運用コマンドレファレンス Vol.3


show bfd discard-packets

BFDで廃棄されたパケット情報を表示します。表示できる廃棄パケット情報は,BFD全体で廃棄要因ごとに最新の1パケット分です。

[入力形式]

show bfd discard-packets

[入力モード]

一般ユーザモードおよび装置管理者モード

[パラメータ]

なし

[実行例]

図15‒3 BFDで廃棄されたパケット情報の表示
> show bfd discard-packets
Date 20XX/07/10 18:37:50 UTC
15 packets discard
    10 packets: Unknown Session (Discriminator=0xd1ef0023)
        Remote Address: 172.16.10.11 VRF:2
    1 packet: Authentication Failure
        Remote Address: 192.168.22.1
        Local Address: 192.168.22.4
    4 packets: Invalid Desired Min TX Interval (Interval=0)
        Remote Address: 192.168.22.1
        Local Address: 192.168.22.4
>

[表示説明]

表15‒4 BFDで廃棄されたパケット情報の表示内容

表示項目

表示内容

表示詳細情報

packets discard

廃棄パケットの総数

packets

受信したBFDパケットの廃棄要因

廃棄要因ごとに表示します。

廃棄要因となった値が取得できる場合は括弧で表示します。

Remote Address

BFDセッションのリモートアドレス

廃棄パケット情報から取得できない場合は表示されません。

Local Address

BFDセッションのローカルアドレス

廃棄パケット情報から取得できない場合は表示されません。

VRF

VRF ID

対象がグローバルネットワークの場合は表示されません。

注※ 受信したBFDパケットの廃棄要因を次の表に示します。この表は,表示順序の優先度が高い順に記載しています。

表15‒5 受信したBFDパケットの廃棄要因

廃棄要因

意味

説明

Invalid Packet

不正なパケットによる廃棄

パケットが不正

対向装置の設定を確認してください。

Invalid Version

不正なBFDバージョンによる廃棄

Versionフィールドの値が1でない

対向装置の設定を確認してください。

Too Short Packet

不正なパケット長(短い)による廃棄

Lengthフィールドの値が24バイトより小さい

対向装置の設定を確認してください。

Too Long Packet

不正なパケット長(長い)による廃棄

Lengthフィールドの値が受信パケットサイズより大きい

対向装置の設定を確認してください。

Invalid Multiplier

不正なMultiplierによる廃棄

Detect Multフィールドの値が0

対向装置の設定を確認してください。

Invalid Multipoint

不正なMultipointによる廃棄

Mビットの値が0でない

対向装置の設定を確認してください。

Invalid My Discriminator

不正なMy Discriminatorによる廃棄

My Discriminatorフィールドの値が0

カウンタが上がり続ける場合は,対向装置の設定,またはネットワークの状態を確認してください。

Unknown Session

セッション不明による廃棄

対応するBFDセッションが本装置に設定されていない

カウンタが上がり続ける場合は,本装置の設定,またはネットワークの状態を確認してください。

Invalid Your Discriminator

不正なYour Discriminatorによる廃棄

Your Discriminatorフィールドの値が0,かつStateフィールドがInitまたはUp

カウンタが上がり続ける場合は,対向装置の設定,またはネットワークの状態を確認してください。

Invalid TTL/HopLimit

不正なTTL/HopLimitによる廃棄

シングルホップだがTTLフィールドまたはHopLimitフィールドの値が255でない

カウンタが上がり続ける場合は,ネットワークの状態を確認してください。

Received Interface Mismatch

インタフェース不一致による廃棄

シングルホップだが受信インタフェースと送信インタフェースが異なる

カウンタが上がり続ける場合は,ネットワークの状態を確認してください。

Authentication Failure

認証失敗による廃棄

認証が失敗,または本装置がサポートしていない認証方式の使用を要求された

本装置と対向装置の設定を確認してください。

Invalid Desired Min TX Interval

不正なDesired Min TX Intervalによる廃棄

Desired Min TX Intervalフィールドの値が1〜255000000の範囲でない

対向装置を確認して,範囲内の値を設定してください。

Invalid Required Min RX Interval

不正なRequired Min RX Intervalによる廃棄

Required Min RX Intervalフィールド値が0〜255000000の範囲でない

対向装置を確認して,範囲内の値を設定してください。

Other Errors

その他要因による廃棄

その他の条件によって廃棄

[通信への影響]

なし

[応答メッセージ]

表15‒6 show bfd discard-packetsコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

The command cannot be executed because another user is executing a BFD command. Wait a while, and then try again.

ほかのユーザがBFDコマンドを実行中のため,コマンドを実行できません。しばらくしてから再実行してください。

The command cannot be executed because the connection to the BFD program failed.

BFDプログラムとの通信が失敗しました。コマンドを再実行してください。頻発する場合は,restart bfdコマンドでBFDプログラムを再起動してください。

The command cannot be executed in the standby system.

このコマンドは待機系では実行できません。

The command cannot be executed. Try again.

コマンドを実行できません。再実行してください。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

[注意事項]

  1. 複数の廃棄要因に該当する場合は,最も優先度の高い廃棄要因だけをカウントします。例えば,Invalid VersionとAuthentication Failureの両方に該当するパケットは,Invalid Versionとしてカウントします。