構成定義ガイド
- <この項の構成>
- (1) 設定内容の概要
- (2) 構成図と設定条件
- (3) 構成定義情報例
(1) 設定内容の概要
ここでは,拠点間通信をセンタで折り返し中継するパーシャルメッシュネットワーク構成で適用できる例を示します。フォワーディング上はVCをインタフェースとしてIPv6アドレスを割り当て,ポイント−ポイント型にて接続します。
(2) 構成図と設定条件
- [構成図]
図6-6 構成図
- [設定条件]
- <ネットワークの環境>
- センタ側拠点Tokyoと各拠点Osaka,Nagoyaをそれぞれ接続するネットワークを構築します。中継回線として利用するATMメガリンクサービスは,拠点Tokyoと拠点Osakaとの中継用にVPI値=0で80Mbit/sを,拠点Tokyoと拠点Nagoya間にVPI値=1で20Mbit/sの帯域を契約したものとします。ATMメガリンクサービス接続のために,次のポイントに注意します。
- lineコマンドのパラメータ-clockがexternalであること。(デフォルト)
- lineコマンドのパラメータ-frame_formatがsdh_idleであること。(デフォルト)
- vpコマンドで,契約したとおりVPI値およびピークセルレートを設定する。
- 拠点間通信については,Osaka−Nagoyaの通信をTokyoで折り返し中継することにより可能にします。この場合,各VCをインタフェースとして,ポイント−ポイント型接続とするため,次のポイントに注意します。
- ipコマンドのパラメータ-connect_typeをpointに,また-destination_ip_addressを設定する。
- <本装置Aの環境>
- 本装置Aは拠点TokyoのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- atmコマンドのパラメータ-vp_shaping_numberを2に設定する。
- 本装置BへのVC名:TokyoOsakaV,VPI/VCI=0/32
- 上記VCで用いるトラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=80Mbit/s
- 本装置CへのVC名:TokyoNagoyaV,VPI/VCI=1/32
- 上記VCで用いるトラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=20Mbit/s
- <本装置Bの環境>
- 本装置Bは拠点OsakaのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- atmコマンドのパラメータ-vp_shaping_numberを1に設定する。
- 本装置AへのVC名:OsakaTokyoV,VPI/VCI:0/32
- 上記VCで用いるトラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=80Mbit/s
- <本装置Cの環境>
- 本装置Cは拠点NagoyaのネットワークとキャリアのATMネットワークの間に位置するエッジルータで,NIF番号0,Line番号0にATMのNIFが実装されています。
- atmコマンドのパラメータ-vp_shaping_numberを1に設定する。
- 本装置AへのVC名:NagoyaTokyoV,VPI/VCI:1/32
- 上記VCで用いるトラフィッククラス:サービスカテゴリ=CBR,PCR=20Mbit/s
(3) 構成定義情報例
- [コマンドによる設定]
- <本装置A>
1 (config)# traffic CBR80M cbr pcr 80000 2 (config)# traffic CBR20M cbr pcr 20000 3 (config)# line Tokyo oc3atm 0/0 [line Tokyo] 4 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 2 [line Tokyo] 5 (config)# vp 0 pcr 80000 [vp 0] 6 (config)# vc TokyoOsakaV 32 traffic CBR80M [vc TokyoOsakaV] 7 (config)# ip destination_ip_address fe80::b0:a0 [vc TokyoOsakaV] 8 (config)# ip fe80::a0:b0/128 [vc TokyoOsakaV] 9 (config)# ip connect_type point [vc TokyoOsakaV] 10 (config)# exit [vp 0] 11 (config)# exit [line Tokyo] 12 (config)# vp 1 pcr 20000 [vp 1] 13 (config)# vc TokyoNagoyaV 32 traffic CBR20M [vc TokyoNagoyaV] 14 (config)# ip destination_ip_address fe80::c0:a1 [vc TokyoNagoyaV] 15 (config)# ip fe80::a1:c0/128 [vc TokyoNagoyaV] 16 (config)# ip connect_type point [vc TokyoNagoyaV] 17 (config)# exit [vp 1] 18 (config)# exit [line Tokyo] 19 (config)# exit表6-14 本装置Aの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート80Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR80Mで定義します。 2 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート20Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR20Mで定義します。 3 NIF番号0,Line番号0に回線名TokyoのATM回線を定義します。 4 回線名Tokyoの回線のプロトコルをATMに指定します。 5 VPI値=0およびピークセルレート80Mbit/sを定義します。 6 本装置A−本装置B間のVCを定義します。VCI=32,VC名はTokyoOsakaVです。 7〜11 TokyoOsakaVをインタフェースとしてIPv6リンクローカルアドレスを定義し,IPv6グローバルアドレスは未定義とします。 12 VPI値=1およびピークセルレート20Mbit/sを定義します。 13 本装置A−本装置C間のVCを定義します。VCI=32,VC名はTokyoNagoyaVです。 14〜19 TokyoNagoyaVをインタフェースとしてIPv6リンクローカルアドレスを定義し,IPv6グローバルアドレスは未定義とします。
