コンフィグレーションコマンドレファレンス Vol.3


bgp dampening

ルート・フラップしている外部ピアまたはメンバーAS間からの学習経路について一時的に使用を抑止し,ルート・フラップによる影響を軽減することを指定します。

config-routerモードで設定した場合,グローバルネットワークのBGP4経路に適用します。

config-router-af(ipv6)モードで設定した場合,グローバルネットワークのBGP4+経路に適用します。

[入力形式]

情報の設定・変更
bgp dampening [<half life> [<reuse> <suppress> <max suppress time>]]
情報の削除
no bgp dampening

[入力モード]

(config-router)
(config-router-af)(ipv6)

[パラメータ]

<half life>

ペナルティの半減期時間を指定します。半減期時間とは,ルート・フラップに伴い累積されたペナルティ値が50%に半減するために要する時間を表します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    初期値は15(分)です。

  2. 値の設定範囲

    1〜45(10進数:分)を指定します。本値は<max suppress time>より小さい値を指定してください。

<reuse>

抑止していた経路の使用を再開始するペナルティの下限値を指定します。<half life>に基づくペナルティ値の減算によって,ペナルティ値が本値以下になった場合に抑止していた経路の使用を再開始します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    初期値は2です。

  2. 値の設定範囲

    1〜15(10進数)を指定します。本値は<suppress>より小さい値を指定してください。

<suppress>

経路の使用を抑制するペナルティの上限値を指定します。ペナルティ値は経路が到達可状態から到達不可状態に変わった場合に1加算し,本値以上になった場合に経路の使用を抑止します。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    初期値は3です。

  2. 値の設定範囲

    2〜16(10進数)を指定します。本値は<reuse>より大きい値を指定してください。

<max suppress time>

経路の使用を抑止する最大時間を指定します。本値はペナルティ値が最大ペナルティ値から<reuse>に達するまでの経過時間です。

最大ペナルティ値は次の計算によって決定します。

  • 最大ペナルティ値 = <reuse> × 2^(<max suppress time> / <half life>)

    なお,計算結果が240を超える場合は240とします。

  1. 本パラメータ省略時の初期値

    初期値は<half life>の4倍です。

  2. 値の設定範囲

    2〜180(10進数:分)を指定します。本値は<half life>より大きい値を指定してください。

[コマンド省略時の動作]

ルート・フラップ・ダンプニングは動作しません。

[通信への影響]

なし

[設定値の反映契機]

本コマンドの設定時に反映されます。

[注意事項]

  1. フラップが多発した場合もペナルティ値は最大ペナルティ値が上限となります。計算結果が240を超える場合でペナルティ値が最大ペナルティ値(240)に達したときは,実際の経路の使用抑止時間は<max suppress time>で指定した時間より短くなります。また,最大ペナルティ値が<suppress>未満の場合,経路の使用が抑止されないため注意してください。

  2. フラップ中に<half life>,<reuse>,<suppress>,<max suppress time>のどれかのパラメータを変更した場合,フラップ履歴を削除します。

  3. VRFのBGP4経路およびVRFのBGP4+経路には適用できません。

[関連コマンド]

なし