traceroute
宛先ホストまでUDPメッセージが通ったルート(通ったゲートウェイのルートとゲートウェイ間の応答時間)を表示します。
[入力形式]
traceroute <host> [numeric] [direct] [verbose] [gateway <gateway address>...] [ttl <ttl>] [port <port>] [probes <count>] [[specific-route] source <source address>] [waittime <time>] [packetsize<size>] [vrf <vrf id>] [dscp <dscp>]
[入力モード]
一般ユーザモードおよび装置管理者モード
[パラメータ]
- <host>
-
テスト対象(IP送信先)の宛先ホスト名またはホストIPアドレスを指定します。
vrf <vrf id>を指定する場合,<host>にはIPアドレスだけが指定でき,宛先ホスト名は指定できません。
- numeric
-
ゲートウェイのアドレスをホスト名とIPアドレスではなくIPアドレスだけで表示します。
- 本パラメータ省略時の動作
-
ホストのIPアドレスを名前に変換して表示します。
- direct
-
プローブパケットを接続されているネットワーク上のホストに直接送出します。通常のルーティングテーブルを使用しません。そのホストが直接接続されたネットワーク上にない場合にはエラーが返ります。このオプションは,経路を持たないインタフェースを使ってホストにtracerouteを実行する場合に使用できます。
- 本パラメータ省略時の動作
-
通常のルーティングテーブルを使用して送信します。
- verbose
-
冗長出力を有効にします。TIME_EXCEEDEDとUNREACHABLE以外の受信したICMPパケットを表示します。
- 本パラメータ省略時の動作
-
TIME_EXCEEDEDおよびUNREACHABLEだけを出力します。
- gateway <gateway address>
-
ソースルートゲートウェイ指定します。最大8個です。
- 本パラメータ省略時の動作
-
ソースルートゲートウェイを設定しません。
- ttl <ttl>
-
送出されるプローブパケットの最大time-to-live(最大ホップ数)をセットします。指定できる値は2〜255です。
- 本パラメータ省略時の動作
-
最大ホップ数は30となります。
- port <port>
-
使用するUDPパケットのポート番号を指定します。プローブパケットのポート番号は<port>+1から始まり,プローブパケットごとに1ずつ増加します。
- 本パラメータ省略時の動作
-
ポート番号は33434となります(プローブパケットのポート番号は33435から始まります)。
- probes <count>
-
"ttl"ごとの探索の回数を<count>に指定します。指定できる値は1〜2147483647です。
- 本パラメータ省略時の動作
-
探索の回数は3となります。
- source <source address>
-
送出されるプローブパケットのソースアドレス(送出するアドレス)として,引数のIPアドレス(ホスト名ではなく,数字で指定してください)を使用します。複数のIPアドレスを持つホストで,プローブパケットに別のソースアドレスを持たせるのに使用できます。指定したIPアドレスが,このホストのインタフェースのアドレスのうちの一つでない場合,エラーが返され何も送出されません。
- 本パラメータ省略時の動作
-
本装置が選択した送信元IPアドレスが使用されます。
- specific-route
-
sourceオプションとともにマルチパス経路で使用します。<source address>で指定したIPアドレスを出力パケットの送信元アドレスとして使用し,そのIPアドレスを設定している回線から送信します。指定できるIPアドレスは,マルチパスとなっているインタフェースの自IPアドレスです。
- 本パラメータ省略時の動作
-
特定の経路を設定しません。
- waittime <time>
-
プローブパケットの応答待ち時間を秒単位で指定します。指定できる値は2〜86400です。
- 本パラメータ省略時の動作
-
待ち時間は5秒となります。
- packetsize <size>
-
プローブパケットのデータサイズをバイト単位で指定します。指定できる値は40〜32768です。
- 本パラメータ省略時の動作
-
データサイズは40バイトとなります。
- vrf <vrf id>
-
VRFを指定してルート表示します。<vrf id>にはコンフィグレーションコマンドで設定されたVRF IDを指定してください。
- 本パラメータ省略時の動作
-
グローバルネットワークルートを表示します。
- dscp <dscp>
-
<dscp>で指定した値をIPヘッダのDifferentiated Services(Type of Service)フィールドのDSCP値として設定します。指定できる値は0〜63です。
- 本パラメータ省略時の動作
-
0が設定されます。
- すべてのパラメータ省略時の動作
-
指定された<host>へのルートを表示します。
[実行例]
>traceroute 192.168.3.24 numeric traceroute to 192.168.3.24 (192.168.3.24), 30 hops max, 40 byte packets 1 192.168.2.101 0.612 ms * 0.532 ms 2 192.168.3.24 0.905 ms 0.816 ms 0.807 ms > |
[表示説明]
なし
[通信への影響]
なし
[応答メッセージ]
メッセージ |
内容 |
---|---|
A host name and VRF cannot be specified at the same time. |
VRFと同時にホスト名称を指定できません。 |
packet too short (<receive> bytes) from <host> |
指定したホストからのパケット長が短過ぎます。 <receive> 受信したデータ長 <host> ホスト名またはIPアドレス |
sendto: <error message> |
ソケットへのデータ送信に失敗しました。 <error message> エラーメッセージ |
The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration. |
このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。 |
traceroute: <address> is not a valid local address. |
送信元IPアドレスとして<address>を選択しましたが,本装置で有効なアドレスではありません。 <address> IPアドレス |
traceroute: icmp socket: <error message> |
icmpソケットオープンに失敗しました。 <error message> エラーメッセージ |
traceroute: raw socket: <error message> |
rawソケットオープンに失敗しました。 <error message> エラーメッセージ |
traceroute: unknown host <host> |
ホスト名が間違っています。正しいホスト名を入力してください。 <host> ホスト名 |
traceroute: Warning: <host> has multiple addresses; using <address> |
指定した<host>は複数のアドレスを持っていましたが,<address>を採用しました。 <host> ホスト名 <address> IPアドレス |
traceroute: wrote <host> <send> chars, ret=<sent> |
指定したホストへパケットが送信できません。 <host> ホスト名またはIPアドレス <send> 送信するデータ長 <sent> 送信したデータ長 |
[注意事項]
-
DNSサーバのIPアドレスが正しく設定されていない場合,ホスト名の参照時にDNSサーバとの通信ができないことを検知するまでに時間が掛かり,実行結果が表示されるまでの時間が長くなることがあります。DNSサーバを設定していない場合は,この現象は発生しません。
-
QoS制御が有効になっている場合は,dscpパラメータを指定してもQoS制御の影響を受けます。