運用コマンドレファレンス Vol.1


python

Pythonを起動します。

[入力形式]

python [<option>] [-W {ignore | default | all | module | once | error}] [{-m <module name> | <file name> | - } [<args>...]]

[入力モード]

装置管理者モード

[パラメータ]

<option>
-b (-bb)

文字列とバイトを比較したときに警告を発生させます。-bbを指定した場合はエラーを発生させます。

-B

予約オプションです。本装置では特別な動作はしません。

-d

デバッグ出力を有効にします。

-E

Python関連のすべての環境変数(PYTHON*)を無視します。

-h (--help)

すべてのコマンドラインオプションの短い説明を表示します。

-i

最初の引数にスクリプトが指定された場合,スクリプト終了後にインタラクティブモードに遷移します。

-O (-OO)

予約オプションです。本装置では特別な動作はしません。

-q

インタラクティブモードの起動時にバージョンを表示しません。

-R

サービス妨害攻撃に対する防御手段として,hash()によるハッシュ値生成にソルト※1を使用します。ソルト※1には,環境変数PYTHONHASHSEEDに設定した値を使用します。設定がない場合はランダム値を使用します。

-s

sys.path※2にユーザsiteディレクトリを追加しません。

-S

siteモジュールのインポートを無効にして,そのモジュールで行われているディレクトリ独自のsys.path※2操作を無効にします。

-u

予約オプションです。本装置では特別な動作はしません。

-v (-vv)

モジュールが初期化されるたびに,そのモジュールがどこ(ファイル名やビルトインモジュール)からロードされたのかを示すメッセージを表示します。-vvを指定した場合は,モジュールを検索するときにチェックした各ファイルに対してメッセージを表示します。また,終了時のモジュールクリーンアップに関する情報も表示します。

-V (--version)

Pythonのバージョン番号を表示して終了します。

-x

ソースの最初の行をスキップします。

-X

予約オプションです。本装置では特別な動作はしません。

本パラメータ省略時の動作

<option>の各説明に記載した動作をしません。

-W {ignore | default | all | module | once | error}

警告を表示する頻度を制御します。

ignore

すべての警告を無視します。

default

明示的にデフォルトの動作(ソース行ごとに一度だけ警告を表示する)を要求します。

all

警告が発生するたびに表示します。ループなどで同じソース行に繰り返し警告が発生した場合は,大量のメッセージを表示します。

module

各モジュールで最初に発生した警告を表示します。

once

プログラムで最初に発生した警告を表示します。

error

警告を表示しないで例外を発生させます。

本パラメータ省略時の動作

ソース行ごとに一度だけ警告を表示します。

{-m <module name> | <file name> | - } [<args>...]
-m <module name>

指定したモジュールをsys.path※2から検索して実行します。

<module name>に指定できる文字数は最大255文字です。

<module name>には,英数字とドット(.),ハイフン(-),アンダースコア(_),チルダ(~),ハット(^)が使用できます。

カレントディレクトリは表示しません。

<file name>

指定したスクリプトファイルを実行します。ファイルパスとファイル名を指定してください。ファイルパスを省略すると,カレントディレクトリを参照します。

<file name>に指定できる文字数は最大255文字です。

<file name>には,英数字とドット(.),ハイフン(-),アンダースコア(_),チルダ(~),ハット(^)が使用できます。

指定できるスクリプトファイルの拡張子は「.py」「.pyc」「.pyo」のどれかです。

-

インタラクティブモードでPythonを起動します。

<args>

スクリプトファイルの起動時に適用する引数を指定します。

一つの引数に指定できる文字数は最大63文字です。

引数には,英数字と特殊文字を使用できます。特殊文字については,「文字コード一覧」を参照してください。ただし,ダブルクォート("),シングルクォート('),セミコロン(;),バックスラッシュ(¥),逆シングルクォート(`)は使用できません。また,ドル($)は先頭の文字には使用できません。

指定できる引数の数は最大32個です。複数指定する場合は,引数の間をスペースで区切ります。引数にスペースなどの特殊文字を使用する場合は,引数をダブルクォート(")で囲んで指定してください。

本パラメータ省略時の動作

インタラクティブモードでPythonを起動します。ただし,<option>パラメータに-h (--help)オプションまたは-V (--version)オプションを指定した場合は,指定した動作に従います。

すべてのパラメータ省略時の動作

インタラクティブモードでPythonを起動します。

注※1

ソルトとは,ハッシュ値生成前の値に文字列を付けて,ハッシュ値を複雑にする目的の付加文字列のことです。

注※2

sys.pathとは,Pythonがモジュールを検索するためのパスを文字列のリストにしたものです。

[実行例]

カレントディレクトリにあるスクリプトファイル(sample.py)を起動します。

# python sample.py
       :
       :
       :
#

装置にインストール済みのスクリプトモジュール(sample)を起動します。起動時に,第一引数にはtestを,第二引数には1を指定して渡します。

# python -m sample test 1 
       :
       :
       :
#

インタラクティブモードでPythonを起動します。起動を確認したら終了します。

# python
    Python 3.2.3 (default, Oct 29 20XX, 17:26:20)
    Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
    >>>
    >>> quit()
#

[表示説明]

スクリプトの実行結果が表示されます。

[通信への影響]

通信を制御するスクリプトを実行すると,通信への影響が発生することがあります。

[応答メッセージ]

表19‒1 pythonコマンドの応答メッセージ一覧

メッセージ

内容

The command cannot be executed because you are in user mode.

このコマンドは一般ユーザモードでは実行できません。

The command cannot be executed in the standby system.

このコマンドは待機系では実行できません。

The command is not authorized by the RADIUS/TACACS+ server or the configuration.

このコマンドはRADIUSサーバ,TACACS+サーバ,またはコンフィグレーションで承認されていません。

The number of scripts currently running exceeds the maximum.

実行中のスクリプト数が制限値を超えています。

The number of scripts that started per unit time exceeds the maximum.

スクリプトの単位時間当たりの起動回数が制限値を超えています。

[注意事項]

  1. 同時に実行できるスクリプト数は最大4です。

  2. スクリプトの起動は1秒当たり最大8回です。この制限値を超過した場合はエラーになります。