22.1.11 ノンストップルーティング
- 〈この項の構成〉
(1) 概要
ノンストップルーティングは,系切替によって運用系BCUが交替したときに系切替前のルーティングプロトコルの状態を引き継いで,新運用系BCUで継続して動作することでネットワーク全体での通信を維持するための機能です。
上記の実現のために,BGP4およびBGP4+ではあらかじめルーティングプロトコルの状態を他系BCU間で同期します。系切替時には,新運用系BCUがKEEPALIVEメッセージやUPDATEメッセージの送受信を継続することで,系切替をBGPピアから隠します。
ノンストップルーティングは装置単体で動作する機能のため,隣接ルータがノンストップルーティングをサポートしている必要はありません。
(2) ノンストップルーティング使用時の注意事項
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ノンストップルーティングを使用する場合,コンフィグレーションコマンドneighbor soft-reconfigurationでinboundパラメータを設定して,学習経路フィルタで抑止した経路を無効経路として保持することを推奨します。この設定がないと,系切替後に運用コマンドclear ip bgpまたはclear ipv6 bgpによる経路の再学習が必要になります。
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マネージメントポートに設定したアドレスを使用して確立したBGP4ピアまたはBGP4+ピアにノンストップルーティングを設定すると,運用を継続できないことがあります。ノンストップルーティングを設定した場合は,該当ピアのノンストップルーティングの設定を削除することで復旧します。
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スパニングツリーを設定しているVLANインタフェースを使用して確立するBGP4ピアまたはBGP4+ピアに,ノンストップルーティングを設定しないでください。系切替時に該当ピアを維持できないことや,運用コマンドredundancy force-switchoverで系切替できないことがあります。