構成定義ガイド

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7.4.6　DHCP/BOOTPリレーとVRRP連携

＜この項の構成＞
(1)　設定内容の概要
(2)　構成図と設定条件
(3)　本装置の構成定義情報例
(4)　DHCP/BOOTPサーバ側の設定例

(1)　設定内容の概要

DHCP/BOOTPリレーインタフェース構成定義とVRRP構成定義が同一インタフェースに設定されている例を示します。

(2)　構成図と設定条件

［構成図］

図7-18　構成図

[図データ]

［設定条件］
  1. DHCP/BOOTPクライアント，その他のPCはイーサネット，ギガビット・イーサネットにて接続されていること。
  2. DHCP/BOOTPクライアントが本装置に接続されているインタフェースにVRRP構成定義が設定されている。
  3. 仮想ルータアドレスを170.1.1.10とする。
  4. DHCP/BOOTPサーバのIPアドレスを170.10.10.10とする。
  5. DHCP/BOOTPサーバにDHCP/BOOTPクライアントゲートウェイIPアドレス（ルータオプション）を170.1.1.10（仮想ルータアドレス）と設定する。

(3)　本装置の構成定義情報例

［コマンドによる設定］

＜本装置A＞
 1    (config)# line Department1 ethernet 0/0
      [line Department1]
 2    (config)# virtual-router 1 virtual-router-ip-address 170.1.1.10
                priority 100
      [virtual-router 1]
 3    (config)# top
 4    (config)# relay-list 1 170.10.10.10
 5    (config)# relay-group YellowGroup 1
 6    (config)# relay-interface Department1 relay_group YellowGroup

表7-21　本装置Aの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にインタフェース名Department1のイーサネットインタフェースを定義します。
2，3 インタフェースDepartment1に対してVRID 1，仮想ルータアドレス170.1.1.10，優先度100のVRRPを定義します。
4 リレーリスト1にDHCP/BOOTPサーバのIPアドレス170.10.10.10を設定します。
5 解説番号4で設定したリレーリストをリレーグループ名YellowGroupに登録します。
6 解説番号5で設定したリレーグループ名YellowGroupをインタフェース名Department1に設定します。

＜本装置B＞
 1    (config)# line Department2 ethernet 0/0
      [line Department2]
 2    (config)# virtual-router 1 virtual-router-ip-address 170.1.1.10
                priority 150
      [virtual-router 1]
 3    (config)# top
 4    (config)# relay-list 1 170.10.10.10
 5    (config)# relay-group BlueGroup 1
 6    (config)# relay-interface Department2 relay_group BlueGroup

表7-22　本装置Bの構成定義情報解説

解説番号 解説
1 NIF番号0，Line番号0にインタフェース名Department2のイーサネットインタフェースを定義します。
2，3 インタフェースDepartment2に対してVRID 1，仮想ルータアドレス170.1.1.10，優先度150のVRRPを定義します。
4 リレーリスト1にDHCP/BOOTPサーバのIPアドレス170.10.10.10を設定します。
5 解説番号4で設定したリレーリストをリレーグループ名BlueGroupに登録します。
6 解説番号5で設定したリレーグループ名BlueGroupをインタフェース名Department2に設定します。

［構成定義情報の表示］

＜本装置A＞
line Department1 ethernet 0/0
  ip 170.1.1.1/24
  virtual-router 1 virtual-router-ip-address 170.1.1.10
    priority 100
!
relay-list 1 170.10.10.10
relay-group YellowGroup 1
relay-interface Department1 relay_group YellowGroup

＜本装置B＞
line Department2 ethernet 0/0
  ip 170.1.1.2/24
  virtual-router 1 virtual-router-ip-address 170.1.1.10
    priority 150
!
relay-list 1 170.10.10.10
relay-group BlueGroup 1
relay-interface Department2 relay_group BlueGroup

(4)　DHCP/BOOTPサーバ側の設定例

DHCP/BOOTPリレーインタフェース構成定義とVRRP構成定義が同一インタフェースに設定されている場合，DHCP/BOOTPサーバ側の設定においてDHCP/BOOTPクライアントゲートウェイアドレス（ルータオプション）をVRRP構成定義での仮想ルータアドレスに設定してください。この設定を行わなかった場合，VRRPによるマスタ・スタンバイルータ切り替え後にDHCP/BOOTPクライアントが通信できなくなる可能性があります。

(a)　Windows NTサーバの場合

DHCPマネージャ起動後，「DHCPオプション」メニューから「スコープ」を選択後，オプション選択欄で「ルーター」を選択し，VRRP構成定義で設定した仮想ルータアドレスを設定してください。

(b)　本装置をDHCPサーバとして運用する場合

［コマンドによる設定］

＜本装置＞
 1    (config)# dhcp
 2    (config)# dhcp interface Department3
 3    (config)# dhcp subnet 170.1.1.0/24
      [dhcp subnet 170.1.1.0/24]
 4    (config)# range 170.1.1.20 170.1.1.30
      [dhcp subnet 170.1.1.0/24]
 5    (config)# option routers 170.1.1.10
      [dhcp subnet 170.1.1.0/24]
 6    (config)# exit

表7-23　本装置の構成定義情報解説

解説番号 解説
1 DHCPサーバ機能の使用を宣言します。
2 IP情報で定義したインタフェース Department3 に対してDHCPサーバ機能の割り当てを行います。
3〜6 DHCP/BOOTPクライアントがあるネットワークのサブネット（170.1.1.0/24）に対して，そのネットワークに接続されるクライアントに割り付けるIPアドレスを設定します。このサブネット上のDHCP/BOOTPクライアントは，デフォルトルータとして本装置を使用します。

［構成定義情報の表示］

＜本装置＞
dhcp interface Department3
dhcp subnet 170.1.1.0/24
  range 170.1.1.20 170.1.1.30
  option routers 170.1.1.10

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