構成定義コマンドレファレンス Vol.1
PPPのオプション情報を設定するコマンドです。
[入力モード]
lineモード
timeslotモード
[入力形式]
- PPP情報の設定
- ppp source_mru <Bytes>
- ppp echo_trial_times <Count>
- ppp echo_success_times <Count>
- ppp echo_interval <Second>
- ppp { ip_address_negotiation_off | ip_address_negotiation }
- ppp remote_ip_address_mode { assign | check }
- ppp { ipx_address_negotiation_off | ipx_address_negotiation }
- ppp bod <BOD Name>
- ppp {ipv6cp_off | ipv6cp}
- ppp interface_id <ID>
- PPP情報の削除
- delete [-r] ppp
- PPP情報の表示
- show [-r] ppp
[サブコマンド入力形式]
なし
[モード階層]
なし
[パラメータ]
- -r
- 指定されたPPPに関するすべての構成定義情報に適用されます。
- source_mru <Bytes>
- 本Lineまたはタイムスロットで受信可能なデータの最大長(相手局のMTU長の最大値)を指定します。本値は実際の通信に用いられる値ではなく,本値に基づいてPPPのネゴシエーションを行ってPPPのリンクを設定します。したがって,実際に使われる相手のMTU長は,相手局の要求により128バイト以上本値以下に変更になる場合もあります。
- 本値がIPフラグメントで使用する相手局のMTU長となります。IPフラグメントの方法については「解説書 Vol.1 9.3.3 MTUとフラグメント」を参照してください。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合でも,変更したLineまたはタイムスロットは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- 本オプション省略時の初期値
4500バイトとなります。
- 値の設定範囲
<Bytes>に,128バイト〜4500バイト(10進数)が設定できます。
- echo_trial_times <Count>
- 本装置では,PPPリンク上で以下の手順に従ってPPPのEchoフレームの送達確認によるリンク品質の監視を行うことができます。以下の手順のうち,Echo-RQフレームの試行回数を設定します。
- リンク品質監視手順
- 構成オプション“echo_interval”で指定した間隔でEcho-RQフレームを送信し,Echo-Replyフレームの応答を監視します。構成オプション“echo_trial_times”回,Echo-RQフレームを送信し,構成オプション“echo_success_times”回以上の正しいEcho-Replyフレームの応答があれば,リンク品質に問題がないと判断します。
- 本オプション省略時の初期値
7回となります。
- 値の設定範囲
<Count>に,1回〜10回(10進数)が設定できます。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合,変更したLineまたはタイムスロットが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- echo_success_times <Count>
- Echoフレームの送達確認によるリンク品質の監視の際,構成オプション“echo_trial_times”で指定した回数のEcho-RQフレームに対し,リンク品質「良」と判断する最低の受信Echo-Reply回数を設定します。リンク品質監視手順の詳細については,構成オプション“echo_trial_times”の説明を参照願います。本値は構成オプション“echo_trial_times”以下に設定してください。
- 本オプション省略時の初期値
6回となります。
- 値の設定範囲
<Count>に,1回〜10回(10進数)が設定できます。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合,変更したLineまたはタイムスロットが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- echo_interval <Second>
- Echoフレームの送達確認によるリンク品質の監視の際の,Echo-RQフレームの送信間隔を設定します。本値に0を設定すると,Echoフレームの送達確認によるリンク品質の監視は行いません。リンク品質監視手順の詳細については,構成オプション“echo_trial_times”の説明を参照願います。
- 本オプション省略時の初期値
3秒となります。
- 値の設定範囲
<Second>に,0秒〜255秒(10進数)が設定できます。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合,変更したLineまたはタイムスロットが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- { ip_address_negotiation_off | ip_address_negotiation }
- PPP上でIPv4を使う場合に相手局とIPCPリンクを確立します。IPCPで,相手局に対して自IPv4アドレスを通知するかしないかを指定します。
- ip_address_negotiation_off:相手局に対して自IPv4アドレスを通知しません。
- ip_address_negotiation:相手局に対して自IPv4アドレスを通知します。
- 本オプション省略時の初期値
自IPv4アドレスを通知しない設定となります。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合でも,変更したLineまたはタイムスロットは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- remote_ip_address_mode { assign | check }
- IPv4アドレスネゴシエーションで相手局が通知してくるIPv4アドレスを,IPv4アドレス配布要求とみなして正しいIPv4アドレスを配布するか,IPv4アドレスによるセキュリティチェック要求とみなして通知してきたIPv4アドレスと,正しいIPv4アドレスがあっているかをチェックするかのスイッチです。
- assign:IPv4アドレス配布要求とみなして正しいIPv4アドレスを配布します。
- check:IPv4アドレスをセキュリティチェックに使用します。
- 本オプション省略時の初期値
IPv4アドレス配布要求とみなして正しいIPv4アドレスを配布する設定になります。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合,変更したLineまたはタイムスロットが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- { ipx_address_negotiation_off | ipx_address_negotiation }
- PPP上でIPXを使う場合に相手局とIPXCPリンクを確立します。IPXCPで,相手局に対して自IPXノード番号を通知するかしないかを指定します。
- ipx_address_negotiation_off:相手局に対して自IPXノード番号を通知しません。
- ipx_address_negotiation:相手局に対して自IPXノード番号を通知します。
- 本オプション省略時の初期値
