います。
- 本サブコマンド省略時の初期値
5回となります。
- 値の設定範囲
<Count>に,1回〜10回(10進数)が設定できます。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。設定値は即反映されます。
- echo_interval <Second>
- Echoフレームの送達確認によるPPPoEセッション接続監視の際の,Echo-RQフレームの送信間隔を設定します。本値に0を設定すると,Echoフレームの送達確認によるPPPoEセッション接続監視は行いません。PPPoEセッション接続監視手順の詳細については,構成オプション“echo_trial_times”の説明を参照願います。
- 本サブコマンド省略時の初期値
60秒となります。
- 値の設定範囲
<Second>に,0秒〜3600秒(10進数)が設定できます。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。設定値は次回のEcho-RQフレーム送信時に反映されます。また,監視の「あり(0→0以外)」,「なし(0以外→0)」を変更した場合,設定は即反映されます。
- auto_connection <Second>
- 本装置では,PPPoEセッションが網側から切断された場合にも自動的に再接続を行います。切断を検出してから再接続を行うまでの時間を設定します。なお,本値に0を設定すると自動的に再接続は行いません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
10秒となります。
- 値の設定範囲
<Second>に,0秒〜3600秒(10進数)が設定できます。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。設定値は次回の再接続時に反映されます。また,自動再接続待ち中に再接続を「なし(0以外→0)」に変更した場合は再接続が中断され,切断された状態で「あり(0→0以外)」に変更した場合は,設定時間後に自動再接続を行います。
- dns { yes | no }
- PPP(IPCP)ネゴシエーションでDNSサーバアドレスを自動取得するかしないかを指定します。自動取得を設定した場合,dns-resolverの構成定義で,DNSサーバアドレスが定義されずDNSリレーが有効に設定されている場合にかぎり,取得したネームサーバアドレスがDNSリレー機能で使用されます。複数のPPPoEセッションでDNSサーバアドレスを自動取得に設定した場合は,最初にリンク確立したPPPoEセッションで自動取得したDNSサーバアドレスだけが有効となります。
- また,自動取得に設定した場合であっても,相手サーバ(接続プロバイダ)側でDNSサーバアドレスを通知しないように設定されている場合は自動取得せずにPPPoEセッションが確立します。このような場合,必要がありましたら接続プロバイダ等にお問合せ頂いたうえで,手動でDNSアドレスを設定するようにしてください。DNSアドレスの設定方法につきましては「構成定義コマンドレファレンス Vol.2 dns-resolver(DNSリゾルバ情報)」を参照ください。
- yes:ネームサーバアドレスの自動取得を行います。
- no:ネームサーバアドレスの自動取得を行いません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
yesとなります。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- mru <Bytes>
- 本PPPoEセッションで受信可能なデータの最大長(相手サーバのMTU長の最大値)を設定します。本値は実際の通信に用いられる値ではなく,本値に基づいてPPPのネゴシエーションを行ってPPPのリンクを設定します。したがって,実際に使われる相手のMTU長は,相手局の要求により128バイト以上本値以下に変更になる場合もあります。最大値は1492バイトとなります。
- 本値がIPフラグメントで使用する相手サーバのMTU長となります。IPフラグメントの方法については「解説書 Vol.1 9.3.3 MTUとフラグメント」を参照してください。
- 本サブコマンド省略時の初期値
1492バイトとなります。
- 値の設定範囲
<Bytes>に,128バイト〜1492バイト(10進数)が設定できます。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- mss { off | auto | <Bytes> }
- TCPコネクション要求(SYN)パケットのオプションである最大セグメント長(MSS)の値の書換えを行うか否かを指定します。本オプションはフラグメント化による性能低下や通信経路途中に存在するブラックホール・ルータによるパケット廃棄などの問題を解決するために設定します。
- off:MSSの書き換えは行いません。
- auto:
- PPPネゴシエーションで決定されたMTU長に応じて自動的にMSSを算出(MTU-40)し,書き換えを行います。
- <Bytes>:
- 本設定値を超えるMSSが設定されていた場合,MSSを本値に書き換えます。本設定値を越えていない場合は書き換えを行いません。
- 本サブコマンド省略時の初期値
autoを使用する設定になります。
- 値の設定範囲
<Bytes>に,500バイト〜1460バイト(10進数)が設定できます。
- なお,メモリ上に記憶している現用構成定義情報の本サブコマンドを変更した場合でも,変更したPPPoEセッションは再起動しません。次回TCPコネクション要求パケットを中継時に変更後の設定値で動作します。
- description <strings>
- 当該PPPoEセッションの補足説明を設定します。PPPoEセッションに関するメモとしてご使用いただけます。なお,本設定を行うとshow interfaceコマンドやifDescr(SNMP MIB)で確認できます。
- descriptionの定義は装置当たり,最大1000エントリ定義可能です。
- 本サブコマンド省略時の初期値
NULLです。
- 値の設定範囲
64字以内の文字列を”(ダブルクォート)で囲んで設定します。入力可能な文字は,英数字と特殊文字です。ただし,入力文字列に,スペースなどの特殊文字を含まない場合,文字列を”(ダブルクォート)で囲まなくても入力可能です。
詳細は,「表1-9 文字コード一覧」を参照願います。
ただし,以下の文字は使用できませんので注意願います。
ダブルクォート(”),大カッコ始め({),大カッコ終わり(}),シングルクォート(’),セミコロン(;),ドル($),逆シングルクォート(‘)
