構成定義ガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) 構成定義情報例
(1) 設定内容の概要
センタと複数の拠点を持つネットワークにおいて,センタ拠点間の通信経路をスタティックにより制御します。センタには2台のルータを設置し,1台を通常経路のルータ,もう1台を代替経路のルータとして使用します。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図8-3 構成図
- [設定条件]
- <ネットワークの環境>
- サーバ−PC間の通信経路は本装置Bより本装置Aを優先します。
- <本装置A/Bの環境>
- センタルータ(本装置A/B)−サーバ間の経路制御はRIPを使用します。
- センタルータ(本装置A/B)−拠点ルータ(本装置C/D)間の経路制御はスタティックを使用します。
- <本装置C/Dの環境>
- 拠点ルータ(本装置C/D)−センタルータ(本装置A/B)間の経路制御はスタティックを使用します。
- 本装置C/D−PC間の通信はPC上のデフォルトルートを使用します。
(3) 構成定義情報例
- [コマンドによる設定]
- <本装置A>
1 (config)# rip yes [rip] 2 (config)# broadcast [rip] 3 (config)# defaultmetric 2 [rip] 4 (config)# interface all [rip interface all] 5 (config)# noripin [rip interface all] 6 (config)# noripout [rip interface all] 7 (config)# exit [rip] 8 (config)# interface 10.1.1.2 [rip interface 10.1.1.2] 9 (config)# ripin [rip interface 10.1.1.2] 10 (config)# ripout [rip interface 10.1.1.2] 11 (config)# exit [rip] 12 (config)# exit 13 (config)# static [static] 14 (config)# 10.3.1.0/24 gateway 10.2.1.2 poll [static] 15 (config)# 10.4.1.0/24 gateway 10.2.1.4 poll [static] 16 (config)# pollcount 4 [static] 17 (config)# recovercount 2 [static] 18 (config)# exit 19 (config)# export proto rip [export proto rip] 20 (config)# proto static [export proto rip proto static] 21 (config)# exit [export proto rip] 22 (config)# exit表8-7 本装置Aの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 RIPプロトコルを動作させることを定義します。
ripモードに移行します。2 経路変化を早期に通知するためにアップ状態のインタフェースが一つの場合でもRIPパケットを通知するようbroadcastパラメータを定義します。 3 RIPで広告するスタティック経路のメトリック値を2とすることを定義します。 4 全インタフェースに動作情報を設定することを定義します。
rip interfaceモードに移行します。5,6 全インタフェースにRIPパケットの送受信をしないことを定義します。 7 rip interfaceモードからripモードに戻ります。 8 インタフェース10.1.1.2に動作情報を設定することを定義します。
rip interfaceモードに移行します。9,10 インタフェース10.1.1.2にRIPパケットの送受信をすることを定義します。 11 rip interfaceモードからripモードに戻ります。 12 ripモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 13 スタティック経路を使用することを定義します。
staticモードに移行します。14,15 端末を収容するネットワークへのスタティック経路を定義します。 16,17 スタティック動的監視における,ポーリング連続失敗回数を4回,連続成功回数を2回とすることを定義します。 18 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。 19,20 端末を収容するネットワークへのスタティック経路をRIPによりサーバに広告することを定義します。
export proto ripモードに移行します。
export proto rip proto staticモードに移行します。21 export proto rip proto staticモードからexport proto ripモードに戻ります。 22 export proto ripモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- <本装置B>