自IPXノード番号を通知しない設定となります。
- なお,メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合でも,変更したLineまたはタイムスロットは再起動しません。次回ネゴシエーション時に変更後の設定値で動作します。
- { bod <BOD Name> }
- 当該PPPでオーバーロード接続を行う場合に,オーバーロード条件を規定したBODのエントリを指定します。(本コマンド実行前にbod情報を設定してください。)
- 本オプション省略時の初期値
オーバーロードを行わない設定となります。
- 値の設定範囲
使用可能な文字列は14文字以内の英数字です。
- メモリ上に記憶している運用構成定義情報の本パラメータを変更した場合,変更したLineまたはタイムスロットが再起動します。ネットワーク経由でログインしている場合はご注意ください。
- {ipv6cp_off | ipv6cp }
- PPP上でIPv6を使う場合に,相手局とIPV6CPリンクの確立要求を行うか否かを指定します。
- ipv6cp_off:
- IPV6CPリンク確立要求を行いません。IPCPが確立している場合は,IPCPでIPv6パケット通信を行います。
- ipv6cp:
- IPV6CPリンク確立要求を行います。IPV6CPが確立した場合は,IPv6パケット通信をIPV6CPで行います。IPCPではIPv6パケット通信は行いません。
- 本オプション省略時の初期値
ipv6cpに設定されます。
- interface_id <ID>
- IPV6CPリンクで相手局に通知する自インタフェース-IDを指定します。0を指定した場合は,相手局へのインタフェース-ID設定要求となり,相手局より指定されたインタフェース-IDを自インタフェース-IDとして使用します。指定されたインタフェース-IDはIPv6アドレスのインタフェース-ID部の候補としても使用します。
- 本オプション省略時の初期値
装置により自動的に生成された値を使用します。
- 値の設定範囲
<ID>に0〜ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff:ff(16進数)までの8バイトを,1バイトずつコロン(:)で区切って指定可能です。8バイトより短い値の場合は上位バイトを省略可能です。
[サブコマンド]
なし
[入力例]
- 情報の設定
TokyoOsaka回線を定義し,PPP情報を自MRU長=4000バイト,Echo-RQ送信間隔=4秒に設定します。
TokyoNagoya回線とTokyoNagoyaTSタイムスロットを定義し,PPP情報を自MRU長=4000バイト,Echo-RQ送信間隔=4秒に設定します。
(config)# line TokyoOsaka serial 1/0 [line TokyoOsaka] (config)# ppp source_mru 4000 [line TokyoOsaka] (config)# ppp echo_interval 4 [line TokyoOsaka] (config)# ip 190.190.190.190/24 mask 255.255.255.0 [line TokyoOsaka] (config)# ip destination_address 190.190.190.191 [line TokyoOsaka] (config)#
(config)# line TokyoNagoya bri 1/0 [line TokyoNagoya] (config)# timeslot TokyoNagoyaTS 1 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# ppp source_mru 4000 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# ppp echo_interval 4 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# ip 190.190.190.192 mask 255.255.255.0 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# ip destination_address 190.190.190.193 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)#- 情報の変更
TokyoNagoyaTS回線のPPP情報を自MRU長=3600バイト,Echo−RQ成功回数=5回に変更し,echo_intervalオプションを削除します。
[timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# ppp source_mru 3600 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# ppp echo_success_times 5 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# delete ppp echo_interval [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)#- 設定情報の表示
- すべての表示
定義されたすべての回線の情報を表示します。
(config)# show ppp ppp source_mru 4000 ppp echo_interval 4 ! ppp source_mru 3600 ppp echo_success_times 5 (config)#
- 任意の表示
TokyoNagoyaTSの情報だけ表示します。
PPPの場合 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# show ppp ppp source_mru 3600 ppp echo_success_times 5 [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)#- 設定情報の一括表示
PPPコマンドに関連するすべての情報を表示します。
(config)# show -r ppp TokyoOsaka line TokyoOsaka serial 1/0 ppp source_mru 4000 ppp echo_interval 4 ip 190.190.190.190 mask 255.255.255.0 ip destination_address 190.190.190.191 (config)#- 設定情報の削除
TokyoNagoyaTSの情報を削除します。
[timeslot TokyoNagoyaTS] (config)# delete ppp [timeslot TokyoNagoyaTS] (config)#- 設定情報の一括削除
PPPコマンドに関連するすべての情報を削除します。
(config)# delete -r ppp (config)#
[関連コマンド]
line(Line情報)
ip(ip情報)
bod(bod情報)
[関連記述]
なし
[注意事項]
- 同時に定義可能なbodオプションを指定したPPPの数は,ルーティング処理機構ボード(RP)当たり最大128です。
- IPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報の変更を行い,applyコマンドを実行していない場合,本コマンドを入力するとコマンドの実行前にapplyコマンドを自動で実行し,変更したIPルーティングプロトコル情報,IPマルチキャストルーティングプロトコル情報が運用に反映されます。
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