[入力例]
- 情報の設定
Department1回線にPPPoEセッションのTokyoISP1を定義し,自ユーザIDを“user1@tokyoisp1”に,パスワードを“tokyoisp1password”に設定します。
自IPアドレスを自動取得に設定します。この場合,IPアドレスを設定しません。また,本インタフェースをデフォルトルートに定義します。
Department2回線にPPPoEセッションのOsakaISP2を定義し,自ユーザIDを“user2@osakaisp2”に,パスワードを“osakaisp2password”に,認証プロトコルをchapに,Echo-RQ送信間隔=30秒に,Echo-RQ試行回数=3回に,MSS=1414バイトに設定します。
(config)# line Department1 ethernet 2/0 [line Department1] (config)# pppoe TokyoISP1 [pppoe TokyoISP1] (config)# user_name "user1@tokyoisp1" [pppoe TokyoISP1] (config)# password "tokyoisp1password" [pppoe TokyoISP1] (config)# ip TokyoISP1 [pppoe TokyoISP1] (config)# Exit [line Department1] (config)# exit (config)# static [static] (config)# default interface TokyoISP1 [static] (config)# exit (config)#
自IPアドレスに“172.200.100.1”を,相手IPアドレスに“172.200.101.2”の固定IPアドレスを設定します。
(config)# line Department2 ethernet 2/1 [line Department2] (config)# pppoe OsakaISP2 [pppoe OsakaISP2] (config)# user_name "user2@osakaisp2" [pppoe OsakaISP2] (config)# password "osakaisp2password" [pppoe OsakaISP2] (config)# authentication_protocol chap [pppoe OsakaISP2] (config)# echo_interval 30 [pppoe OsakaISP2] (config)# echo_trial_times 3 [pppoe OsakaISP2] (config)# mss 1414 [pppoe OsakaISP2] (config)# ip 172.200.100.1 mask 255.255.255.0 [pppoe OsakaISP2] (config)# ip destination_ip_address 172.200.101.2 [pppoe OsakaISP2] (config)# exit (config)#- 情報の変更
Department2回線のPPPoE情報を自MRU長=1492バイト,Echo-RQ送信間隔=3600秒に変更し,echo_trial_timesオプションを削除します。
[line Department2] (config)# pppoe OsakaISP2 [pppoe OsakaISP2] (config)# mru 1492 [pppoe OsakaISP2] (config)# echo_interval 3600 [pppoe OsakaISP2] (config)# delete echo_trial_times [pppoe OsakaISP2] (config)#- 設定情報の表示
- すべての表示
定義されたすべての回線の情報を表示します。
(config)# show pppoe pppoe TokyoISP1 user_name "user1@tokyoisp1" password "tokyoisp1password" ! pppoe OsakaISP2 user_name "user2@osakaisp2" password "osakaisp2password" authentication_protcol chap echo_interval 3600 mru 1492 mss 1414 (config)#
- 任意の表示
OsakaISP2の情報だけを表示します。
(config)# show pppoe OsakaISP2 pppoe OsakaISP2 user_name "user2@osakaisp2" password "osakaisp2password" authentication_protcol chap echo_interval 3600 mru 1492 mss 1414 (config)#- 設定情報の一括表示
OsakaISP2に関連するすべての情報を表示します。
(config)# show -r pppoe OsakaISP2 pppoe OsakaISP2 user_name "user2@osakaisp2" password "osakaisp2password" authentication_protcol chap echo_interval 3600 mru 1492 mss 1414 ip destination_ip_address 172.200.101.2 ip 172.200.100.1/24 (config)#- 設定情報の削除
TokyoISP1を削除します。
(config)# delete pppoe TokyoISP1 (config)#- 設定情報の一括削除
OsakaISP2に関連するすべての情報を削除します。
(config)# delete -r pppoe OsakaISP2 (config)#
[関連コマンド]
line(Line情報)
ip(ip情報)
[関連記述]
なし
[注意事項]
- pppoe構成定義コマンドが有効な回線種別は,ethernet と gigabit- ethernetです。
- 同時に定義可能なPPPoEのセッション数は,装置当たり最大4セッション,1イーサネット回線当たり1セッションとなります。
- PPPoE定義は,以下の構成定義と同一イーサネット回線で混在定義できません。
- Tag-VLAN連携回線定義
- VRRP定義
- DHCPクライアント定義
- DHCPサーバ定義
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