- <本装置B>
1 (config)# traffic CBR80M cbr pcr 80000 2 (config)# line Osaka oc3atm 0/0 [line Osaka] 3 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 [line Osaka] 4 (config)# vp 0 pcr 80000 [vp 0] 5 (config)# vc OsakaTokyoV 32 traffic CBR80M [vc OsakaTokyoV] 6 (config)# ip destination_ip_address fe80::a0:b0 [vc OsakaTokyoV] 7 (config)# ip fe80::b0:a0/128 [vc OsakaTokyoV] 8 (config)# ip connect_type point [vc OsakaTokyoV] 9 (config)# exit [vp 0] 10 (config)# exit [line Osaka] 11 (config)# exit表6-15 本装置Bの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート80Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR80Mで定義します。 2 NIF番号0,Line番号0に回線名OsakaのATM回線を定義します。 3 回線名Osakaの回線のプロトコルをATMに指定します。 4 VPI=0値およびピークセルレート80Mbit/sを定義します。 5 本装置A−本装置B間のVCを定義します。VCI=32,VC名はOsakaTokyoVです。 6〜11 OsakaTokyoVをインタフェースとしてIPv6リンクローカルアドレスを定義し,グローバルアドレスは未定義とします。
- <本装置C>
1 (config)# traffic CBR20M cbr pcr 20000 2 (config)# line Nagoya oc3atm 0/0 [line Nagoya] 3 (config)# atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 [line Nagoya] 4 (config)# vp 1 pcr 20000 [vp 1] 5 (config)# vc NagoyaTokyoV 32 traffic CBR20M [vc NagoyaTokyoV] 6 (config)# ip destination_ip_address fe80::a1:c0 [vc NagoyaTokyoV] 7 (config)# ip fe80::c0:a1/128 [vc NagoyaTokyoV] 8 (config)# ip connect_type point [vc NagoyaTokyoV] 9 (config)# exit [vp 1] 10 (config)# exit [line Nagoya] 11 (config)# exit表6-16 本装置Cの構成定義情報解説
解説番号 解説 1 サービスカテゴリCBR,ピークセルレート20Mbit/sのトラフィッククラスをトラフィック名CBR20Mで定義します。 2 NIF番号0,Line番号0に回線名NagoyaのATM回線を定義します。 3 回線名Nagoyaの回線のプロトコルをATMに指定します。 4 VPI=1値およびピークセルレート20Mbit/sを定義します。 5 本装置A−本装置C間のVCを定義します。VCI=32,VC名はNagoyaTokyoVです。 6〜11 NagoyaTokyoVをインタフェースとしてIPv6アドレスを定義します。IPv6グローバルアドレスは未定義とします。
- [構成定義情報の表示]
- <本装置A>
traffic CBR80M cbr pcr 80000 traffic CBR20M cbr pcr 20000 ! line Tokyo oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 2 vp 0 pcr 80000 vc TokyoOsakaV 32 traffic CBR80M ip destination_ip_address fe80::b0:a0 ip fe80::a0:b0/128 ip connect_type point vp 1 pcr 20000 vc TokyoNagoyaV 32 traffic CBR20M ip destination_ip_address fe80::c0:a1 ip fe80::a1:c0/128 ip connect_type point
- <本装置B>
traffic CBR80M cbr pcr 80000 ! line Osaka oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 vp 0 pcr 80000 vc OsakaTokyoV 32 traffic CBR80M ip destination_ip_address fe80::a0:b0 ip fe80::b0:a0/128 ip connect_type point
- <本装置C>
traffic CBR20M cbr pcr 20000 ! line Nagoya oc3atm 0/0 atm vpi_vci_range 1 vp_shaping_number 1 vp 1 pcr 20000 vc NagoyaTokyoV 32 traffic CBR20M ip destination_ip_address fe80::a1:c0 ip fe80::c0:a1/128 ip connect_type point
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