1 (config)# rip yes [rip] 2 (config)# broadcast [rip] 3 (config)# defaultmetric 3 [rip] 4 (config)# interface all [rip interface all] 5 (config)# noripin [rip interface all] 6 (config)# noripout [rip interface all] 7 (config)# exit [rip] 8 (config)# interface 10.1.1.3 [rip interface 10.1.1.3] 9 (config)# ripin [rip interface 10.1.1.3] 10 (config)# ripout [rip interface 10.1.1.3] 11 (config)# exit [rip] 12 (config)# exit 13 (config)# static [static] 14 (config)# 10.3.1.0/24 gateway 10.2.2.3 poll [static] 15 (config)# 10.4.1.0/24 gateway 10.2.2.4 poll [static] 16 (config)# pollcount 4 [static] 17 (config)# recovercount 2 [static] 18 (config)# exit 19 (config)# export proto rip [export proto rip] 20 (config)# proto static [export proto rip proto static] 21 (config)# exit [export proto rip] 22 (config)# exit表8-8 本装置Bの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 RIPプロトコルを動作させることを定義します。
ripモードに移行します。2 経路変化を早期に通知するためにアップ状態のインタフェースが一つの場合でもRIPパケットを通知するようbroadcastパラメータを定義します。 3 RIPで広告するスタティック経路のメトリック値を3とすることを定義します。これによって,サーバでは本装置Aより広告されたメトリックの小さい経路を優先します。 4 全インタフェースに動作情報を設定することを定義します。
rip interfaceモードに移行します。5,6 全インタフェースにRIPパケットの送受信をしないことを定義します。 7 rip interfaceモードからripモードに戻ります。 8 インタフェース10.1.1.3に動作情報を設定することを定義します。
rip interfaceモードに移行します。9,10 インタフェース10.1.1.3にRIPパケットの送受信をすることを定義します。 11〜22 <本装置A>の解説番号11〜22に同じ
- <本装置C>
1 (config)# static [static] 2 (config)# 10.1.1.0/24 remote-gateway 10.1.1.2 10.1.1.3 poll [static] 3 (config)# 10.1.1.2/32 gateway 10.2.1.1 [static] 4 (config)# 10.1.1.3/32 gateway 10.2.2.1 [static] 5 (config)# pollcount 4 [static] 6 (config)# recovercount 2 [static] 7 (config)# exit
- <本装置D>
1 (config)# static [static] 2 (config)# 10.1.1.0/24 remote-gateway 10.1.1.2 10.1.1.3 poll [static] 3 (config)# 10.1.1.2/32 gateway 10.2.1.1 [static] 4 (config)# 10.1.1.3/32 gateway 10.2.2.1 [static] 5 (config)# pollcount 4 [static] 6 (config)# recovercount 2 [static] 7 (config)# exit表8-9 本装置C/Dの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 スタティック経路を使用することを定義します。
staticモードに移行します。2 サーバへのスタティック経路を定義します。本装置Aを本装置Bより優先するために,本装置Aヘのリモート・ゲートウェイ・アドレスを先に定義します。また,pollパラメータを定義し,到達確認を動的に行います。 3,4 リモート・ゲートウェイ・アドレスへのスタティック経路を定義します。 5,6 スタティック動的監視における,ポーリング連続失敗回数を4回,連続成功回数を2回とすることを定義します。 7 staticモードからグローバルコンフィグモードに戻ります。
- [構成定義情報の表示]
- <本装置A>
rip yes broadcast defaultmetric 2 interface all noripin noripout interface 10.1.1.2 ripin ripout ! static pollcount 4 recovercount 2 10.3.1.0/24 gateway 10.2.1.2 poll 10.4.1.0/24 gateway 10.2.1.4 poll ! export proto rip proto static
- <本装置B>
rip yes broadcast defaultmetric 3 interface all noripin noripout interface 10.1.1.3 ripin ripout ! static pollcount 4 recovercount 2 10.3.1.0/24 gateway 10.2.2.3 poll 10.4.1.0/24 gateway 10.2.2.4 poll ! export proto rip proto static
- <本装置C>
static pollcount 4 recovercount 2 10.1.1.0/24 remote-gateway 10.1.1.2 10.1.1.3 poll 10.1.1.2/32 gateway 10.2.1.1 10.1.1.3/32 gateway 10.2.2.1
- <本装置D>
static pollcount 4 recovercount 2 10.1.1.0/24 remote-gateway 10.1.1.2 10.1.1.3 poll 10.1.1.2/32 gateway 10.2.1.1 10.1.1.3/32 gateway 10.2.2.1
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