コンフィグレーションガイド Vol.3


22.1.7 広告用経路生成

広告用経路生成とは,BGP4経路またはBGP4+経路と同じ宛先の経路情報を自装置内のアクティブ経路から生成して,BGP4またはBGP4+で広告する機能です。パケットのフォワーディングには実際のBGP経路を使用して,他装置への広告には生成した広告用経路を使用することによって,BGP経路を宛先とするフォワーディングと安定した経路広告ができます。この機能の使用例を次に示します。

通常はルータAから受信したBGP経路をフォワーディングテーブルに設定して,該当経路から生成された広告用経路をルータBに広告します。経路フィルタリングを設定していない場合,ルータAから受信したBGP経路と該当経路から生成された広告用経路のうち,ルータAから受信したBGP経路が広告の対象経路になります。そのため,ルータAから受信したBGP経路の広告を抑止して,広告用経路が広告されるように経路フィルタリングを設定してください。

図22‒7 広告用経路生成と広告(通常の場合)

[図データ]

ルータAから学習していたBGP経路が削除された場合は,スタティック経路がアクティブ経路となり,このスタティック経路から生成された広告用経路をルータBに広告します。

図22‒8 広告用経路生成と広告(BGP経路が削除された場合)

[図データ]

このように設定することで,通常のフォワーディングにはBGP経路が使用され,かつルータAから受信するBGP経路がフラップした場合でもルータBへのBGP経路広告に影響しません。

なお,広告用経路の生成には次のどちらかのコンフィグレーションコマンドを使用します。

広告用経路は明示的に経路フィルタリングを設定しないかぎり,すべてのピアに広告します。BGP経路から生成された同じ宛先の広告用経路をBGP経路の学習元(ここではルータA)に広告した場合,経路ループが発生するおそれがあるため,経路フィルタリングで広告を抑止してください。